南国の楽園、沖縄県石垣島。その美しい島を舞台に、毎年1月に開催されるのが「石垣島マラソン」です。 日本最南端の市民マラソンとして知られ、透き通るような青い海と豊かな緑に囲まれた絶景コースを走れることから、全国のランナーにとって憧れの大会の一つとなっています。
1月の平均気温が18℃前後と、本州の冬とは比べ物にならないほど温暖な気候も大きな魅力です。 この記事では、そんな石垣島マラソンの魅力をはじめ、種目やコースの詳細、参加方法、そしてマラソンと一緒に楽しみたい観光情報まで、知りたい情報を余すところなく、そして分かりやすくお伝えします。初心者の方も、ベテランの方も、次の挑戦の舞台に石垣島を選んでみませんか?
石垣島マラソンとは?日本最南端の市民マラソンの魅力に迫る

石垣島マラソンは、単に走るだけのイベントではありません。そこには、この大会ならではの特別な魅力がたくさん詰まっています。美しい自然景観はもちろん、島の人々の温かさや、ランナーを支える充実したサポート体制など、多くのランナーがリピーターになる理由を探っていきましょう。
開催時期と歴史
石垣島マラソンは、例年1月の第4日曜日に開催されています。 この時期の石垣島は、平均気温が18℃前後と非常に過ごしやすく、ランニングには最適なコンディションです。 大会のルーツは、1987年から2002年まで開催されていた「八重山マラソン」に遡ります。 その後、運営体制の変更を機に「石垣島マラソン」と名称を改め、2003年に第1回大会が開催されました。 以来、日本最南端の市民マラソン大会として歴史を重ね、多くのランナーに愛され続けています。 走り初めとしてこの大会を選ぶ参加者も多く、毎年、年の初めに南国の風を感じながら走ることを楽しみにしているランナーで賑わいます。
選べる4つの種目
石垣島マラソンは、ランナーのレベルや目標に合わせて選べるように、複数の種目が用意されているのが特徴です。 具体的には、本格的な「フルマラソン(42.195km)」、挑戦しやすい距離の「ハーフマラソン(21km)」、初心者や観光ランにもおすすめの「10km」、そして仲間と襷をつなぐ「10kmリレー」の4種目があります。 フルマラソンやハーフマラソンは16歳以上、10kmリレーは中学生以上から参加可能です。 このように、ベテランランナーからマラソン大会が初めての方、家族や友人と楽しみたい方まで、幅広い層が参加しやすい設定になっています。 自分の体力や目的に合わせて最適な種目を選び、石垣島でのランニングを満喫できるのが大きな魅力です。
なんといっても絶景!コースの魅力
石垣島マラソンの最大の魅力は、何と言ってもそのコースからの眺めです。 エメラルドグリーンに輝く海、青々と広がるサトウキビ畑、沖縄の原風景を感じさせる赤瓦の集落など、次々と変化する景色がランナーの目を楽しませてくれます。 コースは石垣島の南半分を巡るように設定されており、特に海岸線を走る区間では、潮風を感じながら開放感あふれるランニングが体験できます。 また、コースは基本的に折り返しのないワンウェイコースなので、常に新しい景色に出会えるのも嬉しいポイントです。 アップダウンが多くタフなコースとしても知られていますが、その分、走りきった時の達成感と、苦しい場面で支えてくれる絶景は、参加したランナーにとって忘れられない思い出となるでしょう。
温かい声援と「おもてなし」
石垣島マラソンが多くのランナーに愛されるもう一つの理由が、島民の温かい応援です。 沿道では、子どもからお年寄りまでたくさんの地元の方々が、三線(さんしん)の音色やエイサーの演舞でランナーを元気づけてくれます。 「ちばりよー!(がんばれー!)」という方言での声援は、疲れた足に新たな力を与えてくれることでしょう。また、コース上に設置されるエイドステーション(給水・給食所)も充実しています。 ドリンクやフルーツはもちろん、黒糖や石垣の塩、パイナップルといった地元特産品が並び、島の恵みを味わいながらエネルギー補給ができます。 このような島全体で大会を盛り上げる「おもてなし」の心が、ランナーにとっては何よりの励みとなり、完走への大きな後押しとなります。
石垣島マラソンのコース紹介!絶景を走る喜び

