マラソン大会への参加や日々のトレーニングで、「スマホ、どうする?」と頭を悩ませた経験を持つランナーは少なくないでしょう。音楽を聴きながら走りたい、ランニングアプリでペースを管理したい、美しい景色を写真に収めたい、そして何より緊急時の連絡手段として持っておきたい。スマホが一つあるだけで、ランニングはもっと豊かで安全なものになります。
しかし、同時に「どうやって快適に持ち運ぶか」「走っている最中に邪魔にならないか」「バッテリーは持つのか」といった、たくさんの「どうする?」が生まれるのも事実です。この記事では、そんなランナーならではの悩みを解決するために、マラソン中にスマホをどうするか、その具体的な方法を多角的に掘り下げていきます。あなたにぴったりのスタイルを見つけて、スマホとの上手な付き合い方をマスターし、マラソンを心ゆくまで楽しみましょう。
マラソンでスマホはどうする?携帯するメリット・デメリット

マラソンやランニング中にスマートフォンを携帯するかどうかは、多くのランナーが直面する悩みです。利便性が向上する一方で、走りの妨げになる可能性も否定できません。ここでは、スマホを携帯するメリットとデメリット、そしてあえて持たないという選択肢について詳しく見ていきましょう。それぞれの長所と短所を理解することで、ご自身のランニングスタイルに最適な判断ができるようになります。
スマホを持つメリット:安心と楽しさが手に入る
マラソン中にスマホを携帯する最大のメリットは、何と言っても「安心感」と「楽しさ」が格段にアップすることです。まず、万が一の事態に備えられる点が挙げられます。レース中に体調が悪くなったり、道に迷ったりした際に、すぐに家族や大会運営者に連絡できるのは非常に心強いです。また、GPS機能を使えば、自分の現在地を正確に把握できるため、初めて走るコースでも安心です。
楽しさの面では、音楽やポッドキャストを聴くことで、長時間のランニングでも気分転換ができ、モチベーションを維持しやすくなります。ランニングアプリを使えば、走行距離やペース、消費カロリーなどをリアルタイムで記録・確認でき、トレーニングの質を高めることにも繋がります。さらに、景色の良い場所で写真を撮ったり、ゴール後に仲間と記念撮影をしたりと、ランニングの思い出を形に残せるのも大きな魅力です。このように、スマホは安全管理ツールとしても、エンターテイメントツールとしても、ランナーにとって多くの恩恵をもたらしてくれます。
スマホを持つデメリット:重さや揺れがストレスに
一方で、スマホを携帯することにはデメリットも存在します。最も顕著なのが、その「重さ」と「揺れ」がランニングの妨げになる可能性があることです。近年のスマートフォンは大型化しており、数百グラムの重さでも、長距離を走るとなると腕や腰への負担が気になることがあります。特に、腕や足の振りをダイナミックに使うランナーにとっては、わずかな重量バランスの変化がフォームの乱れにつながることも考えられます。
また、不適切な方法で携帯すると、走るたびにスマホが揺れて体に当たり、不快感やストレスの原因になります。フィット感の悪いポーチでは、スマホが上下左右に揺さぶられて集中力を削がれたり、場合によっては擦れて皮膚を傷つけたりすることもあります。さらに、画面の誤作動も無視できません。汗や雨で濡れた手で操作しようとしてもうまくいかなかったり、ポーチの中で意図せずアプリが起動してしまったりといったトラブルも起こり得ます。これらのデメリットをいかに軽減するかが、快適なランニングを実現するためのポイントとなります。
スマホを持たない選択肢も:走りに集中したい人へ
もちろん、マラソン中にスマホを「持たない」という選択も十分に考えられます。記録の更新を目指すシリアスランナーや、デジタルデバイスから離れて走ること自体に集中したいと考えるランナーにとっては、スマホはむしろ不要なものかもしれません。スマホを持たないことで、身軽になり、純粋に自分の体と向き合い、周囲の景色や音、応援の声などを五感で感じることができます。これにより、ランニングへの没入感が高まり、より質の高い走りができる可能性があります。
ただし、スマホを持たない場合は、安全性への配慮が別途必要になります。緊急時の連絡手段として、小銭やテレホンカードを携帯したり、コース上の救護所の位置を事前に確認したりといった準備が大切です。また、走行ペースや距離を把握したい場合は、スマホの代わりに軽量なGPSウォッチを利用するのが一般的です。GPSウォッチは、ランニングに必要な機能に特化しているため、スマホよりも操作が簡単でバッテリーの持ちも良いという利点があります。自分の目的やスタイルに合わせて、スマホを持つか持たないか、あるいはGPSウォッチで代替するかを検討することが重要です。
