マラソン準備は前日が勝負!食事や過ごし方で完走率を上げるポイント

マラソン準備は前日が勝負!食事や過ごし方で完走率を上げるポイント
マラソン準備は前日が勝負!食事や過ごし方で完走率を上げるポイント
【トレーニング・練習】目標達成への道筋

「いよいよ明日がマラソン大会本番」となると、楽しみな気持ちと同時に、緊張や不安で落ち着かない方も多いのではないでしょうか。何か忘れていることはないか、当日の天気はどうなるか、無事に完走できるだろうか……。そんな思いが頭を巡っているかもしれません。

実は、マラソンの結果や当日のコンディションは、レース当日の朝だけでなく、「前日をどう過ごすか」によって大きく左右されます。前日の食事、睡眠、持ち物の準備が万全であれば、スタートラインに立った時の心の余裕が全く違ってくるのです。

この記事では、マラソン前日の適切な食事メニューや、体を休めるための過ごし方、そして絶対に忘れてはいけない持ち物リストまで、やさしく丁寧に解説します。初めてマラソンに挑戦する方も、自己ベストを狙う方も、この記事を読んで前日の準備を完璧にし、自信を持って明日のスタートを迎えましょう。

目次

マラソン前日の準備で当日のパフォーマンスが変わる理由

マラソンは42.195kmという長い距離を走り抜く、非常にタフなスポーツです。そのため、当日の朝に元気であれば良いというわけではありません。体の中に十分なエネルギーが蓄えられているか、筋肉や関節の疲労が抜けているか、そしてメンタルが整っているかが、後半の失速を防ぐ鍵となります。

エネルギーをタンク満タンにする最後のチャンス

私たちの体は、車で例えるならガソリンにあたる「グリコーゲン(糖質)」を筋肉や肝臓に貯蔵して走ります。しかし、体内に貯められるグリコーゲンの量には限界があります。通常の状態では、フルマラソンを走り切るだけのエネルギーは貯蔵されていません。

そこで重要になるのが、前日の食事です。前日に意識的に糖質を多く摂取することで、枯渇しがちなエネルギーのタンクを限界まで満タンに近づけることができます。これを「カーボローディング」と呼びますが、本格的な数日間の調整をしなくても、前日の食事を変えるだけで大きな効果が期待できます。レース後半、30km過ぎの「壁」を乗り越えられるかどうかは、前日にどれだけ質の良いエネルギーを蓄えられたかにかかっていると言っても過言ではありません。

疲労を抜き去り、体をフレッシュな状態に戻す

練習熱心なランナーほど、直前まで「少しでも走っておきたい」と不安になりがちです。しかし、前日に体に負荷をかけてしまうと、筋肉の修復が間に合わないままスタートラインに立つことになります。これでは、本来の実力を発揮する前にガス欠や足の痛みにつながってしまいます。

前日は「トレーニングの日」ではなく、「リカバリー(回復)の日」と割り切ることが大切です。日常生活で生じるわずかな疲労さえも取り除くつもりで、徹底的に体を労わります。ここでしっかりと休養を取ることで、当日の朝、体が驚くほど軽く感じられるはずです。自分の体を信じて、勇気を持って「休む」という選択をしましょう。

心の準備がスタート直後の落ち着きを生む

マラソン大会当日の朝は、会場の雰囲気、大勢のランナー、トイレの行列など、予想以上に慌ただしいものです。もし前日に準備が不足していると、「ゼッケンがない!」「靴下が合わない!」といったトラブルが発生した際、パニックに陥ってしまいます。これでは、走る前から無駄なエネルギーを消耗してしまいます。

前日のうちに持ち物や当日のスケジュールを完璧にシミュレーションしておくことで、「あとは寝て起きるだけ」という安心感が生まれます。この心の余裕こそが、レース序盤のオーバーペースを防ぎ、冷静なレース運びを可能にするのです。メンタル面の安定も、前日準備の大きな目的の一つです。

マラソン前日の食事と水分の摂り方【カーボローディング】

前日の食事は、明日の走りを作るための「燃料補給」です。好きなものを好きなだけ食べるのではなく、胃腸に負担をかけず、かつ効率よくエネルギーになるものを選ぶ必要があります。ここでは具体的なメニューや注意点を見ていきましょう。

