マラソンはインナーで変わる!完走のカギを握る選び方と重要性を徹底解説

マラソンはインナーで変わる!完走のカギを握る選び方と重要性を徹底解説
マラソンはインナーで変わる!完走のカギを握る選び方と重要性を徹底解説
【装備・アイテム】ランナーの相棒選び

マラソン大会への出場が決まり、シューズやウェアを新調してワクワクしている方も多いのではないでしょうか。しかし、意外と見落とされがちなのが「インナー(アンダーウェア)」の存在です。「普段の下着で走ればいいや」と考えているとしたら、それは少し危険かもしれません。実は、フルマラソンなどの長距離を快適に走り切り、最後まで体力を温存するためには、シューズと同じくらいインナー選びが重要なのです。

適切なインナーを選ぶことは、単なる着心地の問題だけではありません。ランニング中の激しい発汗による体温低下を防いだり、皮膚のトラブルを回避したり、さらには筋肉の疲労を軽減してくれたりと、完走に向けた強力なサポーターとなってくれます。逆に、不適切なインナーを選んでしまうと、レース後半に思わぬトラブルに見舞われることもあります。

この記事では、初心者ランナーが知っておくべきマラソン用インナーの重要性や、季節ごとの選び方、そして多くの人が迷う「タイツの下に何を履くか問題」まで、詳しく解説していきます。自分にぴったりのインナーを見つけて、快適なランニングライフをスタートさせましょう。

目次

マラソンでインナーが重要な理由とは?ただの下着ではありません

マラソンにおいて、インナーは単に肌を隠すためのものではなく、一つの「機能性ギア」として捉える必要があります。なぜそこまで重要なのか、その理由を具体的に掘り下げていきましょう。

汗冷え(アセビエ)による体力消耗を防ぐ

マラソン中は、冬場であっても想像以上に大量の汗をかきます。走り続けているうちは体温が上がっていますが、風が吹いたりペースが落ちたりした瞬間に、濡れたウェアが急激に体温を奪っていく現象が起こります。これを「汗冷え(アセビエ)」と呼びます。単に寒いと感じるだけでなく、身体は奪われた体温を元に戻そうとしてエネルギーを過剰に消費してしまいます。

その結果、レース後半に残しておくべきスタミナが削られ、急激な失速や低体温症のリスクにつながることもあります。高機能なマラソン用インナーは、かいた汗を瞬時に肌から引き剥がし、外側のウェアへと移動させる「吸汗速乾性」や「撥水性」に優れています。肌を常にドライな状態に保つことで、この汗冷えによるダメージを最小限に抑えることができるのです。

長時間の摩擦による肌トラブル「股擦れ」などを回避

フルマラソンでは、4時間から6時間、あるいはそれ以上の時間、身体を動かし続けることになります。この間、ウェアと皮膚、あるいは皮膚同士が数万回にわたって擦れ続けることになります。普段の生活では気にならないような小さな縫い目やタグ、あるいは生地のシワでさえも、長時間繰り返される摩擦によってヤスリのように肌を傷つけてしまいます。

特に多いのが、太ももの内側が擦れる「股擦れ(またずれ)」や、男性ランナーに多い「乳首擦れ」です。これらは激痛を伴い、ひどい場合には出血して走ることさえままならなくなることもあります。マラソン専用のインナーは、縫い目を平らにしたフラットシーマ縫製や、肌への密着度を高める設計がなされており、こうした物理的な摩擦トラブルを未然に防ぐ役割を果たしています。

筋肉の揺れを抑えて疲労を軽減する

着圧機能を持つ「コンプレッションインナー」と呼ばれるタイプには、筋肉の無駄な揺れを抑える効果があります。走っている最中、着地するたびに太ももやふくらはぎの筋肉はブルブルと振動しています。実はこの振動こそが、筋肉疲労の大きな原因の一つと言われています。

適度な圧力をかけて筋肉をホールドすることで、この微細な振動を抑制し、エネルギーのロスを防ぐことができます。また、段階的に圧力をかける設計のものは、血液の循環をサポートする効果も期待でき、脚のむくみや重だるさを軽減してくれます。後半の「脚が売り切れる(動かなくなる)」状態を少しでも遅らせるために、インナーのサポート力は非常に有効です。

精神的な不快感を取り除き集中力を維持する

マラソンはメンタルスポーツとも言われるほど、精神状態がパフォーマンスに影響します。「背中を汗が伝って気持ち悪い」「パンツのゴムが食い込んで痛い」「ブラのストラップがずれる」といった些細な不快感は、長時間続くと大きなストレスとなり、走る集中力を削いでしまいます。

