7月にマラソンを走ることは、ランナーにとって非常に大きな挑戦です。本格的な夏が始まり、気温や湿度が急上昇するこの時期は、冬のレースとは全く異なる対策が求められます。しかし、過酷な季節だからこそ得られる達成感や、秋のシーズンに向けた土台作りとしての価値は非常に高いものです。
この記事では、7月に開催されるマラソン大会の選び方や、熱中症を避けながら安全にトレーニングを継続する方法を分かりやすく解説します。暑さ対策に有効なアイテムや、夏場の練習メニューの組み方など、今すぐ実践できる具体的な情報をお届けします。厳しい夏を賢く乗り切り、ランニングライフをさらに充実させていきましょう。
7月のマラソン大会選び!涼しい地域や夜のイベントを狙おう

7月に開催されるマラソン大会は、都市型のフルマラソンが少ない一方で、夏の環境を活かしたユニークなレースが多く見られます。過酷な暑さの中で完走を目指すには、まず「どの大会に出るか」という選択が非常に重要です。体温の上昇を抑えられる環境が整ったレースを選ぶことで、完走率を高めることができます。
北海道や高地など涼しいエリアの大会
7月に快適に走るための鉄則は、物理的に気温が低い場所を選ぶことです。代表的なのは北海道で開催される大会です。例えば「函館マラソン」などは6月末から7月初旬にかけて開催されることが多く、本州に比べると湿度が低く走りやすいのが特徴です。また、標高の高い準高地で開催されるレースも、地上より気温が数度低いため人気があります。
こうした遠方の大会に参加することは、ランニングだけでなく観光を兼ねた「マラソン旅行」としても楽しめます。涼しい風を感じながら大自然の中を駆け抜ける経験は、夏のモチベーション維持に大きく貢献するでしょう。ただし、北海道や高地であっても日差しが強い場合は体感温度が上がるため、事前の気象チェックは欠かせません。
夕方から走るナイトマラソン・リレーマラソン
日中の直射日光を避けて走ることができる「ナイトマラソン」は、7月の定番イベントです。都市部の公園やスタジアム周辺で開催されることが多く、仕事帰りでも気軽に参加できるメリットがあります。気温が少しずつ下がり始める夕方から夜にかけて走るため、日中に比べて熱中症のリスクを大幅に軽減できるのが魅力です。
また、仲間とタスキをつなぐ「リレーマラソン」も夏に多く開催されます。1人が走る距離が短いため、暑さによるダメージを最小限に抑えつつ、チームで盛り上がることができます。ナイトマラソンやリレーマラソンは、タイムを競うよりもお祭り感覚で楽しむ要素が強いため、夏の思い出作りとしてエントリーしてみるのも良いでしょう。
標高の高い場所で開催されるトレイルランニング
舗装されたロードを走るマラソンだけでなく、山道を走る「トレイルランニング」も7月におすすめのアクティビティです。標高が1,000メートルを超えると、気温は地上よりも6度以上下がると言われています。木陰が多いコースであれば直射日光を遮ることができるため、真夏でも驚くほど涼しく感じられることがあります。
トレイルランニングは足元の不安定な場所を走るため、普段使わない筋肉を鍛えることができ、フルマラソンのための補強運動としても最適です。ただし、山の天候は変わりやすく、急な雷雨などのリスクも考慮しなければなりません。しっかりとした装備と計画を持って、自然の涼しさを活用しながら走り込んでみましょう。
真夏のトレーニングを安全に行うための環境作り

大会に出るだけでなく、日々のトレーニングをどう継続するかも7月の大きな課題です。暑い中での無理な練習は、体調を崩すだけでなく、走ること自体が嫌になってしまう原因にもなります。無理に距離を稼ごうとするのではなく、環境を工夫して「質」を維持することに意識を向けましょう。
早朝や夜間の涼しい時間帯を活用する
7月のランニングで最も推奨されるのは、早朝の涼しい時間帯に走ることです。太陽が昇りきる前の午前5時から6時頃は、一日の中で最も気温が低く、空気も澄んでいます。朝一番に走ることで、その後の活動をスッキリとした気分でスタートできる「朝ラン」の習慣は、夏場の体調管理に非常に有効です。