石垣島マラソンは、種目ごとにそれぞれ特色のあるコースが設定されています。ここでは、フルマラソン、ハーフマラソン、10kmの各コースの詳細と、攻略のポイントとなる高低差について解説します。どのコースからも石垣島ならではの美しい景色を楽しめますが、事前に特徴を知っておくことで、よりレースを戦略的に楽しむことができるでしょう。
フルマラソン(42.195km)のコース詳細
フルマラソンのコースは、石垣島の自然の魅力を存分に味わえる壮大なルートです。 スタート・フィニッシュ地点は石垣市中央運動公園陸上競技場。 序盤は市街地を抜け、遠くに竹富島を望む美しい海岸線沿いを走ります。 中盤に差し掛かると、コースは内陸部へ。サトウキビ畑やパイナップル畑、石垣牛がのんびりと草を食む牧場など、八重山ののどかな風景が広がります。 しかし、この中盤以降はコース最大の難所ともいえるアップダウンが連続する区間でもあります。 終盤は再び市街地に戻り、沿道からのひときわ大きな声援を受けながらゴールを目指します。 変化に富んだ景観と、走りごたえのあるタフなコース設定が、フルマラソンならではの醍醐味と言えるでしょう。
ハーフマラソン(21km)のコース詳細
ハーフマラソンは、フルマラソンの魅力を凝縮しつつ、より多くのランナーが挑戦しやすい距離設定になっています。 フルのコースと同様に石垣市中央運動公園をスタートし、序盤は市街地や海岸線の美しい景色の中を走ります。 近年の大会ではコースが変更され、リゾートホテルが立ち並ぶエリアや名蔵大橋などを通る、より海を感じられるルートになっています。 適度なアップダウンはありますが、フルマラソンほど厳しいものではなく、走り応えと景色の楽しさのバランスが取れたコースです。 海岸線を走る爽快感と、石垣島の自然美を満喫できるため、マラソン経験者はもちろん、初ハーフに挑戦するランナーにもおすすめです。
10kmマラソンのコース詳細
10kmコースは、マラソン初心者の方や、観光の合間に気軽に参加したい方にぴったりのコースです。 主に石垣市の市街地を中心に走るルート設定で、平坦な道が多く走りやすいのが特徴です。 高低差も最大で20m程度と比較的少ないため、タイムを狙いたいランナーにも向いています。 コースの途中には、石垣島出身の伝説的なボクサー、具志堅用高さんの記念館の前を通るなど、観光気分も味わえます。 市街地が中心のため、沿道の応援がコースの大部分で途切れることなく続き、賑やかな雰囲気の中で楽しく走ることができます。 短い距離ながらも、石垣島の街の雰囲気と人々の温かさに触れられる魅力的なコースです。
高低差と攻略のポイント
石垣島マラソンは、美しい景色とは裏腹に、アップダウンの多いタフなコースとしても知られています。 特にフルマラソンでは、中盤の15km地点あたりから起伏が連続し、25km過ぎには高低差約78mの大きなアップダウンが待ち構えています。 この難所をどう乗り切るかが、完走への大きなポイントとなります。攻略のためには、序盤の平坦な区間でペースを上げすぎず、体力を温存しておくことが重要です。上り坂では無理をせず歩幅を小さく、リズミカルに走ることを意識し、下り坂ではスピードを出しすぎず、膝への負担を考えながら走りましょう。1月の石垣島は温暖ですが、湿度が高かったり、時には強い北風が吹いたりすることもあります。 当日の天候に合わせて、こまめな水分補給や体温調節を心がけることも完走への大切な要素です。
石垣島マラソンへの参加方法と準備