マラソン中のスマホ、どうやって運ぶ?おすすめアイテムを紹介

マラソン中にスマホを携帯すると決めたら、次に考えるべきは「どうやって快適に運ぶか」です。走りながらストレスなくスマホを持ち運ぶためには、専用のアイテムを活用するのが最も効果的です。ここでは、定番のランニングポーチからウェアのポケット、その他の便利なグッズまで、様々な選択肢とその特徴を紹介します。それぞれのアイテムの長所・短所を比較検討し、ご自身の体型や走る距離、荷物の量に合った最適な方法を見つけましょう。
定番はこれ!ランニングポーチの種類と選び方
ランニングポーチは、スマホを携帯するランナーにとって最もポピュラーなアイテムです。様々な形状やサイズがあり、それぞれに特徴があります。ここでは代表的な3つのタイプ、アームバンド型、ウエストポーチ型、フリップベルト型について、その選び方と合わせて詳しく解説します。
アームバンド型:腕に固定してすぐに確認
アームバンド型は、その名の通り、上腕部に巻きつけてスマホを固定するタイプのポーチです。最大のメリットは、画面を確認しやすい点にあります。信号待ちなどの短い停止時間でも、腕を傾けるだけで簡単に時間やペース、着信などをチェックできます。また、イヤホンを接続する場合も、コードが絡まりにくく、スムーズに取り回せるのが特徴です。
選ぶ際のポイントは、まず第一にフィット感です。腕の太さに合わないと、走っているうちにずり落ちてきたり、締め付けが強すぎて血行を妨げたりする可能性があります。調整可能なベルクロ(マジックテープ)式のものや、伸縮性の高い素材でできているものを選ぶと良いでしょう。また、収納するスマホのサイズに対応しているかも必ず確認してください。さらに、タッチ操作が可能な透明なウィンドウが付いているモデルを選ぶと、スマホを取り出す手間が省けて便利です。ただし、腕に重さが集中するため、長距離では片腕だけが疲れやすく、左右の腕の振りのバランスが崩れる可能性がある点には注意が必要です。
ウエストポーチ型:安定感と収納力が魅力
ウエストポーチ型は、腰に巻いて使用するタイプのポーチで、安定感と収納力の高さが魅力です。アームバンド型に比べて体の中心に近い位置で荷物を支えるため、ランニングフォームへの影響が少なく、重さを感じにくいという利点があります。スマホ以外にも、鍵や小銭、エナジージェルなどの補給食を一緒に収納できるモデルが多く、特に長距離を走るランナーに人気です。
選ぶ際には、ベルトの幅や素材に注目しましょう。幅が広く、伸縮性やクッション性のある素材でできたベルトは、腰への負担を軽減し、揺れを最小限に抑えてくれます。また、ポーチ部分が体にフィットする形状になっているかどうかも重要なポイントです。収納力については、自分の荷物の量に合わせて選びましょう。スマホ専用のコンパクトなものから、ボトルホルダーが付いた大容量のものまで様々です。防水・防汗性能が高い製品を選べば、突然の雨や大量の汗から大切なスマホや荷物を守ることができ、より安心してランニングに集中できます。
フリップベルト型:体にフィットして揺れにくい
フリップベルト型は、近年人気が高まっている新しいタイプのウエストポーチです。伸縮性の高い筒状の布でできており、ベルト全体に複数のスリット(切れ込み)が入っています。このスリットからスマホや鍵などを収納し、ベルトを内側に「フリップ(ひっくり返す)」することで、荷物を安全に固定する仕組みです。
最大の特徴は、その卓越したフィット感です。体にぴったりと密着するため、従来のウエストポーチで課題だった「揺れ」がほとんどありません。まるでウェアの一部かのような感覚で装着でき、ランニング中のストレスを大幅に軽減してくれます。デザインもシンプルでスタイリッシュなものが多く、ウェアとのコーディネートを楽しめるのも魅力の一つです。選ぶ際は、ご自身のウエストサイズに合ったものを正確に選ぶことが非常に重要です。サイズが合わないと、ずり上がってきたり、逆に緩すぎて揺れの原因になったりします。購入前には必ずサイズ表を確認しましょう。収納力はモデルによって異なりますが、見た目以上に多くのものを収納できる製品が多いです。
ウェアのポケットも活用!選び方のポイント