朝が苦手な方の場合は、日没後の夜間ランニングが選択肢に入ります。路面のアスファルトに熱が残っていることもありますが、直射日光がないだけでも体感温度は数度変わります。夜間に走る際は、視認性を高めるためのライトや反射材を身につけ、交通事故に十分に注意しながら安全なコースを選んで走行しましょう。
スポーツジムのトレッドミルで効率的に走る
外の気温が30度を超えるような危険な暑さの日は、無理に外を走らずにスポーツジムを活用するのも賢い選択です。空調の効いた室内でトレッドミル(ランニングマシン)を使えば、熱中症の心配をすることなく設定したペースでしっかりと走り込むことができます。テレビを見たり音楽を聴いたりしながら、退屈を感じずに練習できるのも利点です。
トレッドミルは着地衝撃がロードよりも柔らかいため、足腰への負担を軽減できるというメリットもあります。また、傾斜機能を使うことで、平地を走るよりも高い負荷をかけることが可能です。週に数回、質の高い練習をジムで行い、週末だけ外の景色を楽しむといった「ハイブリッドな練習スタイル」を取り入れてみましょう。
水辺や木陰の多いコースを選んで体温上昇を防ぐ
外を走る際は、コース選びを工夫するだけで走りの快適さが変わります。例えば、川沿いや海岸沿いのコースは、風が通りやすく水面からの気化熱によって周囲の気温がわずかに低くなる傾向があります。また、大きな公園の中にある樹木に囲まれたコースは、天然の屋根となって強力な日差しを遮ってくれます。
反対に、ビルに囲まれた都市部の道路は、コンクリートやアスファルトの照り返しが強く、体温が上がりやすいので注意が必要です。夏の練習では「いつものコース」にこだわらず、日陰の多さや風通しの良さを優先してコースを新規開拓してみるのも、新しい発見があって楽しいものです。足元が土や芝生のコースを選べば、さらに涼しく感じられるでしょう。
夏のコース選びのチェックリスト
・街灯が多く夜間でも明るいか
・途中に水道や自動販売機があるか
・木陰が多く日差しを遮れるか
・緊急時に休憩できるコンビニなどが近くにあるか
7月のランニングで欠かせない熱中症対策と体調管理

7月のマラソン練習において、最も警戒すべきは熱中症です。自分では大丈夫だと思っていても、体の中では水分や塩分が失われ、深刻なダメージを受けていることがあります。熱中症は最悪の場合、命に関わることもあるため、予防のための知識をしっかりと身につけておくことがランナーのたしなみです。
こまめな水分補給と電解質の摂取タイミング
喉が渇いてから水を飲むのでは遅すぎると言われています。走る前から意識的に水分を摂り始め、走行中も15分から20分おきに一口ずつ水分を補給するのが理想的です。特に7月の暑さでは、水だけを飲むと体内の塩分濃度が下がり「低ナトリウム血症」を引き起こす恐れがあるため、スポーツドリンクなどを活用しましょう。
また、塩分タブレットや経口補水液を携帯するのも効果的です。汗と一緒にカリウムやマグネシウムなどの電解質も流出してしまうため、これらをバランスよく補うことが足のつり予防にもつながります。長い距離を走る場合は、給水ポイントを事前に決めておき、計画的に摂取する習慣をつけましょう。
体を冷却するアイシングと冷感グッズの活用
走行中に上がってしまった体温を効率よく下げるには、物理的な冷却が効果的です。首筋や脇の下など、太い血管が通っている場所を冷やすことで、全身の温度を下げることができます。最近では、水に濡らすと冷たくなるネッククーラーや、通気性の良い接触冷感素材のキャップなど、便利なグッズが多く販売されています。
また、走り終わった後のアイシングも忘れてはいけません。火照った筋肉を冷たいシャワーや氷嚢で冷やすことで、炎症を抑え疲労回復を早めることができます。練習の途中で水道を見つけたら、手首を冷やしたり顔を洗ったりするだけでもリフレッシュ効果があります。常に「体を冷やすこと」を意識して行動しましょう。
