フルマラソン完走、本当にお疲れ様でした!42.195kmという長い道のりを走り抜いた達成感は、何物にも代えがたい素晴らしいものだと思います。フィニッシュラインを超えた瞬間の感動は、ランナーだけの特権ですよね。
しかし、その感動の裏側で、体は想像以上のダメージを受けています。「翌日の朝、ベッドから起き上がるのがつらかった」「階段の上り下りが生まれたての子鹿のようになってしまった」という経験は、多くのランナーが通る道です。レース翌日に体が重く感じるのは、筋肉が損傷し、エネルギーが枯渇し、内臓も疲弊している証拠です。
「とりあえず寝ていれば治る」と思っていませんか?実は、ただ寝ているだけよりも、適切なケアを行った方が回復スピードは格段に上がります。特にレース翌日の過ごし方は、その後のリカバリーを左右する非常に重要な時間です。ここで正しいケアを行うことで、早期に練習を再開できたり、怪我のリスクを減らしたりすることができます。
この記事では、「マラソン 翌日 疲労抜き」をテーマに、誰でも簡単に実践できる効果的な回復メソッドを網羅しました。食事、お風呂、軽い運動、そして仕事中のケアまで、具体的なアクションプランをご紹介します。ぜひ参考にして、疲労をスッキリ抜いてしまいましょう!
マラソン翌日の疲労抜きで意識したい「アクティブレスト」とは

マラソンを走った翌日、全身が筋肉痛で動きたくないと感じることはよくあります。布団の中で一日中じっとしていたい……その気持ちは痛いほどわかります。しかし、疲労を効率よく抜くために推奨されているのは、あえて体を軽く動かす「アクティブレスト(積極的休養)」という方法です。
アクティブレストとは、その名の通り「アクティブ(動的)」に「レスト(休養)」を取ることです。トップアスリートの世界では常識となっているこの回復法は、市民ランナーにとっても非常に効果的です。なぜ完全に休むよりも体を動かした方が良いのか、そのメカニズムと具体的な実践方法について詳しく見ていきましょう。
完全休養よりも軽く動く方が回復が早い理由
「疲れているのに動くなんて逆効果では?」と疑問に思う方もいるかもしれません。しかし、完全に体を動かさない「完全休養(パッシブレスト)」をしてしまうと、実は血流が滞りやすくなってしまうのです。
マラソン後の筋肉は、損傷して硬くなり、炎症を起こしています。また、体内には疲労物質や老廃物が蓄積された状態です。これらを体外へ排出し、修復に必要な酸素や栄養素を筋肉に届けるためには、血液の循環を良くすることが何よりも重要になります。
心臓は血液を送り出すポンプの役割をしていますが、下半身に送られた血液を心臓に戻すには、ふくらはぎなどの筋肉の収縮作用(ミルキングアクション)が必要です。じっとしているとこのポンプ作用が働かず、汚れた血液が下半身に溜まったままになりがちです。
そこで、軽く体を動かして筋肉を収縮・弛緩させることで、ポンプ機能を強制的に働かせます。これにより全身の血流が促進され、疲労物質の除去と栄養の運搬がスムーズに行われるため、結果として回復が早まるのです。
翌日におすすめの運動強度と時間は?