ランニング専用に設計されたウェアの中には、スマホを収納できる便利なポケットが付いているものがあります。特に、ランニングタイツやショーツの腰部分や側面に設けられたポケットは、体にフィットするように作られているため、揺れにくく快適にスマホを携帯できます。ポーチを別途用意する必要がないため、身軽に走りたいランナーにとっては非常に魅力的な選択肢です。
ウェアのポケットを選ぶ際のポイントは、ポケットの「位置」と「素材」、そして「固定機能」です。腰の後ろ中央にあるポケットは、体の重心に近く、揺れを感じにくいためおすすめです。素材は、伸縮性が高く、体にぴったりとフィットするものが理想的です。ポケットの入り口にジッパーやフラップ(蓋)が付いていると、スマホが飛び出す心配がなく、より安心して走ることができます。ただし、ウェアのポケットは収納スペースが限られていることが多く、大型のスマホや手帳型のケースを付けた状態では入らない場合もあります。購入前には、ご自身のスマホが収納可能か、サイズをしっかり確認することが大切です。また、汗をかきやすい場所にあるポケットなので、スマホを防水ケースに入れるなどの対策も併せて行うと万全です。
その他の便利な携帯グッズ
アームバンドやウエストポーチ、ウェアのポケット以外にも、ランナーのニーズに応える様々なスマホ携帯グッズが存在します。ここでは、特に長距離ランナーや、より専門的な機能を求めるランナーに役立つアイテムを2つ紹介します。
ランニングベスト(ザック):長距離や荷物が多いときに
ランニングベスト(またはランニングザック)は、ベストのように上半身に着用するタイプの収納アイテムです。主にトレイルランニングやウルトラマラソンなど、長距離を走り、多くの荷物を必要とするランナーに愛用されています。最大のメリットは、その圧倒的な収納力と、荷重を上半身全体に分散できる点です。前面のショルダーハーネス部分にスマホ専用のポケットが配置されているモデルが多く、走りながらでも簡単にスマホを取り出したり、画面を確認したりできます。
さらに、スマホ以外にも、水分補給用のボトルやハイドレーションパック(背負うタイプの水筒)、補給食、着替え、救急セットなど、様々なアイテムを効率的に収納できます。体へのフィット感が非常に高く、適切に調整すれば、荷物の重さを感じさせず、揺れも最小限に抑えることができます。フルマラソンでも、多くの補給食や防寒具を持ちたいランナーにとっては、ウエストポーチよりも快適な場合があります。選ぶ際には、自分の体型に合ったサイズを選び、荷物を入れた状態で試着してフィット感を確認することが重要です。
手に持つタイプのスマホホルダー
できるだけ体に何も着けたくない、というランナーには、手に持って走るタイプのスマホホルダーという選択肢もあります。これは、手のひらにストラップで固定するタイプのホルダーで、スマホを握りしめる必要がなく、リラックスした状態で携帯できるのが特徴です。常に手元にあるため、アプリの操作や写真撮影が最も素早く行えます。
ただし、片手が常にふさがった状態になるため、ランニングフォームのバランスに影響が出やすいというデメリットがあります。腕の振りが不自然になったり、転倒時に手をつきにくくなったりする可能性も考慮しなければなりません。また、長時間のランニングでは、手や腕に疲労がたまりやすくなります。そのため、このタイプは、比較的短い距離のランニングや、頻繁にスマホを操作したい場合に適していると言えるでしょう。使用する場合は、左右の手で交互に持つなど、負担が偏らないように工夫することをおすすめします。
マラソン中のスマホ、どう活用する?便利な使い方を解説

ただ持ち運ぶだけでなく、スマホを積極的に活用することで、マラソンはもっと楽しく、効率的で、安全なものになります。ランニングアプリによるデータ管理から、緊急時の連絡、思い出の記録まで、その用途は多岐にわたります。ここでは、マラソン中にスマホを最大限に活かすための具体的な方法を詳しくご紹介します。これらの機能を使いこなして、あなたのランニングライフをさらに充実させましょう。
ランニングアプリで走りをデータ化
スマートフォンがもたらす最大の恩恵の一つが、高機能なランニングアプリを利用できることです。これらのアプリは、GPSや加速度センサーといったスマホに内蔵された機能を駆使して、あなたの走りを詳細に記録・分析してくれます。
GPS機能で距離やペースを正確に把握