炭水化物を中心とした消化の良いメニューを選ぶ

前日の食事の主役は、ご飯、うどん、お餅、パンなどの「炭水化物(糖質)」です。これらは体内で消化吸収されやすく、素早くエネルギー源であるグリコーゲンに変わります。普段の食事よりも、おかずの量を少し減らし、その分ご飯や麺の量を増やすイメージで調整しましょう。

具体的におすすめなのは、うどんや和定食です。例えば、お昼には月見うどんや力うどん(お餅入り)、夜にはご飯と焼き魚、お味噌汁といったメニューが理想的です。パスタも良いですが、クリームソースやオイルベースのものは脂質が高くなるため、トマトソースや和風きのこソースなどを選ぶと安心です。エネルギーをしっかり蓄えるために、ご飯はいつもより「茶碗もう一杯」多く食べることを意識してみてください。

避けるべき食事:脂質・食物繊維・生もの

一方で、前日に避けるべき食材もあります。まず「脂質」です。揚げ物や脂身の多い肉(ステーキやトンカツなど)、カレーライスなどは消化に時間がかかり、翌日まで胃もたれを引き起こす可能性があります。「カツ丼で勝つ!」というゲン担ぎは、マラソン前日には不向きですので控えましょう。

次に「食物繊維」です。普段は健康に良い野菜や海藻、きのこ類ですが、繊維質は腸を刺激し、ガスを発生させたり、当日のトイレ回数を増やしたりする原因になります。前日だけは野菜サラダやごぼう、玄米などは控えめにし、消化の良さを最優先してください。

そして最後に「生もの」です。お刺身やお寿司は、万が一の食あたりを防ぐために避けるのが鉄則です。スタートラインに立てなくなるリスクを少しでも減らすため、必ず加熱された料理を選びましょう。

【前日の食事 おすすめリスト】

・ご飯(白米)、おにぎり(鮭、梅、昆布など)

・うどん(お餅入りはさらにおすすめ)

・カステラ、どら焼き、大福(和菓子は脂質が低く優秀)

・バナナ、100%オレンジジュース

【前日の食事 NGリスト】

・揚げ物(トンカツ、天ぷら、フライドポテト)

・食物繊維が多いもの(生野菜サラダ、ごぼう、海藻類)

・生もの(刺身、寿司、生卵)

・アルコール(脱水を招くため禁酒がベスト)

夕食のタイミングと水分補給「ウォーターローディング」

夕食を食べる時間も重要です。食べたものが完全に消化されるまでには時間がかかるため、できれば就寝の3〜4時間前、遅くとも夜8時頃までには食べ終えるのが理想です。胃の中に食べ物が残った状態で眠ると、睡眠の質が下がってしまうだけでなく、翌朝の食欲にも影響します。もし仕事などで遅くなってしまう場合は、消化の良い雑炊やうどんを少量にするなど工夫しましょう。

また、食事と同じくらい大切なのが水分補給です。これを「ウォーターローディング」と呼びます。体内の水分が不足していると、血液の循環が悪くなり、心拍数の上昇や脱水症状を招きやすくなります。前日は一度にガブ飲みするのではなく、コップ1杯の水をこまめに飲み続け、体全体を潤しておくイメージで過ごしてください。経口補水液(OS-1など)を前日から少しずつ飲んでおくと、電解質も補給できるため、足つり予防にも効果的です。

失敗しないマラソン前日の過ごし方とスケジューリング

食事の管理ができたら、次は1日の過ごし方です。「何もしない」のが不安で動き回ってしまうことがないよう、正しい休養の取り方を知っておきましょう。

「走らない勇気」を持つ!運動は極力控える

多くのランナーが迷うのが「前日に走るべきか、休むべきか」という点です。結論から言うと、フルマラソン完走を目指す市民ランナーレベルであれば、「完全休養」または「軽い散歩」程度が最もおすすめです。

不安で体を動かしたくなる気持ちは分かりますが、前日のランニングでスタミナが向上することは生理学的にあり得ません。むしろ、貴重なグリコーゲンを消費し、筋肉に微細なダメージを与えてしまうリスクの方が高いのです。どうしても体を動かさないと落ち着かないという場合は、20分程度の非常にゆっくりとしたジョギングや、ストレッチにとどめましょう。「体力を温存する」ことこそが、前日の最大のトレーニングだと考えてください。

