マラソン初心者の練習メニュー 完走に向けた完全ガイド

【トレーニング・練習】目標達成への道筋

初めてフルマラソンに挑戦するとき、「週に何回走ればいいのか」「何kmまで練習すればいいのか」と迷う方は多いのではないでしょうか。

運動習慣がほとんどないマラソン初心者の場合、大会の約6か月前から週3回を目安に練習すると、無理のない計画を立てやすくなります。

最初から長い距離を走る必要はありません。ウォーキングとジョギングを組み合わせながら走る時間を延ばし、大会の2か月ほど前から長時間動き続ける練習を取り入れていきます。

初心者の練習目安

練習期間:運動習慣がない方は約6か月

練習頻度:週3回程度

普段のペース:会話ができるくらいの速さ

長い練習:週1回

最長練習:20~25km、または2時間30分~3時間程度

大会前の調整:2~3週間前から練習量を減らす

この記事では、運動経験が少ない方でも取り組みやすい6か月間の練習メニューを紹介します。完走を目標とし、タイムを無理に追わない内容です。

目次

マラソン初心者の練習は週3回が基本

フルマラソン初心者は、まず週3回程度から始めるのがおすすめです。

毎日走ったほうが早く体力がつくように思えますが、慣れていない段階で走る日を増やしすぎると、膝や足首、すねなどに負担が集中します。

週3回であれば、走る日と休む日を交互に配置しやすくなります。平日に短いジョギングを2回、休日に少し長いジョギングを1回行う形が基本です。

曜日 練習内容 時間の目安
月曜日 休養
火曜日 ゆっくりジョギング 30~40分
水曜日 筋トレまたはウォーキング 10~30分
木曜日 ゆっくりジョギング 30~45分
金曜日 休養
土曜日 休養または軽いウォーキング 20~30分
日曜日 長めのジョギング 60分以上

必ずこの曜日に走る必要はありません。仕事や家庭の予定に合わせて変更して構いませんが、慣れるまでは走る日を連続させないほうが安心です。

週2回しか走れない場合

週3回の時間を確保できない場合は、週2回でも練習を始められます。

その場合は、1回を30~45分のゆっくりしたジョギング、もう1回を少し長めのジョギングにします。走らない日は、通勤や買い物で歩く時間を増やすと、日常生活の中でも体力を補えます。

ただし、週2回では練習できる回数が限られます。体調が整ってきたら、20~30分の短いジョギングを追加し、週3回に近づけていくとよいでしょう。

初心者は距離より走る時間を目安にする

走り始めたばかりの時期は、「今日は何km走ったか」よりも「何分間体を動かしたか」を目安にする方法がわかりやすいです。

距離を目標にすると、予定していた距離を早く終わらせようとしてペースが上がることがあります。一方、30分間動くと決めておけば、疲れたときに歩きを入れやすくなります。