ランニングアプリの最も基本的な機能が、GPSを利用した走行データの記録です。走り始めにアプリを起動するだけで、リアルタイムの走行距離、現在のペース(1kmあたりの所要時間)、平均ペース、経過時間などを画面で確認できます。これにより、「今日はいつもより速いペースで走れているな」「目標ペースから少し遅れているから、少しペースを上げよう」といった判断が走りながらでも可能になります。
さらに、走り終わった後には、自分が走ったコースを地図上で確認することができます。高低差のグラフを表示してくれるアプリも多く、どの坂道でペースが落ちたか、どの下り坂でペースを上げられたかなどを視覚的に振り返ることができ、次のトレーニングやレースへの戦略を立てるのに役立ちます。これらの正確なデータは、漠然と走るだけでは得られない具体的な目標設定と達成感をもたらし、トレーニングのモチベーションを維持する上で大きな助けとなります。
トレーニングプランの管理や記録の振り返り
多くのランニングアプリには、個人の目標に合わせたトレーニングプランを自動で作成してくれる機能が搭載されています。「フルマラソンを5時間で完走したい」「10kmを50分で走りたい」といった目標を設定すると、週に何回、どのようなペースで、どれくらいの距離を走ればよいか、具体的なメニューを提案してくれます。日々のトレーニングを記録していくことで、プランの進捗状況を管理し、着実に目標へ近づいていることを実感できます。
また、過去のランニング記録をすべて保存・蓄積できるのも大きなメリットです。月間の走行距離や年間の総距離、自己ベストなどをいつでも確認できるため、自分の成長を長期的な視点で振り返ることができます。友人や他のランナーと記録を共有できる機能を使えば、お互いに刺激し合い、励まし合うことも可能です。このように、アプリは単なる記録ツールにとどまらず、あなたの専属コーチやトレーニング日誌として機能し、ランニングをより計画的で継続的なものに変えてくれます。
音楽連携でモチベーションアップ
単調になりがちな長時間のランニングにおいて、音楽は非常に強力な味方です。多くのランニングアプリは、スマホ内の音楽ライブラリや、Spotifyなどの音楽ストリーミングサービスと連携する機能を備えています。お気に入りのプレイリストを聴きながら走ることで、気分が高揚し、辛い局面でもう一踏ん張りできることがあります。
特に、曲のテンポ(BPM:Beats Per Minute)とランニングのピッチ(1分間の歩数)を合わせると、リズミカルで効率的な走りをサポートしてくれる効果が期待できます。アップテンポな曲でペースを上げたり、スローな曲でクールダウンしたりと、音楽をペースメーカーのように活用することも可能です。一部のアプリでは、ランニングのペースに合わせて自動で選曲してくれる機能もあり、より一層、走りと音楽の一体感を楽しむことができます。このように音楽をうまく取り入れることで、精神的な疲労を軽減し、ランニングそのものをより楽しい体験に変えることができるのです。
緊急時の連絡手段として
マラソンやトレーニング中に、予期せぬトラブルが発生する可能性は誰にでもあります。急な体調不良、怪我、道迷い、天候の急変など、万が一の事態に陥ったとき、スマホが手元にあるかどうかは非常に重要です。すぐに家族や友人、救急車、あるいは大会であれば運営本部に連絡を取ることができるという安心感は、何物にも代えがたいものです。
特に一人で練習している際には、スマホが唯一のライフラインとなることもあり得ます。自分の現在地をGPSで正確に伝えられるため、救助を求める際にも迅速な対応が期待できます。また、最近では、転倒などを検知して自動で緊急連絡先に通知してくれる機能を備えたアプリやスマートウォッチも登場しています。このように、スマホは単なる便利な道具ではなく、ランナーの安全を守るための必須アイテムとも言える存在です。楽しむためだけでなく、自分自身を守るためにも、スマホを携帯することの重要性を認識しておきましょう。
写真撮影やSNSで思い出を共有
マラソンの魅力は、ゴールタイムや順位だけではありません。美しい景色の中を走る喜びや、苦しさを乗り越えた達成感、そして共に走る仲間との一体感も、かけがえのない思い出となります。スマホがあれば、そうした瞬間を写真や動画として簡単に記録することができます。スタート前の高揚した表情、コース途中の絶景、エイドステーションでの一休み、そして感動のゴールシーン。これらを写真に収めておけば、後から見返して楽しむことができます。