足を使わない工夫をする

大会の会場が遠方で、前日に移動や観光をする方もいるかもしれません。しかし、長時間歩き回ったり、立ちっぱなしでいたりすることは、想像以上に足腰への負担となります。観光地巡りはレース後の楽しみに取っておき、前日はできるだけ座って過ごすことを心がけてください。

移動中の電車やバスでも、極力座れるように指定席を確保したり、エスカレーターやエレベーターを積極的に使ったりしましょう。「お姫様・殿様になったつもりで、足を地面につけない」くらいの意識で過ごすと、翌日の足の軽さに驚くはずです。

睡眠対策:眠れなくても「横になるだけ」でOK

「明日のために早く寝なきゃ」と焦れば焦るほど、目が冴えて眠れなくなってしまった経験はありませんか? マラソン前日は緊張や興奮で眠れないことがよくあります。しかし、ここで大切なのは「一睡もできなくても完走はできる」と開き直ることです。

人間は、目を閉じて横になり、部屋を暗くして静かにしているだけでも、体と脳の休息効果は7〜8割程度得られると言われています。「眠れなくても、体を横たえているだけで体力は回復している」と自分に言い聞かせてください。スマホを見るとブルーライトで脳が覚醒してしまうので、枕元には置かず、静かな音楽を聴いたり、蒸気で目を温めるアイマスクを使ったりしてリラックスすることに集中しましょう。

マラソン前日の持ち物チェックリストとウェアの選び方

前日準備のハイライトは、持ち物のパッキングです。当日になって「あれがない!」と焦らないよう、リストを見ながら一つずつ確認してバッグに詰めましょう。

当日の朝に使用するもの(ウェア、シューズ、朝食など)と、預け荷物に入れるもの(着替え、タオルなど)を分けて準備しておくと、会場での動線がスムーズになります。

【必須アイテム】これだけは絶対に忘れないで!

何をおいても忘れてはいけないのが、「アスリートビブス(ゼッケン)」と「計測チップ」です。最近は事前郵送の大会が増えていますが、これらを忘れると出走できない、または再発行に手間取ってスタートに間に合わないという事態になりかねません。

ゼッケンは、前日のうちにウェアに安全ピンで留めておくことを強くおすすめします。当日の朝、緊張して手が震える中でゼッケンを留めるのは意外とストレスになります。計測チップもシューズに取り付けるタイプであれば、前日のうちに装着しておきましょう。その他、スマートフォン、交通系ICカード(または現金)、健康保険証のコピーも必須です。

【ウェア・天候対策】暑さ・寒さ・雨に対応する

ウェア選びは天気予報との相談になります。基本は「走り出したら暑くなる」ことを想定した薄着ですが、スタートまでの待機時間は体が冷え切ってしまいます。この寒暖差対策が重要です。

おすすめは、100円ショップなどで売っているレインコートや、大きなゴミ袋に頭と腕を通す穴を開けた即席ポンチョです。これらを一番上に着ておけば、スタート直前まで寒さを防げますし、スタート後に給水所などのゴミ箱へ捨てることができます(※大会のルールに従って廃棄してください)。

また、雨予報の場合は、シューズが濡れないようにビニール袋で覆う、帽子(キャップ)を用意する(雨が目に入るのを防ぐため)などの対策が有効です。逆に晴天の場合は、サングラスや日焼け止めを忘れずに準備しましょう。

【補給食・サプリメント】ガス欠と足つりを防ぐ

フルマラソンでは、走っている最中にエネルギー補給をする必要があります。大会のエイドステーションにもバナナやパンなどはありますが、自分が食べ慣れた「エネルギージェル」を持って走るのが基本です。

目安としては、10kmごと、あるいは45分〜1時間ごとに1個摂取できるよう、3〜4個ほど用意します。カフェイン入りのものは後半の集中力アップに、マグネシウム入りのものは足つり防止に役立ちます。また、塩分タブレットやアミノ酸(BCAA)の粉末なども、ポーチに入れておくと安心です。ジェルは味が濃厚で喉が渇くことがあるので、実際に練習で試食して味が好みのものを選んでおくと良いでしょう。

【ボディケア用品】摩擦トラブルを未然に防ぐ

意外と忘れがちですが、長時間のランニングではウェアや皮膚同士の摩擦が大きなトラブルになります。股擦れ、脇擦れ、乳首からの出血、マメなどは激痛を伴い、走りを妨げます。