高機能インナーは、立体裁断によって身体の動きに追従するように作られているため、「着ていることを忘れる」ほどのフィット感を提供してくれます。ウェアによるストレスがなければ、ランナーは走ることだけに集中でき、自分のペースを守りやすくなります。快適さは、そのままタイムや完走率に直結する重要な要素なのです。

季節に合わせた最適なインナーの選び方

日本には四季があり、マラソン大会も真冬から初夏、秋口まで様々な時期に開催されます。気温や天候によってインナーに求められる機能はガラリと変わります。ここでは季節ごとの選び方のポイントを解説します。

夏のマラソン:冷却機能とUVカットで熱中症対策

気温が高い時期や、日差しが強い日のランニングでは、体内に熱がこもらないようにすることが最優先です。夏のインナー選びでは、「接触冷感素材」や「通気性」に優れたメッシュタイプのものが活躍します。風を通しやすく、汗を素早く蒸発させることで、気化熱を利用して体温を下げる効果が期待できます。

また、紫外線対策も重要です。直射日光を肌に直接浴びると、皮膚が火傷のような状態になるだけでなく、身体が疲労しやすくなります。長袖のインナーを着るのは暑そうに見えますが、UVカット機能のある薄手のインナーを一枚着ている方が、直射日光を遮るため、結果的に涼しく疲れにくいということもあります。アームカバーを活用して、体温調節をしやすくするのも賢い方法です。

冬のマラソン:保温性よりも「汗処理」を最優先に

冬のマラソンで最も犯しやすい間違いが、暖かさを求めて厚着をしすぎたり、発熱素材の一般的な肌着を選んでしまったりすることです。スタート前は寒くても、走り出せばすぐに体温は上がります。冬用インナーで重要なのは、「保温性」と「汗処理能力」のバランスです。

おすすめなのは、中空糸などを使用して空気を溜め込み保温しつつも、水分を肌に残さない特殊な化学繊維のインナーや、天然のエアコンと呼ばれる「メリノウール」素材のものです。メリノウールは濡れても保温性が落ちにくく、汗冷えしにくいという特性があります。逆に、日常用のヒートテックなどの吸湿発熱素材(レーヨン混など)の一部は、大量の汗をかくと乾きが遅く、強烈な冷えを招く場合があるので、ランニング専用のもの以外は避けたほうが無難です。

雨天・悪天候時:撥水ドライレイヤーの活用

マラソン大会は雨天決行が基本です。雨に打たれ続けると、夏場であっても低体温症のリスクが生じます。このような悪天候時に真価を発揮するのが、肌の上に直接着る「撥水(はっすい)インナー(ドライレイヤー)」です。これは網目状の非常に薄いインナーで、水分を含まない素材で作られています。

これを一番下に着て、その上に吸汗速乾性のTシャツを着ると、汗や雨は撥水インナーを通り抜けてTシャツに移動します。撥水インナー自体は濡れないため、肌は常にドライな感覚を保つことができ、濡れたウェアが肌に張り付く不快感や冷えを劇的に防いでくれます。雨の日だけでなく、汗を大量にかく人にとっても、一年中使える「秘密兵器」として人気が高まっています。

機能性インナーの種類と素材の特徴を理解しよう

お店に行くとたくさんのインナーが並んでいて、どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。ここでは、主なインナーの種類と、素材による違いについて詳しく見ていきましょう。これを理解すれば、自分に必要なアイテムが見えてきます。

絶対に避けたい「綿(コットン)」と推奨される「化学繊維」

まず大前提として、マラソンのインナーに最も適さない素材が「綿(コットン)」です。綿は肌触りが良く普段着としては優秀ですが、水分を吸収すると保水してしまい、なかなか乾きません。汗を吸って重くなり、肌にベタリと張り付き、汗冷えの原因となります。「Tシャツは参加賞でもらったポリエステル製だけど、下着はいつもの綿のパンツ」というのが、実は一番危険なパターンです。

ランニング用インナーには、ポリエステルやポリプロピレンなどの「化学繊維」が使われています。これらは水分を拡散させる能力が高く、洗濯してもすぐに乾きます。特に「ポリプロピレン」は水分を全く含まない性質があり、最強のドライ感を求めるランナーに支持されています。購入時はタグを見て、素材の混率を確認するクセをつけましょう。