最初の目標は、速く走ることではなく、30分間無理なく動き続けられる状態を作ることです。

走るペースは会話できるくらいでよい

普段のジョギングは、隣の人と短い会話ができる程度のペースで走ります。息が上がって話せない場合は、初心者の基礎練習としては速すぎる可能性があります。

1kmあたりのペースにこだわる必要はありません。日によって気温や風、坂道、体調が異なるため、同じペースでも感じる負担は変わります。

周囲のランナーに追い抜かれても、ペースを上げる必要はありません。自分が余裕を持って続けられる速さを優先しましょう。

走り続けられないときは歩きを入れる

30分間走り続けられない場合は、ジョギングとウォーキングを交互に行います。

例えば、「4分走って1分歩く」を6回繰り返せば、合計30分の練習になります。4分が難しい場合は、「2分走って1分歩く」から始めても問題ありません。

歩きを入れることは失敗ではありません。早い段階から無理をするよりも、運動を継続できる負荷に調整するほうが大切です。

マラソン初心者向け6か月・24週間の練習メニュー

ここからは、運動習慣がほとんどない方が、6か月後のフルマラソン完走を目指すモデルプランを紹介します。

体力や年齢、過去の運動経験によって進み方は変わります。表に記載した時間をこなせない場合は、同じ段階を1~2週間延長してください。

期間 平日の練習 休日の長い練習 目標
1~4週目 ウォーキングとジョギングを合計30分、週2回 30~40分 週3回体を動かす習慣を作る
5~8週目 ゆっくりジョギング30~40分、週2回 50~70分 30分以上走れるようにする
9~12週目 ゆっくりジョギング35~45分、週2回 70~100分 10km前後を無理なく動ける体力を作る
13~16週目 40分ジョギングと、少しペースを変える練習を各1回 100~140分 長時間動き続けることに慣れる
17~20週目 30~45分のジョギング、週2回 120~180分 20~25km前後の長い練習を経験する
21~22週目 30~40分のジョギング、週2回 90~120分 疲労をためずに走力を維持する
23週目 20~30分の軽いジョギング、週2回 60分程度 練習量を大きく減らす
24週目 20~30分の軽いジョギングを1~2回 大会本番 疲労を抜いてスタートする

1~4週目は歩くことから始める

最初の1か月は、走力を高めることよりも運動習慣を作ることを優先します。

普段ほとんど運動していない方は、30分の早歩きから始めましょう。慣れてきたら、5分歩いて2分走るなど、短いジョギングを加えます。

翌日まで強い筋肉痛やだるさが残る場合は、時間を短くするか、ジョギングをウォーキングに変更してください。

5~8週目は30分のジョギングを目指す

体を動かす習慣がついたら、歩く時間を減らしてジョギングの時間を増やします。

平日は30~40分、休日は50~70分が目安です。途中で苦しくなったら、1~2分歩いて呼吸を整えてから再び走りましょう。

この時期も速さは必要ありません。30分から40分を余裕を持って終えられる状態を目指します。

9~12週目は10km前後を経験する

3か月目に入ったら、休日の練習時間を70~100分程度まで延ばします。

走るペースによって距離は変わりますが、10km前後を経験できる方が増えてくる時期です。距離が10kmに届かなくても、決めた時間を無理なく動けていれば問題ありません。

2~3週間続けて練習量を増やしたら、1週間は休日の練習を短くするなど、疲労を抜く期間も入れましょう。

13~16週目はペースの変化に慣れる

基礎体力がついてきたら、週1回だけ少しペースを変える練習を行います。

例えば、最初の15分をゆっくり走り、その後15~20分だけ普段より少し速く走り、最後に10分ほどペースを落とします。

全力で走る必要はありません。呼吸は弾むものの、短い言葉なら話せる程度にとどめます。体調が悪い日は、通常のゆっくりしたジョギングに変更してください。

17~20週目は長時間動く練習を行う

大会の2~3か月前は、フルマラソンに向けた長い練習を行う時期です。

休日に120分から始め、体調を見ながら150分、180分と延ばします。途中で歩いたり、コンビニや公園で水分を補給したりしても構いません。

この時期に一度、20~25km程度、または2時間30分~3時間程度の練習を経験しておくと、シューズやウェア、補給食による問題を確認できます。

初心者が練習で42.195kmを走る必要はありません。また、30km走も全員に必要な練習ではありません。長時間走ることで強い疲労や痛みが出る方は、時間を短くしてください。

