マラソン完走や自己ベスト更新を目指す際、多くの人が悩むのが「練習の頻度」です。毎日走ったほうが体力がつくのか、それとも適度に休んだほうがいいのか、判断が難しいところですよね。実は、適切な練習頻度は現在の走力や目指す目標タイムによって大きく異なります。
練習を頑張りすぎて怪我をしてしまっては元も子もありませんし、少なすぎてもなかなか走力は向上しません。この記事では、マラソンの練習頻度について、初心者からサブ4、サブ3を目指す上級者まで、レベルに合わせた最適な設定方法をわかりやすくお伝えします。
これからマラソンに挑戦する方も、今の練習メニューを見直したい方も、自分にぴったりのペースを見つける参考にしてください。自分に合った頻度で走ることで、無理なく楽しく、確実にゴールへと近づくことができるはずです。
マラソン練習の頻度は週3~4回が基本!目的別の目安を紹介

マラソンの練習において、まず知っておきたいのは「毎日走る必要はない」ということです。身体が運動の負荷に適応し、筋肉や心肺機能が強化されるには、適切な休息が欠かせません。一般的には、週に3回から4回程度の頻度で走るのが、最も効率的で継続しやすいペースとされています。
もちろん、これはあくまでベースとなる考え方です。完走を目指す段階なのか、それとも特定のタイムを切りたいのかによって、必要な刺激の回数は変わってきます。ここでは、目的や走力レベルに合わせた頻度の全体像を見ていきましょう。
なぜ週3~4回が理想的なのか
マラソンの練習頻度として週3~4回が推奨される最大の理由は、トレーニングと疲労回復のバランスが最も取りやすいからです。走ることで筋肉や関節には細かなダメージが蓄積されますが、これらは休んでいる間に修復され、以前よりも少し強い状態になります。これを「超回復」と呼びます。
毎日走り続けてしまうと、この修復が追いつかず、徐々にパフォーマンスが低下したり、疲労骨折などの怪我を招いたりするリスクが高まります。一方で、週に1回程度の練習では、前回のトレーニングによる強化効果が薄れてしまうため、走力向上は緩やかになります。
中1日、あるいは中2日の休息を挟みながら週3~4回走ることで、常にフレッシュな状態で質の高い練習を積み重ねることが可能になります。まずはこの頻度を一つの基準として、自分のライフスタイルに合わせて調整してみましょう。
完走目的の初心者に最適な頻度
フルマラソンの完走を目標にする初心者の方であれば、まずは週に2回から3回の練習頻度から始めるのがベストです。最初から毎日走ろうと意気込むと、膝や足首を痛めてしまうケースが非常に多いため、慎重にスタートしましょう。
最初は「15分走って、少し歩いて、また15分走る」といった内容でも構いません。大切なのは、走ることを習慣化することです。平日に1~2回、30分程度のジョギングを行い、週末に少し長めの時間を確保して1時間程度ゆっくり走るといったスケジュールが理想的です。
もし週に3回走るのが難しい場合は、週2回でも「継続すること」を優先してください。2週間全く走らずに3週目にまとめて走るよりも、毎週欠かさず2回走る方が、マラソンに必要な基礎体力(毛細血管の発達など)は着実に身についていきます。
記録更新を目指すランナーの頻度
すでに完走経験があり、以前の自分よりも速いタイムでゴールしたいと考えているランナーは、週に4回から5回の練習頻度を検討してみましょう。走る回数を増やすことで、月間走行距離が自然と伸び、長い距離を走り抜くためのスタミナが底上げされます。
ただし、回数を増やす際に注意すべきなのは「すべての練習を全力で行わない」という点です。週4~5回のうち、心肺機能に強い負荷をかける「ポイント練習(スピード練習など)」は週に1~2回に留め、残りの日はゆっくりとしたジョギングで繋ぐのが基本の構成です。