これを防ぐために必須なのが「ワセリン」や「皮膚保護クリーム」です。脇の下、太ももの内側、足の指の間、踵、そして男性の場合は乳首にたっぷりと塗っておきましょう。乳首に関しては、絆創膏や専用のニップレスを貼っておくのが最も確実です。また、日焼け止めも重要です。冬場であっても長時間紫外線に晒されると、肌のダメージがそのまま疲労につながります。

【レース後・その他】ゴール後の快適さを確保する

ゴールした後は、汗が冷えて急速に寒くなります。着替えのTシャツや下着、タオルはもちろんですが、大きめのバスタオルや防寒着があると重宝します。また、42kmを走った足はむくんでパンパンになっていることが多いため、締め付けのきつい革靴やヒールではなく、サンダルやゆったりとしたスニーカーを用意しておくと、帰路が非常に楽になります。

濡れたウェアを入れるためのビニール袋(スーパーの袋でOK)も数枚入れておきましょう。朝食用のおにぎりやカステラなどをコンビニで買う予定の方は、前日のうちに買っておくのが鉄則です。当日の朝、会場近くのコンビニはランナーでごった返し、おにぎりが売り切れていることがよくあるからです。

前日にやっておくべきメンタルケアとトラブル対策

物質的な準備が整ったら、最後に精神的な準備と細かな身体のメンテナンスを行います。これで準備は完璧です。

コースマップと会場アクセスの最終確認

大会の公式ホームページやパンフレットを見て、コースの全体像を頭に入れておきましょう。「20km地点に坂がある」「30km地点で折り返しがある」といった情報を知っておくだけで、当日のペース配分や精神的な余裕が変わります。

また、会場までのアクセスも再確認が必要です。電車の乗り継ぎや最寄り駅から会場までの徒歩時間、荷物預けの締め切り時間などをチェックし、逆算して「家を出る時間」を決定します。当日の朝はトイレが混雑することも計算に入れ、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。交通系ICカードの残高不足で改札で引っかかると焦りの原因になるので、前日にチャージを済ませておくのも小さなポイントです。

足の爪切りとマメ対策

足の爪が伸びていると、シューズの中で隣の指に刺さったり、爪下血腫(爪が内出血して黒くなること)の原因になったりします。前日の入浴後、爪が柔らかくなっているタイミングで長さを整えましょう。ただし、深爪をしすぎると逆に痛くなることがあるので、白い部分が少し残る程度にスクエアカットするのがおすすめです。

もし足にマメができやすい箇所が分かっている場合は、あらかじめ保護テープや絆創膏を貼っておくのも有効です。5本指ソックスを履くことも、指同士の摩擦を防ぐ良い対策になります。

「完走した自分」をイメージしてリラックス

準備が全て終わったら、最後は良いイメージトレーニングです。「苦しい場面」を想像するのではなく、「笑顔でゴールテープを切る自分」「沿道の応援に手を振る自分」を具体的に思い描きましょう。

ここまで準備をしたのですから、あとは楽しむだけです。緊張するのは、それだけ真剣に向き合ってきた証拠です。緊張感をワクワク感に変換して、布団に入りましょう。

まとめ:マラソン前日の準備を万全にして笑顔でスタートラインに立とう

まとめ
まとめ

マラソン前日の過ごし方について、食事、休養、持ち物準備の観点から詳しく解説してきました。最後に、重要なポイントをもう一度振り返りましょう。

まず、食事は「炭水化物多め・脂質控えめ・生ものNG」を意識し、エネルギーをしっかりと蓄えます。アルコールは控え、水分補給も忘れずに行いましょう。

次に、過ごし方は「とにかく体を休めること」が最優先です。無理に走らず、移動でも座ることを心がけ、足への負担を減らしてください。睡眠に関しては、「眠れなくても横になっていればOK」と気楽に構えることが大切です。

そして、持ち物は「リストを見ながら前日にパッキング」を完了させましょう。特にゼッケンや計測チップ、当日の天候に合わせたウェアの準備は、心の安定に直結します。

前日の準備さえ整っていれば、当日は「ただ走るだけ」の状態になれます。しっかりと準備をした自分を信じて、明日のマラソン大会を存分に楽しんできてください。あなたの完走を心から応援しています!

コメント

タイトルとURLをコピーしました