秋も深まり、ランニングに最適な季節がやってきました。特に11月は、気候が安定し、全国各地で魅力的なマラソン大会が数多く開催される、まさにマラソンシーズン本番の月です。
夏のトレーニングの成果を試したい経験豊富なランナーから、初めて大会に挑戦してみたい初心者ランナーまで、多くの人が目標とする大会を見つけやすい時期でもあります。 紅葉が美しいコースを走れたり、地域の特産物がエイドステーションで振る舞われたりと、ランニング以外の楽しみが多いのもこの季節ならではの魅力です。
この記事では、11月に開催されるマラソン大会の魅力から、具体的な大会の選び方、そして万全の準備で当日を迎えるための対策まで、わかりやすく解説していきます。あなたにぴったりの大会を見つけて、最高のランニング体験をしてみませんか?
11月のマラソン大会がランナーに人気の理由
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11月は多くのランナーにとって、待ちに待ったマラソンシーズンの中核をなす月です。なぜこの時期に多くの大会が開催され、人気を集めるのでしょうか。そこには、気候のコンディションや美しい自然環境、そしてランナー自身の調整のしやすさといった、複数の魅力的な理由が重なっています。
気温と湿度が走りやすい絶好のコンディション
マラソンは長時間身体を動かし続けるスポーツのため、気候条件はパフォーマンスに大きく影響します。夏の暑さが和らぎ、冬の厳しい寒さが訪れる前の11月は、ランニングに理想的な気温になる日が多いのが特徴です。 一般的に、マラソンに適した気温は10℃前後と言われており、11月の気候はこれに近いコンディションになりやすいのです。また、湿度が低く空気が乾燥しているため、汗が蒸発しやすく、体温調節がスムーズに行えます。 これにより、ランナーは体力の消耗を抑えながら快適に走ることができ、自己ベスト更新などの良い結果にもつながりやすくなります。夏の暑い時期には難しかった長距離の走り込みも、この季節なら快適に行えるでしょう。
紅葉が彩る美しいコース
11月は全国的に紅葉が見頃を迎える季節です。 この時期に開催されるマラソン大会では、コース周辺の木々が赤や黄色に色づき、ランナーの目を楽しませてくれます。 例えば、河口湖周辺を走る「富士山マラソン」のように、雄大な自然景観と紅葉を同時に満喫できる大会は特に人気があります。 都市部で開催される大会であっても、公園や街路樹が美しく色づき、普段とは違う景色の中を走ることができます。つらい時間帯でも、美しい景色が気分を紛らわし、完走への大きなモチベーションになるはずです。このように、走る楽しみと季節の移ろいを同時に味わえる点は、11月のマラソン大会ならではの大きな魅力と言えるでしょう。
マラソンシーズンの本格化と目標設定のしやすさ
多くの市民ランナーにとって、マラソンシーズンは秋から春にかけてとされています。 その中でも11月は、シーズンが本格化する時期にあたります。夏の間にしっかりと走り込みやトレーニングを積んできたランナーが、その成果を発揮する最初の目標として設定しやすいのが11月の大会です。 また、この時期にフルマラソンやハーフマラソンを経験しておくことで、冬から春にかけて開催される本命レースに向けた課題や調整のポイントが明確になります。 年間のレースプランを立てる上で、11月の大会は非常に重要な位置づけとなるのです。これからマラソンを始めたい初心者にとっても、気候が良く走りやすいため、最初の大会として挑戦しやすい最適なタイミングと言えるでしょう。
【エリア別】全国で開催される注目の11月マラソン大会