21~24週目は練習量を減らす

大会が近づいたら、走力を伸ばそうとして練習を増やすのではなく、疲労を抜くことを優先します。

大会の3週間前から少しずつ時間を減らし、1週間前は20~30分の軽いジョギングを1~2回行う程度にします。

練習量を減らすと不安になるかもしれませんが、この時期に長距離を走っても、疲れが残る可能性があります。体調を整えてスタート地点に立つことを優先しましょう。

初心者が覚えておきたい5種類の練習

ウォーキング

運動習慣がない方が、脚や心肺機能を少しずつ慣らすための練習です。早歩きを基本とし、腕を自然に振りながら姿勢よく歩きます。

ゆっくりジョギング

初心者の練習の中心となります。会話ができる程度の速さで走り、基礎体力を作ります。練習日の多くは、このゆっくりしたジョギングで構いません。

ロングジョギング

休日などに、普段より長い時間走る練習です。LSDやロング走と呼ばれることもあります。

速さよりも、長時間動き続けることを重視します。大会で使用するウェア、ソックス、補給食などを試す機会にもなります。

ペース走

決めたペースを保って走る練習です。初心者の場合は、大会で予定しているペースを15~30分ほど試す程度から始めます。

完走が第一目標であれば、毎週行う必要はありません。2週間に1回程度でも十分です。

ビルドアップ走

走り始めはゆっくり入り、後半に少しずつペースを上げる練習です。

最初から速く走って後半に失速する癖を防ぎ、自分の余裕度を確認しやすくなります。最後まで全力にはせず、余裕を残して終了しましょう。

疲れにくいランニングフォームの考え方

ランニングフォームには個人差があるため、すべての人が同じ走り方をする必要はありません。

初心者は、以下の点を意識するだけでも十分です。

目線を極端に下げず、少し前を見る

肩や手に力を入れすぎない

歩幅を無理に広げない

体の前方へ足を投げ出さず、体の近くに着地する

疲れてきたら歩幅を小さくする

かかと着地や前足部着地など、足のどこから着くかを無理に変える必要はありません。着地方法を急に変更すると、ふくらはぎやアキレス腱などに負担がかかることがあります。

痛みがなく、余計な力を使わずに走れるフォームを探していきましょう。

筋トレを週2回取り入れる

フルマラソンでは、心肺機能だけでなく、長時間姿勢を保つためのお尻、太もも、ふくらはぎ、体幹の筋力も使います。

走らない日や短いジョギングの後に、10分程度の筋トレを週2回行うとよいでしょう。

種目 回数の目安 主に使う部分
スクワット 8~12回を2セット 太もも・お尻
ヒップリフト 10~15回を2セット お尻・もも裏
カーフレイズ 10~15回を2セット ふくらはぎ
プランク 20~30秒を2セット 体幹
片脚立ち 左右30秒ずつ 足首・バランス

スクワットでは、膝とつま先をおおむね同じ方向に向け、痛みが出ない深さまで腰を下ろします。回数を増やすより、姿勢を崩さずに行うことを優先してください。

練習前後のウォーミングアップとケア

走る前は体を動かしながら温める

走り始める前は、5~10分ほど歩き、足首回し、もも上げ、軽い屈伸などを行います。

寒い日に、体が冷えた状態から急に走り出すのは避けましょう。最初の5~10分を特にゆっくり走る方法でも構いません。

走った後はいきなり止まらない

練習後は数分間歩き、呼吸と心拍を落ち着かせます。その後、ふくらはぎ、太もも、お尻などを無理のない範囲でゆっくり伸ばしましょう。

ストレッチだけですべての怪我を防げるわけではありません。練習量を急に増やさないこと、十分に休むこと、合わないシューズを使わないことも重要です。

長い練習では水分と補給食を試す

60分を超える練習では、季節や気温に応じて水分を持つか、給水できるコースを選びます。

90分を超える長い練習では、大会本番で使用する予定のエネルギージェルや飲料を試しておきましょう。摂取量やタイミングは、商品の表示や大会の給水計画を確認しながら調整します。