上半身用:コンプレッションシャツとノースリーブ

トップス(上半身)のインナーには、大きく分けて「着圧(コンプレッション)タイプ」と「ルーズフィットタイプ」があります。コンプレッションシャツは、上半身の姿勢を正し、肩甲骨の動きをサポートして腕振りを楽にする機能を持つものがあります。猫背になりやすいランナーや、後半にフォームが崩れやすい人におすすめです。

一方、締め付けが苦手な人は、少しゆとりのあるノースリーブや半袖のメッシュインナーを選びましょう。これらは主に汗処理を目的としています。Tシャツの下に一枚これを着るだけで、Tシャツが汗で重くなるのを防ぎ、肌離れを良くしてくれます。夏場はこれ一枚で走る人もいますが、初心者のうちはTシャツの下に着る「ベースレイヤー」として活用するのが一般的です。

下半身用:サポートタイツとカーフスリーブ

ボトムス(下半身)は、ランナーの悩みに応じた選択肢が豊富です。「ロングタイツ」は、腰、股関節、膝、ふくらはぎと、脚全体をサポートしてくれる頼もしいアイテムです。特に膝に不安がある人や、完走目的の初心者ランナーには、テーピング機能が組み込まれたしっかりとした生地のタイツが推奨されます。

「脚全体を覆うのは暑い」「動きにくい」と感じる場合は、「カーフスリーブ(ゲイター)」という、ふくらはぎだけを覆うアイテムが便利です。ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれ、ここを着圧することで血流ポンプ機能を助け、足の攣り(つり)予防や疲労軽減に役立ちます。ハーフパンツと組み合わせることで、軽快さとサポート機能を両立できます。

部分用:アームカバーと5本指ソックス

ウェアの一部と考えられがちですが、これらも重要な「肌に触れる装備」です。アームカバーは、寒いときは手首まで伸ばして保温し、暑くなったら手首側にたくし上げて温度調節ができる優れものです。着脱の手間がないため、レース中の細かな体温管理に最適です。

また、ソックスもインナーの一部です。マラソンでは「5本指ソックス」が人気です。指が一本一本独立しているため、指同士の摩擦によるマメができにくく、足の指を使って地面をしっかり掴む感覚が得られます。吸汗性の高いランニング専用ソックスを選ぶことで、足裏の蒸れやトラブルを大幅に減らすことができます。

男女別・悩み別に見るインナー選びのポイント

性別や個々の体型によって、抱える悩みは異なります。ここでは男性特有、女性特有の悩みや、レベルに応じた選び方のヒントを紹介します。

男性ランナーの悩み:乳首トラブルと股間のホールド感

男性ランナーにとって、意外と深刻なのが「乳首からの出血」です。ウェアとの摩擦で乳首が擦れ、汗が染みて激痛が走ります。これを防ぐには、身体にぴったりフィットするコンプレッションインナーを着るか、あるいはニップルガード(絆創膏でも代用可)を貼るのが確実です。インナーを着ることで、ウェアの揺れによる摩擦を皮膚側でなくインナー表面で受け止めることができます。

また、下半身のインナー(パンツ)は、ボクサータイプで太ももの裾が長めのものや、立体成型されたスポーツ用ショーツがおすすめです。トランクスのようなゆとりのあるタイプは、走るたびに股間で生地が寄り、股擦れの原因になります。ホールド感があり、かつ縫い目がフラットなものを選ぶことで、長時間の走行も快適になります。

女性ランナーの悩み:スポーツブラの重要性

女性ランナーにとって最も重要なのが「スポーツブラ」です。バストを支える「クーパー靭帯」は、上下の揺れに非常に弱く、一度伸びたり切れたりすると二度と元には戻りません。ランニングはバストに大きな衝撃を与えるため、普段のブラジャーで走ることは避け、必ず「ハイサポート(ランニング用)」と記載されたスポーツブラを着用しましょう。

選ぶ際は、アンダーバストのフィット感を重視します。きつすぎると呼吸が苦しくなりますが、緩いと擦れて「ブラ擦れ」を引き起こします。試着をして、その場でジャンプしたり腕を振ったりして、揺れとズレを確認することが大切です。また、背中のデザインは、肩甲骨の動きを妨げないYバックやレーサーバックタイプが走りやすくおすすめです。

初心者と上級者での優先順位の違い

初心者ランナーの場合、タイムよりも「完走」や「身体の保護」が最優先です。そのため、サポート機能がしっかりとした厚手のタイツや、クッション性のあるソックスなど、守りの機能を重視したインナー選びが正解です。多少重量があっても、膝や腰を守ってくれるものを選びましょう。

一方、タイムを狙う上級者になってくると、重要視されるのは「動きやすさ」と「軽量性」です。締め付けの強いタイツよりも、筋肉の動きを妨げないハーフタイツや、極薄のインナーが好まれます。自分の走力や目的に合わせて、必要な機能を引き算したり足し算したりしていくことが、インナー選びの醍醐味でもあります。

ランニングタイツの下にパンツは履く?履かない?

