マラソンを走っている最中、急に脇腹がズキズキと痛み出した経験はありませんか。せっかく調子よく走っていたのに、急な痛みでペースを落とさざるを得なくなると悔しいですよね。この「脇腹の痛み」には、実はいくつかの異なる原因が隠れています。
マラソンで脇腹痛いというトラブルは、初心者からベテランまで多くのランナーを悩ませる問題です。痛みの出る場所やタイミングによって、内臓の血流の変化や筋肉の疲労、食事の内容などが複雑に絡み合っています。原因を正しく理解すれば、適切な対処が可能です。
この記事では、マラソン中に脇腹が痛くなるメカニズムから、痛みが出た時の即効性のある対処法、そして痛みを未然に防ぐための準備まで分かりやすく紹介します。痛みの不安を解消して、最後まで笑顔で完走を目指しましょう。
マラソンで脇腹痛いと感じる主な原因とメカニズム

マラソン中に発生する脇腹の痛みは、医学的には「運動誘発性腹痛(ETAP)」と呼ばれています。痛みの出る場所が右側か左側かによって、その原因が異なることが多いのが特徴です。まずは、なぜ走っている時に脇腹が痛くなるのか、その代表的なメカニズムを探ってみましょう。
右脇腹が痛くなる理由は肝臓の血流の変化
マラソン中に右側の脇腹が痛くなる場合、その多くは「肝臓」への血流変化が関係しています。肝臓は人体の中で最も大きな臓器の一つで、右側の肋骨の下あたりに位置しています。走ることで全身の血流が激しくなると、血液が筋肉へと優先的に送られるようになります。
その際、肝臓に一時的に血液が溜まりすぎてうっ血状態になったり、逆に急激に血液が不足したりすることで、肝臓を包んでいる膜が引き伸ばされて痛みを感じるのです。また、走る時の振動によって重い肝臓が揺れ、それを支える靭帯が引っ張られることも原因の一つと考えられています。
特に走り始めに急激にペースを上げると、血流の変化に臓器が対応できず、右脇腹に差し込むような痛みが出やすくなります。ウォーミングアップを丁寧に行うことで、内臓への血流変化を緩やかにし、この痛みを軽減できる可能性があります。
左脇腹の痛みは脾臓や胃腸の働きが関係している
一方で、左側の脇腹が痛くなる場合は、「脾臓(ひぞう)」や「胃腸」が主な要因とされています。脾臓は血液を蓄える役割を持っており、運動中に酸素が不足してくると、蓄えていた血液を一気に全身へ送り出そうとして急激に収縮します。この収縮が痛みの原因になることがあります。
また、左側には胃の出口や大腸の曲がり角があるため、食事の内容やタイミングも大きく影響します。胃の中に食べ物が残ったまま走ると、振動で胃が揺れて周囲の膜を刺激します。大腸にガスや便が溜まっている場合も、走る衝撃で腸が動かされ、左脇腹に痛みを感じることが少なくありません。
左側の痛みは、特に食事の直後に走り出した際によく見られます。消化活動のために胃腸に血液が集まっている状態で無理に走ると、消化不良を起こすと同時に、内臓が激しく揺れることで神経を刺激し、鋭い痛みとして現れるのです。
横隔膜が痙攣して痛みを引き起こすこともある
左右どちらにも関わらず、肋骨のすぐ下あたりが痛む場合は、「横隔膜(おうかくまく)」の痙攣が疑われます。横隔膜は呼吸を行うためのドーム状の筋肉です。マラソンで呼吸が激しくなると、横隔膜は激しく上下運動を繰り返しますが、この動きがスムーズにいかなくなると筋肉が吊ったような状態になります。
特に、呼吸が浅くなって「ハッハッ」という短い呼吸を繰り返していると、横隔膜への負担が大きくなります。また、走る時の姿勢が猫背になっていると、お腹周りが圧迫されて横隔膜の動きが制限され、より痙攣を起こしやすい環境を作ってしまいます。
横隔膜由来の痛みは、深い呼吸を意識することで緩和されることが多いです。肺をしっかりと膨らませ、お腹を動かす腹式呼吸を心がけることで、横隔膜の柔軟な動きを助け、筋肉の強張りを解くことができるでしょう。
腸内にガスが溜まって圧迫されている可能性
脇腹から下腹部にかけて、お腹が張るような痛みを感じる時は、「腸内のガス」が原因かもしれません。走る衝撃によって腸が刺激されると、腸内に溜まっていたガスが移動します。このガスが大腸のカーブ部分などに溜まって壁を押し広げると、不快な痛みや圧迫感を生じさせます。