頻度を上げる目的は、単に距離を稼ぐことだけではありません。頻繁に走ることで、ランニングフォームの改善や、自分の体調の変化に敏感になるといったメリットもあります。高い目標があるからこそ、計画的に頻度をコントロールすることが求められます。
初心者が怪我をせず継続するための練習頻度のルール

マラソン初心者が最も避けるべきなのは、モチベーションが高いあまりに走りすぎて、足を痛めてしまうことです。一度怪我をして練習を中断してしまうと、せっかくついた体力が落ちてしまい、精神的なダメージも大きくなります。長く楽しく続けるためには、自分なりのルールを作ることが大切です。
初心者の方は、まず「走る日」と「休む日」を明確に分けることから始めましょう。また、走ることだけがマラソン練習ではないという視点を持つと、頻度の考え方に余裕が生まれます。ここでは、怪我を未然に防ぎながら練習を継続するためのヒントをまとめました。
走りすぎに注意!オーバーワークのサイン
初心者のうちは、自分の限界がどこにあるのかを把握するのが難しいものです。もし練習の翌日に強い倦怠感が残っていたり、走っている最中にどこか特定の部位に違和感があったりする場合は、それは身体からの「休んでほしい」というサインかもしれません。これを無視して頻度を維持しようとすると、本格的な怪我に繋がります。
「朝起きたときに疲れが取れていない」「食欲が落ちてきた」「安静時の脈拍がいつもより高い」といった症状は、オーバーワーク(過剰トレーニング)の初期症状である可能性があります。こうしたサインを感じたら、あえて数日間は一切走らない勇気を持つことが、結果として近道になります。
無理をして決めた頻度を守ることよりも、その日の体調に合わせて柔軟にメニューを変更できることの方が、ランナーとしての成長には不可欠です。自分の身体の声に耳を傾け、余裕を持ったスケジュール管理を心がけてください。
週に1~2回でも効果を出すコツ
仕事や家事が忙しく、どうしても週に3回以上の頻度を確保できない時期もあるでしょう。そのような場合でも、練習の質を工夫することで、週1~2回の頻度で効果を出すことは可能です。週に数回しか走れないのであれば、その1回を「丁寧に行う」ことを意識しましょう。
例えば、週に2回走れるなら、1回は「30分〜45分程度のやや速めのジョギング」、もう1回は週末などに「60分〜90分のゆっくり長く走る(LSD)」といった具合に、内容にメリハリをつけます。これにより、心肺機能と持久力の両方に刺激を与えることができます。
また、走れない日でも、日常生活の中で「階段を使う」「一駅分歩く」といった意識を持つだけで、基礎体力の維持に役立ちます。週の頻度が少ないからといって諦める必要はありません。少ない回数でも、継続さえしていればフルマラソン完走への道は繋がっています。
筋トレやストレッチを取り入れる頻度
マラソンの練習頻度を考える際、走らない日に何をするかも重要です。初心者のうちは走るために必要な筋力が不足していることが多いため、週に1~2回は自宅でできる簡単な筋力トレーニングを取り入れることをおすすめします。
特に、スクワットや体幹トレーニング(プランクなど)は、走る際のフォームを安定させ、膝などの関節への負担を減らす効果があります。これらは走る練習の前後、あるいは走らない日の10分程度の隙間時間に行うだけでも十分に効果を発揮します。
ストレッチに関しては、できれば「毎日」行うのが理想的です。特にお風呂上がりの筋肉が温まっているタイミングで行うと、柔軟性が高まり怪我の予防に繋がります。走る頻度を増やすことと同じくらい、身体をケアする頻度も高めていきましょう。
【初心者向けの週3日スケジュール例】
月:休み
火:20~30分ジョギング
水:休み(または軽い筋トレ)
木:休み
金:20~30分ジョギング
土:休み(またはウォーキング)
日:40~60分ゆっくり走る
サブ4・サブ3達成に向けたレベル別トレーニング頻度