アクティブレストを行う上で最も大切なのは、「強度」と「時間」のバランスです。あくまで目的は「疲労抜き」であり、「トレーニング」ではありません。ここで頑張って汗をかくほどの運動をしてしまうと、逆効果になってしまいます。
具体的な強度の目安は、「息が全く上がらず、会話が余裕でできるレベル」です。心拍数で言えば、最大心拍数の40〜50%程度のごく軽い運動にとどめましょう。「これならいくらでも続けられる」と感じるくらいの軽さが正解です。
時間は、20分から30分程度で十分です。長くても1時間以内に収めましょう。長時間動きすぎると、エネルギーを消耗してしまい、修復に回すべきリソースが減ってしまいます。体がポカポカと温まり、少し筋肉がほぐれてきたなと感じたところで切り上げるのがポイントです。
【アクティブレストの適正強度まとめ】
・会話が余裕でできるペース
・「運動」というより「散歩」の感覚
・時間は20〜30分程度
・汗をかきすぎない強度
ウォーキングとジョギングどちらが良いのか
アクティブレストの方法として代表的なのが、ウォーキングとジョギングです。どちらが良いかは、当日の体の状態によって判断します。
もし、筋肉痛がひどくて走る動作がつらい場合や、関節に違和感がある場合は、迷わずウォーキングを選んでください。腕を大きく振って、普段より少し大股で歩くことを意識すると、肩甲骨周りや股関節が動き、全身の血流が良くなります。
一方、筋肉痛はあるけれど走れる程度の痛みであれば、極めてゆっくりとしたペースでのジョギング(疲労抜きジョグ)も効果的です。この時のペースは、普段のジョギングよりも1kmあたり1分〜2分遅くても構いません。「歩くのと変わらないスピード」で、地面からの衝撃を最小限に抑えるように、トコトコと走ります。
また、着地衝撃を避けたい場合は、プールでの水中ウォーキングや、エアロバイク(自転車)を軽い負荷で漕ぐのも非常におすすめです。これらは関節への負担が少なく、水圧や回転運動によるマッサージ効果も期待できます。
痛みがひどい場合の対処法と判断基準
アクティブレストが良いとはいえ、例外もあります。それは「怪我」の疑いがある場合です。単なる筋肉痛であれば動かしても問題ありませんが、関節の鋭い痛み、靭帯の損傷、肉離れなどの炎症がある場合は、無理に動かすと悪化します。
判断の基準としては、「動かした瞬間にズキッとする鋭い痛みがあるか」「左右で痛みの度合いが大きく違うか」「患部が熱を持って腫れているか」などをチェックしてください。これらの症状がある場合は、アクティブレストは中止し、患部を安静にしてアイシング(冷却)を行うか、医療機関を受診しましょう。
食事で内側から回復!疲れた体に効く栄養素とメニュー

アクティブレストで血流を良くしたら、次は血液に乗せて運ぶ「材料」を体に補給してあげましょう。マラソン翌日の体は、いわばガス欠で部品がボロボロになった車のような状態です。修理するには良質なガソリンと新しいパーツが必要です。
食事はリカバリーの要です。「走ったから好きなものを好きなだけ食べる!」というご褒美もメンタル的には大切ですが、翌日の疲労抜きを優先するなら、戦略的な栄養摂取がカギとなります。具体的にどのような栄養素を摂るべきか、詳しく解説します。
筋肉の修復に欠かせないタンパク質の摂り方
フルマラソンを走ると、足の筋肉だけでなく、背中や腕など全身の筋肉の繊維が微細に断裂しています。これを修復し、以前より強く作り直すために不可欠な材料がタンパク質です。
翌日は、朝・昼・晩の3食すべてで、手のひら一枚分程度のタンパク質源を意識して摂取しましょう。肉類、魚介類、卵、大豆製品、乳製品などをバランスよく組み合わせるのが理想です。
特におすすめなのは、脂質が少なめの「鶏のささみ」や「胸肉」、「白身魚」などです。脂っこい食事は、疲れた胃腸に負担をかけてしまうため、翌日は避けたほうが無難です。また、植物性タンパク質である「納豆」や「豆腐」も消化が良く、弱った内臓に優しい優秀な食材です。
食事で摂りきれない場合は、プロテインを活用するのも賢い方法です。特に吸収の速いホエイプロテインは、朝起きてすぐや、アクティブレストの直後に飲むと効果的です。