日常生活で便秘気味の方や、前日にガスが発生しやすい食べ物(豆類やイモ類、炭酸飲料など)を多く摂取した方は、このタイプの痛みが出やすい傾向にあります。走っている最中にガスが動くことで、痛みの場所が移動するのもこのパターンの特徴です。
また、走る時に空気を一緒に飲み込んでしまう「呑気(どんき)」という現象も、腸内のガスを増やす要因になります。緊張して呼吸が乱れたり、水分をガブ飲みしたりする際に空気が入りやすくなるため、リラックスした呼吸と丁寧な給水を心がけることが大切です。
走っている最中に脇腹が痛くなった時の即効対処法

マラソン大会の本番中に脇腹が痛くなってしまったら、パニックにならずに落ち着いて対処することが完走への近道です。無理に痛みを我慢して走り続けると、フォームが崩れて他の部位を痛める原因にもなります。ここでは、レース中でも実践できる即効性の高いリカバリー方法をご紹介します。
【脇腹が痛くなった時のチェックリスト】
・まずはペースを落として呼吸を整える
・痛む場所を直接圧迫してみる
・ストレッチで筋肉の緊張をほぐす
・水分補給の仕方を再確認する
走るペースを落として深呼吸を取り入れる
痛みが走ったら、まずは「ペースを落とすこと」が最優先です。痛みを抱えたまま設定ペースを維持しようとすると、呼吸がさらに乱れ、症状が悪化してしまいます。歩くか、ジョギング程度のゆっくりしたペースまで落とし、体に「酸素を十分に取り込める状態」を作ってあげましょう。
同時に、深い腹式呼吸を行います。鼻から大きく息を吸い込み、お腹を膨らませた後、口から「ふーっ」と長く吐き出します。特に「吐く息」を意識して、肺の中の空気をすべて出し切るイメージで行うのがポイントです。これにより横隔膜の緊張が解け、内臓にかかっている負担が軽減されます。
深呼吸を数回繰り返すと、血流が安定し、多くの場合は数分以内に痛みが和らいでいきます。痛みが引いてきたら、いきなり元のペースに戻すのではなく、徐々にスピードを上げて様子を見るようにしてください。
痛む場所を指先で圧迫しながら走る
物理的に痛みを抑える方法として、「患部の圧迫」も非常に有効です。痛みが起きている脇腹の箇所を、手の手のひらや指先でグッと押し込みながら走ってみましょう。こうすることで、振動による内臓の揺れを外部から物理的に抑え、神経への刺激を緩和することができます。
具体的には、息を大きく吐き出すタイミングに合わせて、痛む部分をグーッと深く押し込みます。そして息を吸う時にパッと手を離すという動作を数回繰り返すと、内臓の配置が安定し、痛みが引きやすくなります。この方法は、特に肝臓や脾臓の揺れが原因の痛みに効果的です。
また、お腹に軽く力を入れて腹圧を高めることも、内臓を固定する助けになります。ただし、強く押しすぎて腹痛を誘発しないよう、自分の体と対話しながら力加減を調整してください。
腕を上げて脇腹を伸ばすストレッチ
走りながら、あるいは軽く立ち止まって「脇腹のストレッチ」を行うのも効果があります。痛む側の腕を高く上に上げ、そのまま上体を反対側へゆっくりと倒していきます。こうすることで、縮こまっていた脇腹の筋肉(腹斜筋など)が引き伸ばされ、血流が改善されます。
脇腹が痛いときは、どうしても体が前かがみになり、痛む箇所をかばうような姿勢になりがちです。しかし、それでは逆にお腹周りの筋肉が硬直してしまいます。あえて腕を伸ばして胸を開くことで、呼吸も通りやすくなり、横隔膜の痙攣を鎮める効果が期待できます。
もし余裕があれば、腕を上げた状態で深呼吸を3回ほど行ってみてください。ストレッチと呼吸を組み合わせることで、筋肉の緊張が劇的に緩和されることがあります。レース中であれば、沿道の応援に応えるように大きく伸びをしてみるのも良いリフレッシュになります。
歩きながら上半身をひねる動作を加える
痛みがしつこい場合は、一度完全に歩きに切り替えて「上半身をひねる動作」を試してみましょう。腰を動かさずに、肩を左右に大きく回すようにして上半身をじっくりとツイストします。この動作は、腸内に溜まったガスを移動させたり、腹腔内の圧力を均一にしたりする効果があります。
特にガス溜まりが原因の痛みの場合、この捻転動作によってガスがスムーズに排出され、驚くほど早く痛みが消えることがあります。また、ひねる動きによって腹横筋などのインナーマッスルが刺激され、内臓を支える力が一時的に回復することもあります。