無理をしない勇気!体調不良のサインを見逃さない
どれだけ対策をしていても、その日の体調によっては暑さが耐え難く感じることがあります。「決めた距離までは走りきらなければならない」という強い責任感は、夏場には危険を招くこともあります。少しでも頭痛やめまい、吐き気、異常な倦怠感を感じたら、即座に走るのを止めて涼しい場所で休息してください。
夏場は睡眠不足や栄養不足が熱中症のリスクを跳ね上げます。前日にしっかりと眠れなかった時や、食欲がない時は、練習メニューを大幅に短縮するか、思い切って休養日にする勇気を持ちましょう。「休むことも練習のうち」という言葉を胸に、長期的な視点でコンディションを整えることが、結果として秋の好タイムにつながります。
熱中症の初期症状は「軽い立ちくらみ」や「筋肉の硬直(こむら返り)」から始まります。これらを感じたら、すぐに日陰へ移動して水分と塩分を補給し、体を冷やすようにしてください。
夏の走りを支えるおすすめのウェアとアイテム

7月の過酷な環境下でパフォーマンスを維持するためには、装備選びも重要な戦略の一つです。最新のランニングギアは、単に見た目が良いだけでなく、機能面でランナーを暑さから守る工夫が凝らされています。ウェアの素材一つを変えるだけで、驚くほど走りの快適さが変わるのを実感できるはずです。
通気性と速乾性に優れた最新ランニングウェア
夏のウェア選びで最も重視すべきは、汗を素早く吸収し、放出してくれる速乾性です。綿素材のTシャツは汗を吸うと重くなり、肌に張り付いて体温調節を妨げるため、必ずポリエステルなどの化繊素材を選びましょう。最近では、メッシュ構造を多用して通気性を極限まで高めたモデルも登場しています。
また、ウェアの色選びもポイントです。黒などの濃い色は熱を吸収しやすいため、白やパステルカラーなどの淡い色を選ぶことで、直射日光による温度上昇を抑えることができます。タイツを履く場合は、フルレングスよりもショート丈やハーフ丈のものを選び、できるだけ肌の露出を増やして放熱を促すのが夏のスタイルとして定着しています。
紫外線から肌と目を守るUVカットアイテム
7月の強い日差しは、想像以上に体力を奪います。肌が日焼けをすると、体はダメージを修復するためにエネルギーを使い、ランニングによる疲労からの回復が遅れてしまいます。UVカット機能付きのアンダーウェアを着用したり、露出部分にはこまめに日焼け止めを塗ったりして、肌へのダメージを最小限に食い止めましょう。
さらに、目の保護も非常に重要です。強い光が目に入ると、脳が疲労を感じやすくなるだけでなく、角膜へのダメージも懸念されます。スポーツ用のサングラスを着用することで、視界を確保しながら目の疲れを軽減し、集中力を維持することができます。キャップと併用することで、顔周りの温度上昇も防ぐことが可能です。
汗冷えや擦れを防ぐためのスキンケアと小物
夏場に大量の汗をかくと、ウェアと肌が擦れて痛みが出る「股擦れ」や「乳首の擦れ」が起きやすくなります。これを防ぐために、あらかじめ擦れやすい場所にワセリンや専用の保護クリームを塗っておくことをおすすめします。一度痛みが出ると走るフォームが崩れてしまうため、未然に防ぐことが大切です。
また、走り終わった後の「汗冷え」にも注意が必要です。練習が終わってエアコンの効いた室内に入ると、濡れたウェアが急激に体を冷やし、風邪を引く原因になります。練習後は速やかに乾いた服に着替えるか、吸汗性の高いタオルで水分を拭き取るようにしましょう。こうした細かな配慮が、夏を健康に乗り切るコツと言えます。
| アイテム名 | 主な効果 | 選び方のコツ |
|---|---|---|
| 速乾Tシャツ | 汗を放出して体温を下げる | メッシュ素材で淡い色のもの |
| ランニングキャップ | 直射日光と頭部の過熱を防ぐ | 通気性が良くUVカット機能付き |
| スポーツサングラス | 目の疲労軽減・紫外線をカット | 顔にフィットしズレにくいもの |
| 保護クリーム | 汗による皮膚の擦れを防止 | 耐水性が高く長持ちするもの |