フルマラソンで4時間を切る「サブ4」や、3時間を切る「サブ3」は、多くの市民ランナーにとって大きな目標です。これらの目標を達成するためには、単に頻度を増やすだけでなく、練習の内容をより専門的なものへとシフトしていく必要があります。
レベルが上がるにつれて、身体が受ける衝撃や疲労も大きくなります。そのため、高い頻度を維持しながらも、いかに効率よく回復させるかが鍵となります。ここでは、目標タイム別の一般的な練習頻度の目安と、そのポイントについて詳しく解説します。
サブ4(4時間切り)を目指す週4~5回のプラン
サブ4を達成するためには、1kmを5分40秒程度のペースで走り続ける走力が必要です。この走力を養うには、週に4回から5回の練習頻度が望ましいでしょう。月間走行距離に換算すると、150kmから200km程度を目指すことになります。
サブ4レベルでは、持久力だけでなく、ある程度のスピード持久力も求められます。そのため、週4〜5回のうち1回は「少し息が切れる程度のペースで走る(ビルドアップ走など)」を取り入れ、もう1回は「20km程度の距離を走る」といった、負荷の高い練習を組み込みます。
残りの3回は、疲労を抜きつつ脂肪燃焼効率を高めるための「つなぎのジョグ」に充てます。このように「強度の高い日」と「低い日」を交互に組み合わせることで、頻度を確保しながらも着実に走力を高めていくことができます。
サブ3(3時間切り)を目指す週5~6回のプラン
マラソン人口の上位数パーセントしか達成できないサブ3を目指すなら、週に5回から6回の練習頻度が一般的です。このレベルになると、ほぼ毎日走るスタイルになりますが、週に1日は完全休養日を設けるランナーが多いです。月間走行距離は250kmから300km以上になることも珍しくありません。
サブ3達成には、1kmを4分15秒という速いペースで42.195kmを走り切る力が不可欠です。そのため、インターバル走やペース走といった強度の高い練習を週に2回程度行う必要があります。これ以外の日は、単なるジョギングではなく、1kmを5分前後で走る「質の高いジョグ」が中心となります。
非常に高い頻度で走ることになるため、練習の質を落とさないための徹底した自己管理が求められます。睡眠時間の確保や栄養摂取、マッサージなどのボディケアを、練習頻度と同じ熱量で取り組むことが、サブ3への最短距離となります。
強度と頻度のバランスの取り方
目標レベルが高くなるほど、練習の「頻度」と「強度(きつさ)」のバランスが難しくなります。闇雲に頻度を増やし、かつすべての練習を高強度にしてしまうと、燃え尽き症候群や怪我のリスクが跳ね上がります。
基本的な考え方として、「強度の高いポイント練習を行ったら、翌日は必ず休むか非常にゆっくりとしたジョグにする」というリズムを徹底してください。例えば、水曜日にスピード練習をしたなら、木曜日は休養、金曜日は体調を確認しながらの軽いジョグ、といった形です。
また、週単位だけでなく月単位でのバランスも意識しましょう。3週間練習頻度を維持したら、4週目は少し頻度と距離を落として身体を休める「リカバリーウィーク」を設けると、疲労が抜け、次のサイクルでより強度の高い練習ができるようになります。
| 目標 | 推奨される週の頻度 | 月間走行距離の目安 | 主なポイント練習 |
|---|---|---|---|
| 完走 | 週2~3回 | 50~100km | LSD(ゆっくり長く走る) |
| サブ5 | 週3~4回 | 100~150km | LSD、ジョギング |
| サブ4 | 週4~5回 | 150~200km | ペース走、20km走 |
| サブ3 | 週5~6回 | 250km以上 | インターバル走、30km走 |
走らない日も重要!疲労回復を早める休息の取り方

「練習頻度を増やしたいけれど、疲れが溜まって思うように走れない」という悩みは多くのランナーが抱えています。しかし、マラソンにおいて「休息」は、走ることと同じくらい重要なトレーニングの一部です。ただダラダラと過ごすのではなく、戦略的に休むことで、次の練習の質を高めることができます。