歩きながら行うことで、心拍数も落ち着き、心身ともにリセットする時間が作れます。「ここで歩いたら終わりだ」と焦る気持ちも分かりますが、数分のウォーミングアップ動作が、その後の10kmを快適に走るための鍵になります。
マラソン前の食事と水分補給で脇腹の痛みを防ぐ

脇腹の痛みは、走る前の準備段階でかなりの確率で予防できます。特に「何を・いつ・どれくらい」食べたか、飲んだかは、ランニング中の内臓トラブルに直結します。マラソン当日を万全のコンディションで迎えるための、食事と水分の基本ルールを確認しましょう。
走る2〜3時間前までに食事を済ませるのが鉄則
マラソンにおいて、食事のタイミングは最も重要な予防策の一つです。「走行開始の2〜3時間前」までには、メインとなる食事を済ませておきましょう。食べたものが胃の中で消化されるには一定の時間がかかります。胃に未消化物が残った状態で走ると、その重みで胃が揺れ、脇腹痛を引き起こす原因になります。
消化活動には大量の血液を必要としますが、走っている最中は血液が筋肉に回されるため、胃腸の働きが低下します。その結果、消化不良が起き、腹痛や吐き気、差し込むような痛みが誘発されます。朝早いスタートの大会であれば、逆算して早起きをし、十分に胃を空っぽにする時間を作ることが大切です。
もし、スタート直前にお腹が空いてしまった場合は、固形物ではなくゼリー飲料など、消化の負担が極めて少ないものを選ぶようにしましょう。空腹すぎてもエネルギー切れ(ハンガーノック)の危険があるため、適度なバランスが求められます。
消化に良いものを選び、ガスが溜まりやすい食材を避ける
食べる「内容」にも気を配りましょう。レース前はエネルギー源となる炭水化物を中心にしつつ、「消化に良いもの」を選ぶのが鉄則です。うどん、おにぎり(海苔なし)、パン、バナナなどが推奨されます。一方で、食物繊維の多い根菜類や豆類、脂質の多い揚げ物などは、消化に時間がかかるため避けましょう。
また、腸内でガスを発生させやすい食材にも注意が必要です。例えば、イモ類やブロッコリー、キャベツなどは体に良い食材ですが、レース前日や当日は控えめにするのが無難です。これらの食品は腸内で発酵しやすく、走行中のガスによる脇腹痛を引き起こす引き金になることがあります。
さらに、乳製品も人によっては腸を刺激しすぎて腹痛を招くことがあるため、レース当日は控えた方が安心です。自分の体がどの食材に対して敏感に反応するか、普段の練習時から試しておくことが「本番での失敗」を防ぐポイントです。
水分補給は一度に大量に飲まず「少量ずつ」
水分補給はマラソンに不可欠ですが、そのやり方を間違えると脇腹痛を招きます。「一度に大量に飲まないこと」が非常に重要です。一度に300mlも500mlもガブ飲みすると、胃の中に大きな水の塊ができ、走るたびにそれがチャプチャプと揺れて胃壁や横隔膜を刺激します。
正しい補給方法は、一口、二口程度の量を、回数を分けてこまめに摂取することです。エイドステーション(給水所)でも、コップ一杯を一気に飲み干すのではなく、少しずつ口に含むようにしましょう。これにより、胃への急激な負荷を避けつつ、効率的に水分を吸収させることができます。
また、飲み物の温度にも注意してください。氷でキンキンに冷えた飲み物は、胃腸を急激に冷やして働きを鈍らせ、痛みの原因になります。可能であれば常温、あるいは適度に冷えた程度のものを選ぶのが理想的です。
ランニング直前の糖分補給にも注意が必要
エネルギー補給のために、スタート直前に甘いジュースや高濃度のエナジードリンクを飲むことがありますが、これには注意が必要です。「浸透圧の関係」で、高濃度の糖分が胃に入ると、それを薄めようとして体内の水分が胃に集まり、腹痛を起こしやすくなるからです。
特に濃すぎるスポーツドリンクやゼリーは、そのまま飲むと胃に負担をかけることがあります。直前に摂取する場合は、少しの水と一緒に飲むか、あらかじめ飲みやすい濃度に調整されているものを選びましょう。
また、糖分の摂りすぎは血糖値の急上昇と急降下(インスリンショック)を招き、パフォーマンス低下の原因にもなります。糖分補給は「計画的」に行い、直前はリラックスを優先して、一口のエネルギーゼリー程度に留めておくのがコツです。
痛みに強い体を作る!日頃からできる予防トレーニング