秋のフルマラソン完走を目指す7月の練習メニュー

7月の練習は、11月や12月に開催される秋のフルマラソンシーズンに向けた基礎作りの時期です。暑さのために冬場のようなペース走は難しいかもしれませんが、この時期の過ごし方が秋以降の結果を大きく左右します。無理にスピードを追求するのではなく、心肺機能の維持と基礎体力の強化を主眼に置きましょう。
基礎体力を維持するためのLSD(ゆっくり長く走る)
7月に最もおすすめしたいメニューが「LSD(Long Slow Distance)」です。これは、お喋りができるくらいのゆっくりとしたペースで、90分から120分程度の長い時間を走り続ける練習法です。気温が低い早朝などに実施することで、脂肪燃焼効率を高め、毛細血管を発達させてスタミナの土台を作ることができます。
暑い中でのロングランは、ペースが遅くても心拍数が上がりやすいため、無理に設定ペースを守る必要はありません。むしろ「時間をかけて体を動かし続けること」に価値があります。途中でコンビニ休憩を挟んだり、給水のために立ち止まったりしても構いません。リラックスした状態で、長く動き続ける感覚を体に覚え込ませましょう。
短時間で負荷をかけるインターバル走の取り入れ方
長い距離を走るのが辛い日は、短時間で集中して終わらせる「インターバル走」を取り入れるのも一つの手です。例えば、400メートルを速いペースで走り、その後200メートルをジョギングで繋ぐといったセットを繰り返します。全体の走行時間が短く済むため、熱中症のリスクを抑えつつ、心肺機能に刺激を与えることができます。
インターバル走を行う際は、必ず日陰のあるコースや、いつでも水分補給ができる環境を選んでください。追い込みすぎると体温が急上昇し、運動後もしばらく熱が引かなくなることがあります。本数は冬場よりも少なめに設定し、「少し物足りない」と感じる程度で切り上げるのが、夏場のポイントです。無理な追い込みは禁物です。
疲労を溜めないためのアクティブレストの重要性
7月は連日の暑さにより、自律神経が乱れやすく、疲労が抜けにくい時期です。毎日走ることにこだわらず、積極的に「アクティブレスト(積極的休養)」を取り入れましょう。走る代わりに水泳を行ったり、ストレッチやヨガで体をほぐしたりすることで、血流を促進し、疲労物質の除去を早めることができます。
特に水泳は、浮力によって関節への負担を減らしつつ、全身の筋肉をバランスよく使うことができるため、ランナーにとって最高のクロストレーニングです。冷たい水に入ることで、熱を持った体を芯から冷やす効果も期待できます。走れない日を「罪悪感を感じる日」にするのではなく、「体をメンテナンスする大切な日」と捉えて、柔軟にメニューを調整しましょう。
7月のマラソンを賢く乗り切るためのポイントまとめ
7月にマラソンを楽しむためには、冬場とは異なる「夏専用の思考」を持つことが大切です。まずは、涼しい地域や夜間の大会など、環境に恵まれたイベントを賢く選びましょう。無理な目標設定は避け、完走することやイベントの雰囲気を楽しむことに重点を置くのが、モチベーションを維持するコツです。
日々のトレーニングでは、早朝や夜間といった涼しい時間帯を活用し、必要に応じてジムのトレッドミルや水辺のコースを使い分けてください。水分補給や電解質の摂取、アイシングといった熱中症対策を徹底し、自分の体が出すサインに敏感になることも欠かせません。ウェアやサングラスなどの最新アイテムも、あなたの走りを強力にサポートしてくれます。
秋のシーズンに向けた土台作りとして、LSDや短時間のポイント練習、そしてアクティブレストをバランスよく組み合わせることが重要です。暑さで思い通りに走れない日があっても、焦る必要はありません。この過酷な7月を安全に、そして工夫しながら走り抜いたという経験は、秋のレースで苦しい局面を迎えた時に、きっとあなたを支える自信に変わるはずです。



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