休息には大きく分けて、全く運動をしない「完全休養」と、軽く体を動かして血流を促す「アクティブレスト(積極的休養)」の2種類があります。これらを上手に使い分けることで、週の練習頻度を落とさずに、高いパフォーマンスを維持できるようになります。
完全休養とアクティブレストの使い分け
完全休養とは、その名の通り走ることも含め、体に負荷のかかる運動を一切しない日のことです。特に強度の高い練習をした翌日や、身体に痛みを感じる時、あるいは精神的に走る気力が湧かない時には、思い切って完全休養を取ることが最善の選択となります。
一方のアクティブレストは、ウォーキングや、ごくゆっくりとしたジョギング(疲労抜きジョグ)、水泳、ストレッチなど、軽い運動を行うことです。軽く体を動かすことで全身の血流が良くなり、筋肉に溜まった老廃物の排出を促す効果が期待できます。
「今日は疲れているけれど、少しだけ体を動かしたほうがスッキリしそう」という時はアクティブレストを選び、「一歩も動きたくないほど疲労している」という時は迷わず完全休養を選びましょう。自分の感覚を大切にすることが、無理のない頻度設定に繋がります。
睡眠と食事が練習頻度を支える
どんなに緻密な練習計画を立てても、土台となる生活習慣が乱れていては、高い頻度での練習を継続することはできません。中でも「睡眠」は、成長ホルモンが分泌され、ダメージを受けた組織が修復される最も重要な時間です。ランナーであれば、最低でも毎日7時間程度の睡眠を確保したいところです。
また、食事による栄養摂取も欠かせません。走るためのエネルギー源となる炭水化物、筋肉を修復するタンパク質、そして体の調子を整えるビタミンやミネラルをバランスよく摂取しましょう。特に、練習後30分以内の「ゴールデンタイム」に栄養を補給すると、回復のスピードが格段に早まります。
練習頻度を上げようとする前に、まずは「今の生活で、しっかりと回復できているか?」を確認してください。十分な睡眠と適切な栄養があってこそ、身体はトレーニング刺激を受け入れ、強く成長していくことができるのです。
身体のメンテナンスを習慣にする
練習の頻度が上がってくると、自分では気づかないうちに筋肉が硬くなり、可動域が狭まってくることがあります。これを放置すると、フォームが崩れて怪我をしたり、練習の効率が落ちたりします。そのため、日々のセルフケアを習慣化することが大切です。
フォームローラーを使って筋肉をほぐしたり、湯船にゆっくり浸かって血行を促進したりすることは、非常に効果的なケアです。また、定期的にプロのマッサージや鍼灸を受けることも検討してみましょう。客観的に自分の身体の状態をチェックしてもらうことで、怪我を未然に防ぐことができます。
「練習の頻度を上げる=身体への負荷が増える」ということを忘れず、その分だけケアの時間も増やすようにしましょう。プロのランナーほど、走ること以外の時間管理を徹底しています。長く走り続けるために、自分の身体を労わる時間を大切にしてください。
走る頻度を増やすことが難しいと感じたら、まずは「ケアの頻度」を増やしてみましょう。体が軽くなることで、自然と「明日も走りたい」という気持ちが湧いてくるはずです。
効率よく走力を高める練習メニューの組み合わせ

マラソンの練習頻度を決める際に、ただ「週に何回走るか」だけを考えるのはもったいないと言えます。その回数の中で、どのようなメニューを組み合わせるかによって、得られる効果は天と地ほど変わります。限られた頻度の中で最大限の成果を出すために、メニューのバランスを工夫しましょう。
マラソンに必要なのは「長く走る力」「速く走る力」「走り続ける力」の3つです。これらをバランスよく刺激するためには、漫然と同じペースで走るのではなく、目的を持った練習を組み合わせる必要があります。ここでは、効率的なメニュー構成の考え方をご紹介します。