脇腹痛が頻繁に起こるという方は、走るフォームや筋力に課題があるかもしれません。内臓をしっかりと支え、呼吸をスムーズに行うための体作りをすることで、痛みが起きにくい体質に変えていくことが可能です。普段のトレーニングにプラスしたい、おすすめのケア方法を紹介します。
体幹(インナーマッスル)を鍛えて内臓の揺れを抑える
脇腹痛の予防に最も効果的なのは、「体幹トレーニング」です。特にお腹の深い部分にある「腹横筋(ふくおうきん)」を鍛えることで、天然のコルセットのように内臓を正しい位置で支えることができるようになります。これにより、走る時の振動による内臓の揺れを最小限に抑えられます。
おすすめの種目は、定番の「プランク」です。前腕とつま先だけで体を支え、背筋を真っ直ぐに保つトレーニングを、1日30秒からでも始めてみましょう。地味な練習ですが、継続することで腹圧を高める能力が向上し、長距離を走っても内臓が疲れにくい体へと変わっていきます。
また、体幹が安定すると、走っている時の姿勢が崩れにくくなります。姿勢が安定すれば、特定の臓器に負担が偏ることもなくなるため、右脇腹や左脇腹といった局所的な痛みの発生を抑えることにも繋がります。
呼吸筋を鍛えることで横隔膜の負担を軽減する
呼吸に使われる筋肉を鍛えることも忘れてはいけません。「ドローイン」というエクササイズを取り入れてみましょう。これは、背筋を伸ばした状態で息を吐きながら、おへそを中心に限界までお腹を凹ませ、その状態をキープするトレーニングです。
ドローインを行うことで、横隔膜や腹筋群の連携がスムーズになります。マラソンの後半、息が苦しくなっても深い呼吸を維持できるようになり、横隔膜の痙攣(脇腹の差し込み痛)を防ぐことができます。これはデスクワーク中や通勤電車の中でもできるため、習慣化しやすいのがメリットです。
さらに、普段から鼻呼吸を意識することも大切です。鼻呼吸は空気の流入を適度に制限し、呼吸筋に適度な負荷をかけることができます。また、肺の奥まで酸素を届けやすいため、運動中の酸素不足による内臓の悲鳴を防ぐ効果も期待できます。
ランニングフォームを見直して姿勢を改善する
脇腹痛は、フォームの乱れから来ることも多いです。特に「猫背」や「腰の落ちたフォーム」は、お腹を圧迫してしまいます。腹腔(ふくくう)と呼ばれるお腹のスペースが狭くなると、内臓同士がぶつかりやすくなり、痛みが発生しやすくなります。
理想的なのは、頭のてっぺんから糸で吊るされているような、真っ直ぐで高い姿勢です。骨盤を前傾させ、胸を適度に開いて走ることで、肺が大きく広がり、内臓も本来あるべき位置に収まります。視線を少し遠くに置くだけでも、姿勢は劇的に改善されます。
また、着地の衝撃が大きすぎるのも良くありません。ドスドスと大きな音を立てて走ると、その衝撃がすべて内臓に伝わります。膝を柔らかく使い、静かに着地する「ソフトな走り方」を意識するだけで、脇腹への負担は大幅に軽減されます。
【姿勢チェックポイント】
・視線は10〜15メートル先を向いているか
・肩に余計な力が入っていないか
・お腹周りが潰れて窮屈になっていないか
・着地が足裏全体で柔らかく行えているか
ウォーミングアップで内臓への血流をスムーズにする
練習やレースの前に、急に走り出していませんか。「丁寧なウォーミングアップ」は、筋肉だけでなく内臓の準備体操でもあります。徐々に体温を上げ、血流を促進することで、内臓が「これから激しい運動が始まるぞ」と準備を整えることができます。
まずは5〜10分程度のウォーキングから始め、徐々にジョギングへと移行しましょう。途中で軽くダイナミックストレッチ(動きながら行うストレッチ)を取り入れ、肩甲骨周りや股関節を動かすことも大切です。体が十分に温まる前に全力疾走をすると、内臓の血流が追いつかず、すぐに脇腹が痛くなってしまいます。
冬場など寒い時期は、内臓が冷えているため特に注意が必要です。お腹周りを冷やさないようにウエストウォーマー(腹巻)を活用するのも、脇腹痛予防には有効な手段です。内臓を温めて血行を良くしておくことが、トラブルのない走りを支えます。
部位別・症状別に知っておきたい脇腹痛の豆知識

「自分はいつもここが痛くなるけれど、これって異常なの?」と不安になることもあるでしょう。脇腹の痛みに関するよくある疑問や、注意すべき特殊なケースについてまとめました。自分の症状と照らし合わせて、安心材料にしてください。
空腹なのに脇腹が痛くなるケースの原因は?