補給食は、体質によって胃腸に合わない場合があります。大会当日に初めて口にするのではなく、練習中に問題が起きないか確かめておくことが大切です。

一方で、水分を一度に大量に飲むのも避けます。気温、発汗量、走る時間に合わせ、少量ずつ補給しましょう。

マラソン初心者が練習で失敗しやすいこと

毎回速く走ってしまう

毎回息が切れるペースで走ると、疲労が抜けにくくなり、長い練習も続けにくくなります。

初心者の練習は、ゆっくりしたジョギングが中心です。速さを上げる練習は、基礎体力がついてから少しずつ取り入れましょう。

急に距離を増やす

5km走れた翌週に15kmへ挑戦するなど、急激に練習量を増やすと体への負担が大きくなります。

調子がよい日でも大幅に距離を増やさず、2~3週間かけて少しずつ延ばしてください。疲れがたまったと感じたら、距離を減らす週を入れます。

休んだ分をまとめて走る

仕事や体調不良で練習を休んでも、遅れを取り戻すために長く走る必要はありません。

1週間程度休んだ場合は、休む前より短い時間から再開します。数週間休んだ場合は、練習計画を1段階戻して再開しましょう。

新しい道具を大会直前に使う

新品のシューズ、ソックス、ウェア、補給食を大会当日に初めて使うと、靴ずれや擦れ、胃腸の不調が起きる場合があります。

本番で使用する予定のものは、長い練習で一度以上試してください。

夏と冬の練習で注意すること

夏は距離やペースを下げる

気温や湿度が高い日は、普段よりペースを落とし、練習時間も短くします。早朝に走る、日陰の多いコースを選ぶ、屋内のトレッドミルを利用する方法もあります。

頭痛、吐き気、めまい、寒気、普段と違う強い疲れを感じた場合は、すぐに練習を中止してください。

冬は走り始めをゆっくりする

寒い日は筋肉や関節が動きにくいため、歩く時間を長めに取り、体が温まってからペースを上げます。

厚着をしすぎると走っている途中で暑くなるため、薄手のウェアを重ね、脱ぎ着できる服装にすると調整しやすくなります。

痛みが出たときの判断

練習中に違和感が出た場合は、まず歩いて様子を確認します。歩いても痛む、走り方が変わるほど痛む、腫れがある場合は、その日の練習を終了してください。

数日休んでも改善しない痛みや、日常生活にも影響する痛みがある場合は、整形外科などの医療機関へ相談しましょう。

また、胸の痛み、めまい、動悸、冷や汗、普段とは異なる強い息切れなどが出た場合も、すぐに運動を中止する必要があります。

大会1か月前から本番までの過ごし方

1か月前

最後の長い練習を行う時期です。20~25km、または2時間30分前後を目安とし、体力に合わせて短くしても構いません。

本番用のシューズ、ウェア、補給食、バッグなどをまとめて試します。

2~3週間前

長い練習を減らし始めます。普段のジョギング回数は大きく変えず、1回あたりの時間を短くします。

1週間前

20~30分の軽いジョギングを1~2回行い、睡眠と体調管理を優先します。新しい筋トレや強度の高い練習は行いません。

大会前日

必要に応じて散歩や軽い体操をする程度にとどめます。受付時間、スタート会場までの交通手段、天気、持ち物を確認し、早めに休みましょう。

マラソン初心者の練習に関するよくある質問

運動経験がなくても3か月で完走できますか?

運動習慣がない状態から3か月でフルマラソンを目指す計画は、体への負担が大きくなりやすいためおすすめしにくいです。

すでに週2~3回走っており、5~10kmを無理なく走れる方であれば、3か月の練習計画を組める場合があります。現時点で30分走るのが難しい方は、6か月以上の期間を確保したほうが取り組みやすいでしょう。

本番前に30km走る必要はありますか?

30km走は必須ではありません。初心者の場合、30kmを走ることで大きな疲労や痛みが残り、その後の練習ができなくなることもあります。

20~25km、または2時間30分~3時間程度を目安にし、体調によってはさらに短くしてください。

練習でフルマラソンと同じ距離を走るべきですか?

練習で42.195kmを走る必要はありません。体への負担が大きく、回復にも長い時間がかかります。

本番より短い距離のロングジョギングを重ね、疲労をためない範囲で持久力を作りましょう。

練習は朝と夜のどちらがよいですか?

継続しやすい時間帯で構いません。ただし、夏の日中や、食事直後、睡眠時間を削らなければ走れない時間帯は避けたほうが安心です。

大会のスタート時刻が朝の場合は、本番の数週間前から朝に走る日を設けると、起床や食事の時間を確認できます。

雨の日はどうすればよいですか?

無理に屋外を走る必要はありません。休養日にするほか、屋内で筋トレを行う、階段をゆっくり上る、トレッドミルを利用する方法があります。

1回の練習を休んでも、走力が急に落ちるわけではありません。滑りやすい路面や視界の悪い状況では、安全を優先しましょう。

まとめ マラソン初心者は週3回の練習を6か月続けよう

まとめ
まとめ

運動習慣がないマラソン初心者は、大会の約6か月前から週3回を目安に練習を始めると、段階的な計画を立てやすくなります。

平日に30~45分のゆっくりしたジョギングを2回、休日に長めのジョギングを1回行う形が基本です。

最初は距離ではなく時間を目安にし、走れないときは歩きを入れてください。大会の2~3か月前から長い練習を取り入れ、最長でも20~25km、または2時間30分~3時間程度を一つの目安とします。

また、走る練習だけでなく、休養、筋トレ、水分補給、補給食の確認も欠かせません。痛みや体調不良がある日は練習を休み、予定通りに進めることよりも安全に継続することを優先しましょう。

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