さらに、撮影した写真をリアルタイムでTwitterやInstagramなどのSNSに投稿すれば、友人や家族に自分の頑張りを伝え、応援してもらうこともできます。多くの「いいね」や応援コメントは、辛いレースの終盤で大きな力になることでしょう。また、同じ大会に参加している他のランナーとハッシュタグを通じて繋がったり、レース後に感想を共有し合ったりするのも楽しみ方の一つです。このように、スマホはランニングという個人的な体験を、他者と共有し、喜びを分かち合うためのツールとしても非常に有効です。
キャッシュレス決済でスマートに
ランニング中に小銭を持ち歩くのは、意外と煩わしいものです。ジャラジャラと音がしたり、汗で濡れてしまったり、落としてしまうリスクもあります。しかし、スマホがあれば、そうした悩みから解放されます。最近では、多くの自動販売機やコンビニエンスストアが、スマートフォンを使ったキャッシュレス決済に対応しています。
トレーニングの途中で喉が渇いたとき、スマホをかざすだけでスムーズにドリンクを購入できるのは非常に便利です。また、長距離練習の後に立ち寄った店で補給食を買う際にも、現金を持ち歩く必要がありません。これにより、ランニングに持っていく荷物を最小限に抑えることができ、より身軽で快適なランニングが実現します。特に、普段からキャッシュレス決済をメインで利用している人にとっては、ランニング中でも同じスタイルを維持できるのは大きなメリットと言えるでしょう。
マラソンでスマホを携帯するときの注意点

スマホはマラソンにおいて非常に便利なツールですが、その一方で、携帯することに伴うリスクや注意すべき点も存在します。水濡れやバッテリー切れ、操作中の事故など、対策を怠ると、せっかくのランニングが台無しになったり、危険な状況を招いたりする可能性もあります。ここでは、スマホを安全かつ快適に使い続けるために、事前に知っておくべき重要な注意点を解説します。
水濡れと汗からスマホを守る防水・防汗対策
ランナーにとって、水濡れは避けて通れない問題です。突然の雨はもちろんのこと、自身にかく大量の汗も、スマートフォンにとっては大敵です。多くのスマホは精密な電子機器であり、水分が内部に侵入すると、故障やショートの原因となります。最近では防水性能を備えたスマートフォンも増えていますが、それはあくまで「真水」に対する性能であり、塩分やミネラルを含む「汗」に対しては、防水性能が十分に機能しない場合があります。汗の塩分が端子部分を腐食させてしまうこともあるのです。
そのため、二重の対策を講じることが賢明です。まず、ランニングポーチやアームバンド自体が防水・防汗素材でできているかを確認しましょう。さらに、念のため、スマホをジップロックのような密閉できるビニール袋に入れてからポーチに収納することをおすすめします。これだけで、万が一ポーチ内に水分が侵入したとしても、スマホ本体を保護することができます。特に、高価なスマートフォンを使用している場合や、絶対に故障させたくない場合は、この一手間を惜しまないようにしましょう。
バッテリー切れを防ぐための対策
マラソン中にスマホのバッテリーが切れてしまうと、ランニングアプリの記録が中断されるだけでなく、緊急時の連絡手段も失ってしまいます。特にフルマラソンのように数時間にわたってGPSや音楽再生機能を使用する場合、バッテリーの消費は想像以上に激しくなります。レースの終盤でバッテリーが切れてしまう、といった事態を避けるために、事前の対策が不可欠です。
モバイルバッテリーを携帯する
最も確実な対策は、小型で軽量なモバイルバッテリーを携帯することです。最近では、口紅サイズやカードサイズといった非常にコンパクトな製品も多く、ランニングポーチにスマホと一緒に入れても、それほど負担にはなりません。フルマラソンやウルトラマラソンのように長丁場になるレースでは、モバイルバッテリーが一つあるだけで、精神的な安心感が大きく変わります。
選ぶ際のポイントは、「容量」と「重量」のバランスです。自分のスマホを1回フル充電できる程度の容量(5000mAh程度が目安)があれば、大抵の場合は十分でしょう。それ以上の大容量モデルは重くなりがちなので、レースの時間や自分のスマホのバッテリー性能を考慮して、最適なものを選びましょう。また、充電ケーブルも忘れずに携帯する必要があります。ポーチの中でかさばらない、短いタイプのケーブルを用意すると便利です。