「食事のタイミングも完璧で、空腹なはずなのに痛い」ということもあります。この場合、主な原因は「準備運動不足」か「ペース配分のミス」である可能性が高いです。空腹であっても、急激な運動によって血液が筋肉へと奪われると、内臓は一時的な酸欠状態に陥ります。
また、体が冷えている時に冷たい空気を一気に吸い込むことも、内臓を刺激して痛みを引き起こす一因になります。さらに、精神的な緊張からくる自律神経の乱れが、胃腸の収縮を招いていることも考えられます。
空腹時の痛みに対しては、まずは深呼吸でリラックスし、血流を安定させることが先決です。決して「食べなかったから痛い」と焦って、レース中に急いで補給食を詰め込んだりはしないようにしましょう。多くの場合、体のリズムが運動に追いつけば自然と痛みは消えていきます。
初心者ほど脇腹が痛くなりやすいのはなぜか
マラソンを始めたばかりの頃は、頻繁に脇腹が痛くなるものです。これには明確な理由があります。一つは「内臓を支える筋力が未発達」であること、もう一つは「呼吸の効率が悪い」ことです。走り慣れていないと、呼吸が乱れやすく、横隔膜への負担が大きくなります。
また、初心者の方は適切なペース配分が分からず、オーバーペースになりがちです。心肺機能や筋力がついてくると、同じペースで走っても体に余裕が生まれ、内臓への負担も相対的に少なくなります。つまり、脇腹の痛みは「体がまだ走ることに適応しようとしている証拠」とも言えます。
トレーニングを継続していけば、内臓を支えるインナーマッスルも自然と鍛えられ、痛みが出る頻度は確実に減っていきます。最初は無理のないスローペースから始め、徐々に距離と時間を伸ばしていくことが、脇腹痛を克服する一番の近道です。
どうしても痛みが引かない場合に疑うべき不調
通常、マラソンの脇腹痛はペースを落としたり休んだりすれば10分程度で治まります。しかし、「走るのをやめても痛みが長時間続く」場合や、日常生活でも同じ場所に痛みがある場合は注意が必要です。これは単なる運動誘発性の痛みではなく、別の要因が隠れているかもしれません。
例えば、尿路結石や胆石症といった内臓の病気が、運動による刺激で表面化することがあります。また、肋骨の疲労骨折なども脇腹の痛みとして感じられることがあります。痛みが激痛であったり、冷や汗が出る、血尿が出る、痛みが背中にまで及ぶといった場合は、無理をせず専門医を受診してください。
「たかが脇腹の痛み」と侮らず、自分の体のサインに耳を傾けることが大切です。特に、特定の部位が押すと異常に痛む場合や、安静にしていてもズキズキ痛む場合は、早めに病院(内科や整形外科)で相談することをおすすめします。
マラソンで脇腹痛いトラブルを克服して快適に走るためのまとめ
マラソンで脇腹痛いと感じるトラブルは、多くのランナーが経験する道です。右側の痛みは主に肝臓の血流変化、左側は胃腸や脾臓の働き、そして全体的な差し込み痛は横隔膜の痙攣やガス溜まりが主な原因です。それぞれのメカニズムを理解しておけば、いざという時も冷静に対処できます。
もし走行中に痛みが出たら、迷わずペースを落として深呼吸を行いましょう。痛む場所を圧迫したり、脇腹を伸ばすストレッチを加えたりすることで、多くの痛みはコントロール可能です。我慢して走り続けるよりも、一瞬のケアで体を整える方が、結果的に良いタイムや完走に繋がります。
また、食事のタイミングや内容、日頃の体幹トレーニング、正しい姿勢でのウォーミングアップなど、予防策を積み重ねることも重要です。食事は2〜3時間前までに、水分は少量ずつこまめに摂るという基本を徹底しましょう。これらを意識するだけで、レース中の安心感は格段に高まります。脇腹痛の不安を解消し、快適なランニングライフを楽しんでください。



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