憧れの石垣島マラソンに参加するためには、事前の準備が欠かせません。エントリー(申し込み)の時期を逃さないことはもちろん、石垣島までの交通手段や宿泊先の確保、そして南国ならではの気候に合わせた持ち物の準備など、やるべきことはたくさんあります。ここでは、安心して大会当日を迎えるための具体的な準備について解説します。
エントリー方法とスケジュール
石垣島マラソンへのエントリーは、例年9月上旬頃から開始され、11月上旬頃に締め切られます。 申し込みは、主にスポーツエントリーサイト「RUNNET(ランネット)」を通じて行われます。 エントリー開始日が近づくと公式サイトで告知されるので、参加を希望する方はこまめにチェックしておきましょう。 特に、チームで参加する10kmリレーは人気が高く、定員に達し次第締め切られてしまうため、早めの申し込みがおすすめです。 申し込み時には、参加種目の選択のほか、記念Tシャツのサイズなどを登録します。 大会のおよそ1週間〜10日前に、ナンバーカード(ゼッケン)の引換通知書が郵送で届くので、大切に保管しておきましょう。
参加料と定員について
参加料は種目によって異なり、また、石垣市民向けの割引料金が設定されている場合もあります。 例えば、2024年大会の一般参加料は、フルマラソンが8,000円、ハーフマラソンと10kmが7,000円でした。 高校生は割引料金が適用されます。 10kmリレーはチームでの申し込みとなり、料金もチーム単位で設定されています。 これらの参加料には、ナンバーカードや記念Tシャツ、保険料などが含まれています。 定員については、フル、ハーフ、10kmの個人種目には上限が設けられていないことが多いですが、10kmリレーは先着50チームなどと制限があるため注意が必要です。 最新の参加料や定員の詳細は、必ず大会の公式サイトで確認するようにしてください。
石垣島へのアクセスと宿泊先の確保
石垣島へは、主に飛行機でのアクセスとなります。 主要都市からの直行便のほか、那覇空港で乗り継いで向かうこともできます。 マラソン大会の時期は、全国から多くのランナーや応援者が訪れるため、航空券や宿泊施設は非常に混み合います。エントリーを決めたら、できるだけ早く航空券と宿を予約することをおすすめします。 特に、スタート・ゴール会場である石垣市中央運動公園や、前日受付会場の総合体育館に近い市街地エリアのホテルは人気が集中します。 旅行会社が企画する、航空券と宿泊、空港からホテルまでの送迎などがセットになったマラソン参加者向けのツアーを利用するのも一つの手です。
気候に合わせた服装と持ち物の準備
1月の石垣島は平均気温18℃前後と温暖ですが、天候が変わりやすいのが特徴です。 晴れて日差しが強い日もあれば、急に雨が降ったり、強い北風が吹いて肌寒く感じたりすることもあります。 そのため、どのような天候にも対応できる服装の準備が重要です。ランニング中は、半袖シャツにショートパンツが基本になると思いますが、汗をかいても体が冷えにくい速乾性のある素材を選びましょう。また、スタート前の待機中やゴール後に羽織れる薄手のウィンドブレーカーやパーカーがあると便利です。日差し対策として、帽子やサングラスは必需品です。 そして、忘れてはならないのが雨対策。コンパクトに収納できるポンチョや、濡れたものを入れるビニール袋などを用意しておくと安心です。
石垣島マラソン大会当日の流れと注意点

いよいよ迎える大会当日。最高のパフォーマンスを発揮し、レースを心から楽しむためには、当日の流れを把握し、落ち着いて行動することが大切です。受付からスタート、そしてゴール後の楽しみまで、一日のシミュレーションをしておきましょう。また、制限時間など、レース中に注意すべき点も事前に確認しておくことが重要です。
前日・当日の受付
石垣島マラソンでは、大会当日の受付は行われません。 必ず、大会前日に指定された場所で受付を済ませる必要がありますので、注意してください。 受付会場は例年、石垣市総合体育館で、時間は午前9時から午後7時頃までとなっています。 受付では、事前に郵送されたナンバーカード引換通知書を提示し、ナンバーカード(ゼッケン)や計測チップ、参加賞のTシャツなどを受け取ります。 この時、大会プログラムももらえるので、スタート時間やコースの最終確認をしておきましょう。代理人による受付も可能な場合がありますが、詳細は大会要項で確認してください。前日受付を忘れると出走できなくなってしまうため、石垣島への到着時間などを考慮し、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
スタート前の過ごし方と手荷物預かり
大会当日の朝は、スタート時間に間に合うよう、早めに行動を開始しましょう。朝食は、スタートの2〜3時間前までには済ませておくのが理想的です。 会場へのアクセスは、シャトルバスが運行されることが多いですが、自家用車やレンタカーで行く場合は、指定の駐車場情報を事前に確認しておく必要があります。 会場に到着したら、まずは荷物を預けましょう。ナンバーカードと共に手荷物預け用の袋が渡されることが多いので、貴重品以外の上着や着替えなどを入れて指定の場所に預けます。貴重品は、ウエストポーチなどに入れて自分で管理するのが基本です。 スタート前には、ストレッチなどのウォーミングアップを忘れずに行い、トイレも済ませておきましょう。スタートエリアには、各種目・申告タイムごとに整列ブロックが設けられているので、自分のナンバーカードに対応するブロックに並び、スタートの号砲を待ちます。
給水・給食(エイドステーション)の特色
レース中のランナーを支えるエイドステーション(給水・給食所)は、石垣島マラソンの大きな魅力の一つです。 コース上には約3kmから5kmごとにエイドが設置されており、水やスポーツドリンクはもちろん、バナナやみかんなどのフルーツも用意されています。 特徴的なのは、黒糖や石垣の塩、地元産のパイナップルといった、石垣島ならではの食材が提供されることです。 これらの「島の恵み」は、疲れた体へのエネルギー補給にぴったりです。 また、公設のエイドだけでなく、地域住民の方々による「私設エイド」も数多く存在し、コーラや手作りの差し入れでランナーをもてなしてくれます。 どこで何が食べられるのかを楽しみに走るのも、石垣島マラソンならではの醍醐味と言えるでしょう。
制限時間と関門
各レースには、制限時間と、コースの途中に設けられた「関門」の閉鎖時刻が設定されています。 これを超えてしまうと、残念ながらレースを続けることはできません。例えば、フルマラソンの制限時間は6時間30分で、中間地点や35km地点などに関門が設けられています。 ハーフマラソンは3時間30分、10kmは1時間30分が制限時間です。 これらの時間は、安全な大会運営のために定められています。関門を無事に通過するためには、あらかじめ自分の目標ペースを設定し、それに沿って走ることが大切です。特に後半のアップダウンでペースが落ちることも想定し、序盤から中盤にかけて、ある程度の時間的な余裕を作っておくと安心です。もし制限時間に間に合わなかった場合でも、収容バスが巡回しているので、係員の指示に従ってください。
石垣島マラソンと合わせて楽しむ観光・グルメ情報