事前の設定で消費電力を抑える
モバイルバッテリーを持たない場合や、さらなる対策をしたい場合は、スマホ本体の設定を見直すことで、バッテリー消費を大幅に抑えることができます。まず、レース前には必ず100%まで充電しておくことが基本です。その上で、以下の設定を試してみてください。
まず、「画面の明るさ」を必要最低限まで暗くします。画面表示はバッテリー消費の大きな要因の一つです。次に、Wi-FiやBluetooth、NFC(おサイフケータイなどの機能)など、ランニング中に使用しない無線通信機能はオフにしておきましょう。これらは常に電波を探しているため、オンになっているだけでバッテリーを消費します。また、バックグラウンドで動作している不要なアプリを完全に終了させることも有効です。そして、最も効果的なのが「低電力モード」や「省エネモード」に設定することです。これにより、スマホのパフォーマンスが若干制限されますが、バッテリーの持続時間を格段に延ばすことができます。
走りながらの操作は危険!安全に使うための心得
ランニング中にスマホを操作することは、多くの危険を伴います。画面に集中するあまり、足元の段差や障害物に気づかずに転倒したり、他のランナーや歩行者、自転車と衝突したりする事故につながる可能性があります。特に、多くのランナーで混雑している大会の序盤や、狭い道では、ほんの一瞬の不注意が大きな事故を引き起こしかねません。
スマホを操作する必要がある場合は、必ずコースの端に寄り、安全な場所で立ち止まってから行うように徹底しましょう。ペースを確認したり、音楽を選んだりする際も同様です。走りながらの操作は絶対に避けるべきです。また、イヤホンを使用する際にも注意が必要です。音楽に集中しすぎると、周囲の音(他のランナーの接近を知らせる声、スタッフの指示、緊急車両のサイレンなど)が聞こえなくなり、危険な状況を招くことがあります。安全のためには、両耳を完全に塞がず、周囲の音が聞こえる程度の音量に調整するか、片耳だけ使用する、あるいは骨伝導イヤホンのような耳を塞がないタイプの製品を利用することを強く推奨します。
大会のルールを必ず確認しよう
最後に、マラソン大会に参加する場合は、その大会のルールを事前に必ず確認することが重要です。多くの市民マラソンでは、個人の楽しみの範囲でのスマホやイヤホンの使用が認められていますが、大会によっては安全上の理由から、イヤホンの使用を全面的に禁止、あるいは片耳での使用のみ許可している場合があります。
特に、日本陸上競技連盟(陸連)の公認大会で、公認記録を目指す登録選手の場合、ルールはさらに厳しくなります。競技規則では、競技者が競技中に通信機器や音楽プレーヤーなどを使用することは、援助とみなされ、失格の対象となる可能性があります。もちろん、一般の参加者には適用されないことが多いですが、大会のレギュレーション(規則)は様々です。公式サイトや参加案内に記載されている注意事項をよく読み、ルールを遵守して参加することが、すべてのランナーが安全に楽しむためのマナーです。不明な点があれば、事前に大会事務局に問い合わせておくと安心です。
まとめ 自分に合った「マラソン中のスマホどうする?」の答えを見つけよう

この記事では、「マラソン中のスマホどうする?」という疑問に答えるため、スマホを携帯するメリット・デメリットから、具体的な持ち運び方法、便利な活用術、そして安全に使うための注意点まで、幅広く解説してきました。
スマホを携帯することで、ランニングアプリによるデータ管理や音楽再生、緊急時の連絡手段確保など、多くの恩恵を受けられます。その一方で、重さや揺れといったデメリットも存在し、あえてスマホを持たずに走りに集中するという選択肢も有効です。
スマホを携帯する場合は、アームバンドやウエストポーチ、ランニングベストといった専用アイテムの中から、ご自身の体型や荷物の量に合ったものを選ぶことが快適さの鍵となります。さらに、防水・防汗対策やバッテリー切れ対策を万全にし、走りながらの操作を避けるなど、安全への配慮も忘れてはなりません。
最終的に、マラソン中にスマホをどうするかは、あなたのランニングの目的やスタイルによって決まります。この記事で紹介した情報を参考に、ぜひご自身にとって最適な方法を見つけ出し、安全で快適なランニングライフをお楽しみください。



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