これはランニングを始めたばかりの人が必ずと言っていいほど直面する疑問です。「ピチピチのタイツの下に、さらに下着を履くの?それとも直履き?」この正解について、メーカーの見解やランナーの実情を交えて解説します。

「直履き」が推奨されるケースとそのメリット

実は、多くのスポーツタイツは「直履き(下着なしで履くこと)」を想定して作られています。特に競技用の高機能タイツや、海外ブランドの製品には、股部分にクロッチ(当て布)がついているものが多くあります。直履きの最大のメリットは、皮膚とタイツの間に余計なものが挟まらないため、着圧効果やテーピング機能がダイレクトに筋肉に作用することです。

また、下着のゴムによる締め付けや、下着の縫い目による「擦れ」のリスクがなくなるため、摩擦トラブルが激減します。お尻のラインも綺麗に出るため、機能性を最大限に引き出したい場合や、レース本番では直履きを選択するランナーも少なくありません。抵抗がある場合は、一度短い距離で試してみて、快適さを確認してみるのも良いでしょう。

下着を履くなら「シームレス」&「吸汗速乾」一択

とはいえ、日本では「タイツの下に下着を履く」派が多数派です。衛生面や慣れの問題で下着を履きたい場合は、選び方に注意が必要です。絶対に避けるべきなのは、綿のパンツや、縫い目が太い厚手の下着です。これらはタイツの中で汗を吸って蒸れ、縫い目が肌に食い込み、深刻な股擦れを引き起こします。

タイツの下に履くなら、ランニング専用のスポーツショーツを選びましょう。これらは極薄の生地で作られており、縫い目がない「シームレス加工」や、接着仕様になっているものが理想です。女性ならラインが響きにくいソング(Tバック)タイプやボクサータイプ、男性なら裾がまくれ上がらないロングボクサータイプなど、タイツと一体化するような薄手のものを選べば、重ね履きの不快感を最小限に抑えられます。

タイツの上にショートパンツを重ねるスタイル

「タイツのピチピチした姿を見られるのが恥ずかしい」「腰回りのラインを隠したい」という理由で、タイツの上にランニングパンツ(ショートパンツ)を重ね履きするスタイルも、特に日本人ランナーの間では定番のファッションです。この場合、インナー事情はどうなるのでしょうか。

このスタイルなら、タイツの透けを気にする必要がないため、インナー選びの自由度は高まります。ただし、腰回りに「下着のゴム+タイツのゴム+短パンのゴム」と3重の締め付けが重なることになり、お腹が苦しくなる可能性があります。重ね着をする場合こそ、一番下の下着はゴムの締め付けがソフトなものや、ウエストゴムがないタイプを選ぶなど、腹部への圧迫を減らす工夫が必要です。

まとめ:マラソンのインナー選びを見直して自己ベスト更新を目指そう

まとめ
まとめ

マラソンにおけるインナーは、決して「見えないから何でもいい」ものではありません。汗冷えを防いで体力を守り、不快な擦れから肌を保護し、筋肉をサポートしてくれる、まさに「第二の皮膚」とも呼べる重要な装備です。

まずは、綿素材のものを避け、ポリエステルなどの吸汗速乾素材を選ぶことから始めましょう。そして、季節に合わせて夏は冷却機能、冬は汗冷え防止機能を使い分けることが快適なランニングへの第一歩です。タイツやスポーツブラなどのサポートアイテムも、自分の走力や悩みに合わせて適切に取り入れることで、完走へのハードルはぐっと下がります。

これまでシューズやアウターにばかり気を取られていた方も、ぜひ一度インナーを見直してみてください。驚くほど快適に走れるようになり、それが結果として自己ベスト更新や、笑顔での完走につながるはずです。あなたにぴったりのインナーを見つけて、次のマラソン大会を最高の一日にしてください。

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