せっかく石垣島まで行くのなら、マラソンだけでなく、島の魅力も満喫したいですよね。レースの前後には、美しい自然景観や文化に触れられる観光スポットを巡ったり、地元の美味しいグルメを味わったりする時間が最高の思い出になります。ここでは、マラソンランナーにもおすすめの観光スポットやグルメ、お土産情報をご紹介します。
マラソン前後に立ち寄りたい観光スポット
石垣島には、心癒される絶景スポットがたくさんあります。日本百景にも選ばれている「川平湾」は、エメラルドグリーンの海と小さな島々が織りなす風景が美しく、グラスボートで海中のサンゴや熱帯魚を観察するのもおすすめです。島の最西端にある「御神崎(おがんざき)灯台」からは、断崖絶壁と東シナ海に沈む夕日の雄大な景色が望めます。
また、市街地からほど近い「サザンゲートブリッジ」は、美しい日の出や日の入りが見られるスポットとして人気です。 マラソン後、疲れた体を癒すなら、少し足を延ばして他の八重山の島々へ渡るのも良いでしょう。 例えば、フェリーで約10分の竹富島では、水牛車に揺られながら赤瓦の古民家が並ぶ集落を散策するという、のんびりとした時間を過ごせます。
疲れた体に染みる!石垣島の絶品グルメ
走った後の体は、美味しいものを求めているはずです。石垣島に来たら、まずはブランド牛「石垣牛」を味わってみましょう。焼肉やステーキはもちろん、ハンバーグや牛丼など、様々なスタイルで楽しめます。また、沖縄そばとは一味違う、丸い細麺が特徴の「八重山そば」も必食です。
あっさりとしたスープが、疲れた胃に優しく染み渡ります。牛肉の旨味が凝縮されたスープが絶品の「牛そば」も、地元で愛されるスタミナ満点の一杯です。 その他にも、新鮮な魚介類を使った島料理や、南国フルーツをふんだんに使ったスイーツなど、魅力的なグルメが満載。完走メダルを提示すると割引などのサービスを受けられる「メダルdeおトク企画」に参加している飲食店もあるので、チェックしてみるのもおすすめです。
お土産選びも楽しもう
旅の思い出や、応援してくれた家族・友人へのお土産選びも楽しみの一つです。石垣島の定番土産といえば、やはり「ちんすこう」や「紅いもタルト」などのお菓子。しかし、それだけではありません。石垣島の海水から作られた「石垣の塩」は、ミネラル豊富でまろやかな味わいが特徴で、料理好きの方に喜ばれます。
また、独特の香りが人気のスパイス「ピパーツ(島こしょう)」や、唐辛子を泡盛に漬け込んだ調味料「コーレーグース」も、沖縄らしいお土産としておすすめです。食べ物以外では、琉球ガラスのグラスや、ミンサー織りの小物なども素敵です。ミンサー織りの五つと四つの絣模様には「いつ(五)の世(四)までも末永く」という想いが込められており、大切な人への贈り物にぴったりです。
まとめ 石垣島マラソンで最高の思い出を作ろう

日本最南端の市民マラソンである石垣島マラソンは、ただ走るだけではない、たくさんの魅力が詰まった大会です。 エメラルドグリーンの海や豊かな緑といった息をのむほどの絶景、三線やエイサーで応援してくれる島の人々の温かさ、そして黒糖やパイナップルなど島の恵みを味わえるエイドステーションは、ランナーにとって最高の「おもてなし」と言えるでしょう。 フ
ルマラソンから10kmまで、自分のレベルに合わせて種目を選べるため、初心者からベテランまで誰もが挑戦できます。 レースの前後には、美しいビーチを訪れたり、石垣牛や八重山そばなどの絶品グルメを堪能したりと、島全体を満喫できるのも大きな魅力です。 この記事を参考に、しっかりと準備を整え、ぜひ一度、石垣島の風を感じながら走る特別な体験をしてみてください。きっと忘れられない、最高の思い出があなたを待っています。



コメント