ジョギングとポイント練習の比率
マラソン練習の基本は、全体の約7割から8割を「ジョギング」にし、残りの2割程度を強度の高い「ポイント練習」にするという比率です。例えば週に4回走る場合、3回はゆっくり〜中程度のペースのジョギングを行い、1回をポイント練習に充てるといった構成になります。
ジョギングは一見すると地味な練習ですが、マラソンの土台となる基礎的な持久力を養い、毛細血管を隅々まで発達させる重要な役割があります。ポイント練習でかかった強い負荷を、ジョギングの日で適度な刺激に変えつつ回復させていく、というイメージです。
すべての練習をポイント練習のように追い込んでしまうと、すぐに怪我をしたり燃え尽きたりしてしまいます。逆にジョギングだけであっても、頻度が週3回以下だと走力の向上は停滞しやすくなります。ジョグで土台を作り、ポイント練習で刺激を入れるというリズムを意識しましょう。
長距離を走る「LSD」を組み込むタイミング
LSD(ロング・スロー・ディスタンス)とは、非常にゆっくりとしたペースで長い時間(または距離)を走る練習法です。これはマラソンランナーにとって、スタミナを強化するために欠かせないメニューの一つです。週に1回、時間が確保しやすい週末などに取り入れるのが一般的です。
LSDの頻度は週に1回で十分です。初心者の場合は、まずは60分から始め、慣れてきたら90分、120分と時間を延ばしていきます。ゆっくりのペースでも、長く走り続けることで脚の筋持久力が養われ、フルマラソンの後半でも失速しにくい粘り強い身体が作られます。
注意点として、LSDを行った後は足に深い疲労が残ることが多いため、翌日は完全休養にするか、ごく短いウォーキング程度に留めましょう。頻度を増やすよりも、1回のLSDを質の高い「長時間運動」にすることの方が重要です。
スピードを磨くインターバル走の頻度
サブ4やサブ3を目指す上で避けて通れないのが、インターバル走に代表されるスピード練習です。これは、短い距離(400mや1kmなど)を速いペースで走り、間に不完全な休息を挟んで繰り返す練習です。心肺機能の強化や、効率的なランニングフォームの習得に効果があります。
インターバル走は身体への負荷が極めて高いため、頻度は多くても週に1回、あるいは2週間に1回程度で十分です。頻繁に行いすぎると、腱や関節に強い衝撃が加わり続け、シンスプリントや膝の痛みといった故障を誘発しやすくなります。
インターバル走を行った日は、たとえ走行距離自体が短くても、心臓や肺、そして神経系には大きな負担がかかっています。練習頻度の合計回数に囚われすぎず、こうした強度の高い練習をした後はしっかりと休みを取り、身体をリセットさせる習慣をつけましょう。
【週4回の理想的なメニュー例】
火:ジョギング(30~45分)
木:ポイント練習(インターバル走やビルドアップ走)
土:疲労抜きジョグ(20~30分)
日:セット練習またはLSD(90~120分)
大会直前の練習頻度はどう落とすべき?テーパリングの基本

マラソン大会の数週間前になると、多くのランナーが「練習不足ではないか」という不安に駆られ、練習頻度を増やしたり無理な追い込みをしたりしてしまいがちです。しかし、本番で最高のパフォーマンスを発揮するために必要なのは、あえて練習量を落とす「テーパリング」という手法です。
テーパリングを適切に行うことで、練習で蓄積された疲労を取り除き、エネルギー(グリコーゲン)を十分に貯蔵した状態でスタートラインに立つことができます。ここでは、大会に向けたコンディショニングとしての頻度の落とし方について解説します。
3週間前から徐々に頻度と強度を下げる
一般的に、テーパリングは大会の約3週間前から開始します。この時期に最も意識すべきなのは、練習の「強度」は維持しつつ「量(走行距離や時間)」を減らしていくことです。頻度についても、週に1日分くらい減らすか、1回あたりの走行時間を短く調整します。