11月には、北は北海道から南は沖縄まで、全国各地で個性豊かなマラソン大会が開催されます。大規模な都市型マラソンから、美しい自然景観が魅力の大会、地域のおもてなしが温かいアットホームな大会まで様々です。ここでは、エリア別に注目の大会をいくつかご紹介します。
北海道・東北エリア
このエリアでは、秋の深まりとともに美しい自然を堪能できる大会が見られます。
- 宮古サーモンハーフマラソン大会(岩手県): 三陸の豊かな自然を感じながら走れる大会です。 アップダウンのあるコースですが、ゴール後の鮭汁の振る舞いなど、地域のおもてなしがランナーに人気です。
- 奥の細道天童ロードレース(山形県): 将棋の駒で有名な天童市で開催されるハーフマラソンがメインの大会です。紅葉の美しい舞鶴山を眺めながら走ることができます。
関東エリア
首都圏では、アクセスが良く参加しやすい大規模な大会が数多く開催されます。
- つくばマラソン(茨城県): コースが非常にフラットで記録を狙いやすいことで有名な、日本有数の人気大会です。 制限時間も比較的長めに設定されているため、初心者から自己ベスト更新を目指すシリアスランナーまで、幅広い層におすすめできます。
- よこすかシーサイドマラソン(神奈川県): 海沿いの景色を楽しみながら走れる大会です。 普段は立ち入ることができない米軍基地内を走れるユニークなコース設定も魅力の一つです。
- 小江戸川越マラソン(埼玉県): 「小江戸」と呼ばれる川越の歴史的な蔵造りの町並みを駆け抜けることができる人気の大会です。 観光気分も味わいながら、楽しく走ることができます。
中部・近畿エリア
世界遺産を望む風光明媚なコースや、大都市を駆け抜ける華やかな大会が揃っています。
- 神戸マラソン(兵庫県): 大都市神戸の市街地から美しい海岸線まで、変化に富んだ景色を楽しめる大規模な都市型マラソンです。 阪神・淡路大震災からの復興への感謝と友情がテーマとなっており、沿道の応援が非常に温かいことでも知られています。
- いびがわマラソン(岐阜県): 「全国ランニング大会100撰」の常連で、沿道の温かい応援が日本一とも言われる人気の大会です。 紅葉の美しい揖斐川沿いを走るコースはアップダウンがありますが、それを乗り越えるだけの価値がある感動を味わえます。
- 富士山マラソン(山梨県): 世界遺産である富士山と、紅葉の美しい河口湖・西湖を眺めながら走る、絶景が魅力の大会です。 コース後半には厳しい上り坂が待ち構えていますが、その景色は多くのランナーを魅了し続けています。
中国・四国・九州エリア
比較的温暖な気候の中、それぞれの地域の特色を活かした大会が開催されます。
- おかやまマラソン(岡山県): 岡山市の中心部をスタートし、岡山城や後楽園の近くを走る都市型のマラソンです。コースはフラット基調で走りやすく、初心者にも人気があります。
- 瀬戸内海タートル・フルマラソン全国大会(香川県): 紅葉の美しい小豆島で開催される大会です。 潮風を感じながら、タートル(海亀)のように自分のペースで完走を目指すという趣旨のアットホームな雰囲気が魅力です。
レベル別!自分にぴったりの11月マラソン大会の選び方

数多くの大会が開催される11月だからこそ、どの大会を選べば良いか迷ってしまうかもしれません。マラソン大会を最大限に楽しむためには、自分の走力や目的に合った大会を選ぶことが大切です。ここでは、ランナーのレベル別に大会選びのポイントを解説します。
マラソン大会初挑戦の初心者向け
初めてマラソン大会に出場する方は、不安よりも楽しかったという思い出で終えられるような大会を選ぶのがおすすめです。
ポイント
- 制限時間が長い大会: 初心者にとって最も心配なのが、時間内に完走できるかということです。制限時間が6時間以上、できれば7時間程度に設定されている大会を選ぶと、気持ちに余裕を持って走ることができます。 途中で歩いたり、エイドステーションでゆっくり休憩したりする時間も確保できます。
- フラットで走りやすいコース: アップダウンの激しいコースは、想像以上に体力を消耗します。 大会情報でコースの高低差を確認し、なるべく平坦なコースの大会を選びましょう。河川敷や公園の周回コースなどは、比較的フラットな場合が多いです。
- ハーフマラソンや10kmから挑戦: いきなりフルマラソンに挑戦するのに抵抗がある場合は、まずはハーフマラソンや10kmの部がある大会を選んでみましょう。短い距離でも大会の雰囲気を十分に味わうことができ、次の目標への大きな自信につながります。
自己ベスト更新を狙う中級・上級者向け
日頃からトレーニングを積んでいる中級・上級者ランナーは、自己ベスト更新を目標に大会を選ぶことが多いでしょう。記録を出すための条件が整った大会を選ぶことが重要です。
ポイント
- 公認コースの大会: 日本陸上競技連盟(JAAF)の公認コースで開催される大会は、距離が正確に計測されており、ここで出した記録は公式なものとして認められます。自分の実力を正確に測るためにも、公認コースの大会を選びましょう。
- 記録が出やすいフラットな高速コース: つくばマラソンのように、コース全体の高低差が少なく、道幅が広いコースはスピードを維持しやすく、好記録が生まれやすいことで知られています。
- ペースメーカーの配置: 目標タイムごとにペースメーカー(設定されたペースで走ってくれるランナー)が配置されている大会は、レースプランが立てやすく、イーブンペースを刻む助けになります。 自分の目標タイムに近いペースメーカーについていくことで、効率的な走りが可能になります。
楽しみながら走りたいファンランナー向け
タイムや順位だけでなく、マラソン大会そのものをイベントとして楽しみたいというファンランナー向けの大会も増えています。ユニークな特徴を持つ大会を選んで、思い出に残る一日にしましょう。
ポイント
- エイドステーションが充実している大会: 給水・給食が提供されるエイドステーションは、マラソン大会の大きな楽しみの一つです。地域の特産品やご当地グルメ、スイーツなどが豊富に用意されている大会は、楽しみながらエネルギー補給ができます。
- ユニークなコースやロケーション: 普段は走ることができない場所を走れる大会や、美しい景色を堪能できるコースは、ファンランにぴったりです。 仮装ランナーを歓迎している大会も多く、お祭りのような雰囲気を楽しむことができます。
- 参加賞やイベントが魅力的な大会: 大会オリジナルのTシャツやタオル、地元の特産品などの参加賞が魅力的な大会も多くあります。また、前日や当日にゲストランナーによるトークショーやランニングクリニックなどのイベントが開催される大会もあり、レース以外の楽しみも豊富です。
万全の態勢で臨む!11月のマラソン大会に向けた準備と対策