具体的には、3週間前は通常の練習量の8割程度、2週間前は6割程度、1週間前は4割程度へと段階的に落としていきます。例えば、週に5回走っていた人なら、3週間前は5回(ただし距離短縮)、2週間前は4回、1週間前は3回といったイメージです。
走る回数を減らしすぎると逆に身体が重く感じたり、感覚が鈍ったりすることもあるため、適度な刺激(例えば数kmだけ目標ペースで走るなど)は維持します。不安だからといって走りすぎてはいけません。ここでの主役は「回復」です。
前日や当日の過ごし方と最終調整
大会前日の練習頻度については、ランナーによって意見が分かれますが、一般的には「完全休養」にするか「20分程度の軽いジョギング」をするかのどちらかです。これまでの練習で十分に体は仕上がっているため、前日に頑張っても走力が上がることはありません。
もし前日に走る場合は、血流を良くして緊張をほぐすことが目的です。1kmあたり数分ゆっくりしたペースで走り、最後に数百メートルだけ本番のペースを確認して終える程度にしましょう。それ以外の時間は、できるだけ足を休め、ストレッチをして過ごすのが賢明です。
当日は、スタートまでの時間に軽くウォーミングアップを行いますが、フルマラソンの場合はあまり過度に行う必要はありません。エネルギーを温存するため、軽いストレッチと短い流し(数本ダッシュ)程度に留め、リラックスした状態で号砲を待ちましょう。
本番に向けて心身を整える重要性
テーパリングの期間は、身体の回復だけでなく「心の回復」も重要です。練習の頻度を落とすことで生まれた時間を、コースの下調べや持ち物のチェック、そして十分な睡眠に充ててください。心に余裕を持つことが、レース中の冷静な判断に繋がります。
また、練習量が減るため「体重が増えるのではないか」と心配になるかもしれませんが、これはテーパリングによって身体にエネルギーや水分がしっかり蓄えられている証拠でもあります。多少の体重増加を恐れず、健康的な食事をしっかり摂ることが大切です。
練習頻度をコントロールし、万全の状態で挑むことができれば、レース当日の景色はこれまでと違って見えるはずです。積み重ねてきた努力を信じて、リフレッシュした身体で42.195kmの旅を楽しみましょう。
自分に合ったマラソン練習の頻度で目標を叶えよう
ここまで、マラソンの練習頻度について、レベル別の目安や休息の重要性、メニューの組み合わせ方についてお伝えしてきました。マラソンの練習頻度に「これが唯一の正解」というものはありませんが、基本となる考え方を理解しておくことで、迷いなくトレーニングに励むことができます。
最後に、この記事の重要なポイントを振り返ってみましょう。
・マラソン練習の基本は、週に3~4回。無理なく継続できるペースから始めましょう。
・初心者は週2~3回からスタートし、まずは「走る習慣」を身につけることが完走への近道です。
・サブ4やサブ3など高い目標がある場合は、週4~6回へと頻度を高めつつ、練習の質(強度)にメリハリをつけます。
・「走らない日」もトレーニングの一部です。完全休養やアクティブレストを活用して、効率よく疲労を回復させましょう。
・練習をただ繰り返すだけでなく、ジョグ、ポイント練習、LSDなどのメニューをバランスよく組み合わせることが大切です。
・大会の3週間前からはテーパリングを行い、練習の頻度と量を落として万全のコンディションを整えます。
練習の頻度を気にするあまり、走ることが義務になってしまうのはもったいないことです。仕事やプライベートとのバランスを考慮しながら、自分が心地よいと感じる頻度を見つけてください。時には休み、時には自分を追い込みながら一歩ずつ進んでいけば、必ず目標とするゴールに辿り着くことができます。あなたのマラソンライフが、より充実した楽しいものになることを心から応援しています。



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