目標とする大会が決まったら、次は本番に向けて万全の準備を整えましょう。特に11月は、朝晩と日中の気温差が大きい季節のため、事前の準備がレースの結果を大きく左右します。トレーニングから当日の持ち物まで、しっかりと計画を立てることが成功への近道です。
トレーニング計画の立て方
マラソン完走には、計画的なトレーニングが不可欠です。 特にフルマラソンに挑戦する場合、少なくとも3ヶ月から半年の準備期間があると望ましいとされています。
- 初心者の場合: まずは「30分間走り続けること」を目標にしましょう。 ウォーキングから始めても構いません。 慣れてきたら徐々に走る時間を延ばし、大会の1ヶ月前までには、一度20km程度の長い距離を経験しておくと安心です。 無理は禁物で、週に2〜3回の練習と、十分な休養を組み合わせることが大切です。
- 経験者の場合: 自己ベスト更新を目指すなら、ペースを意識した練習を取り入れましょう。目標とするレースペースで一定の距離を走る「ペース走」や、速いペースとゆっくりなペースを交互に繰り返す「インターバル走」などを練習メニューに加えると、走力アップにつながります。
- テーパリング(調整期間): 大会の1〜2週間前からは、練習量を徐々に減らして体力を回復させる「テーパリング」を行います。 疲労をしっかりと抜き、ベストコンディションでスタートラインに立つことを目指しましょう。
気候に合わせたウェアと持ち物リスト
11月の気候は変わりやすく、朝のスタート時は寒くても、日中は気温が上がって汗ばむことも少なくありません。体温調節しやすい服装がポイントです。
| 必須アイテム | 説明 |
|---|---|
| ランニングウェア | 吸汗速乾性に優れたポリエステル素材のものがおすすめです。綿100%のTシャツは汗を含むと重くなり、体を冷やす原因になるので避けましょう。 |
| ランニングシューズ | 必ず履き慣れたものを使用してください。 新品のシューズは靴擦れなどのトラブルの原因になります。 |
| ランニングソックス | クッション性があり、滑り止め機能のついたランニング専用ソックスがおすすめです。 |
| アームカバー/手袋 | スタート時の寒さ対策に有効です。走りながら着脱できるので、体温調節に非常に便利です。 |
| ゼッケンベルト | ウェアに安全ピンでゼッケンを留める必要がなくなり、ウェアを傷つけません。 |
| ウエストポーチ/ザック | 補給食やスマートフォンなどを携帯するのに便利です。 |
あると便利なアイテム
- ウィンドブレーカー: 薄手で軽量なものを用意しておくと、スタート前の待ち時間やレース後の冷え対策になります。
- キャップ/サングラス: 日差し対策として有効です。
- ワセリン: ウェアとの摩擦で起こる股擦れや乳首擦れの予防に役立ちます。
- 補給食(エナジージェルなど): 大会で用意されるエイドステーションだけでなく、自分に合った補給食を持っておくと安心です。
大会前日・当日の過ごし方
レースのパフォーマンスは、直前の過ごし方によっても大きく変わります。リラックスして本番を迎えられるようにしましょう。
- 前日の過ごし方:
- 食事: エネルギー源となる炭水化物を中心に、消化の良いものを摂りましょう。生ものや脂っこいものは避けるのが無難です。
- 最終準備: 当日着るウェアや持ち物を最終チェックし、ゼッケンなどをウェアに取り付けておきましょう。
- 休養: 軽いストレッチで体をほぐす程度にとどめ、早めに就寝して十分な睡眠を確保することが大切です。
- 当日の過ごし方:
- 起床・朝食: スタートの3〜4時間前には起床し、朝食を済ませておきましょう。 朝食は、おにぎりやパン、バナナなど、エネルギーになりやすいものがおすすめです。
- 会場入り: 受付や着替え、荷物預けなどで混雑することが予想されるため、スタートの1時間半前には会場に到着しておくと安心です。
- スタートまで: トイレは非常に混み合いますので、早めに済ませておきましょう。軽いジョギングやストレッチで体を温め、スタートを待ちます。
まとめ:最高のシーズン、11月のマラソン大会に挑戦しよう

この記事では、11月のマラソン大会が持つ魅力から、具体的な大会の選び方、そして万全の態勢で大会に臨むための準備について解説してきました。
- 11月は気候が良く、紅葉も楽しめる絶好のシーズン
- 全国各地で初心者から上級者まで楽しめる多様な大会が開催される
- 自分のレベルや目的に合わせて大会を選ぶことが満足度を高める
- 計画的なトレーニングと、気候に合わせた準備が完走へのカギ
走りやすい気候の中で美しい景色を楽しみながら走ることができる11月は、一年で最もマラソンを満喫できる季節と言えるかもしれません。 これからマラソンを始めたいと思っている方も、次の目標を探している経験者の方も、この記事を参考にぜひ自分にぴったりの大会を見つけてエントリーしてみてはいかがでしょうか。しっかりと準備をして、思い出に残る素晴らしいレースを楽しんでください。



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