エネルギー補給としての炭水化物の重要性
「ダイエットのために走っているから」といって、レース翌日に炭水化物を抜くのは絶対にNGです。フルマラソンで枯渇した体内のグリコーゲン(糖質エネルギー)は、すぐには満タンになりません。完全に回復するには数日かかると言われています。
グリコーゲンが不足したままだと、体は筋肉を分解してエネルギーを作り出そうとしてしまいます。これではせっかくのトレーニング効果が半減してしまいますし、疲労感やだるさがいつまでも抜けません。
ご飯、パン、麺類などの炭水化物をしっかり食べましょう。ただし、血糖値の急上昇を避けるため、玄米や全粒粉パン、五穀米など、ビタミンやミネラルも一緒に摂れる「茶色い炭水化物」を選ぶと、より代謝がスムーズになります。消化吸収を優先するなら、柔らかく煮たうどんやお粥も、胃腸への優しさという点でおすすめです。
疲労回復を助けるビタミンB群とクエン酸
炭水化物やタンパク質を摂っても、それを体内で有効活用するための「潤滑油」がないとうまく働きません。その役割を果たすのがビタミンB群です。
特に「ビタミンB1」は、糖質をエネルギーに変える際に必須の栄養素で、別名「疲労回復ビタミン」とも呼ばれます。豚肉、うなぎ、玄米、大豆製品などに多く含まれています。ニンニクやニラに含まれる「アリシン」と一緒に摂ると吸収率が高まるため、「豚肉の生姜焼き」や「ニラレバ炒め」などは、マラソン翌日の最強メニューと言えます。
また、クエン酸も疲労抜きには欠かせません。梅干し、レモン、お酢、柑橘類などに含まれる酸っぱい成分です。クエン酸はエネルギーを生み出す回路(クエン酸回路)を活性化させ、疲労感を軽減してくれます。食事にお酢をかけたり、デザートにグレープフルーツを食べたり、クエン酸入りのドリンクを飲んだりして、積極的に取り入れましょう。
【おすすめ回復メニュー例】
朝食:鮭の塩焼き、納豆、ご飯、味噌汁、オレンジジュース
昼食:豚肉と野菜の生姜焼き定食(ご飯は普通盛りでOK)
夕食:鶏胸肉の水炊き鍋(野菜と豆腐たっぷり)、締めのおじや
翌日の食事で避けたいもの・注意点
回復を早めるためには、「何を食べるか」と同じくらい「何を食べないか」も重要です。胃腸もマラソンの揺れと血液不足でダメージを受けています。消化に時間のかかるものは極力控えましょう。
具体的には、天ぷらやカツ丼などの揚げ物、脂肪分の多い霜降り肉、食物繊維が多すぎる硬い野菜(ゴボウなど)は、胃腸に負担をかけます。また、激辛料理などの刺激物も、弱った胃粘膜を攻撃してしまうため避けたほうが良いでしょう。
そして、多くのランナーが楽しみにしている「アルコール」についても注意が必要です。アルコールは肝臓で分解されますが、肝臓は「グリコーゲンの貯蔵」や「タンパク質の合成」というリカバリーの重要任務も担っています。アルコールが入ってくると、肝臓は毒素分解(アルコール処理)を最優先にしてしまうため、疲労回復作業が後回しにされてしまいます。翌日の疲労抜きを本気で考えるなら、飲酒は控えるか、ごく少量に留めるのが賢明です。
お風呂やセルフケアで血流を促進させるテクニック

食事の次は、外側からのアプローチです。お風呂での入浴方法や、自宅でできる簡単なセルフケアを取り入れることで、硬くなった筋肉をほぐし、血流をさらに加速させることができます。
マッサージ店に行くのも良いですが、予約が取れなかったり、移動が億劫だったりすることもありますよね。ここでは、自宅で手軽に実践できるプロ顔負けのケア方法をご紹介します。
交代浴(温冷浴)の具体的なやり方と効果
マラソン翌日の疲労抜きテクニックとして、最も効果が高いと言われているのが「交代浴(温冷浴)」です。これは、温かいお湯と冷たい水を交互に浴びる入浴法です。
温かいお湯につかると血管が拡張し、冷たい水を浴びると血管が収縮します。これを繰り返すことで、血管がポンプのように動き出し、全身の血流が劇的に良くなります。まるで血管の筋力トレーニングのようなものです。
【自宅でできる交代浴の手順】
1. まず湯船(40〜42度程度)に3分間つかり、体を芯まで温めます。
2. 湯船から出て、足元(膝下あたり)に冷たいシャワー(15〜20度程度)を30秒〜1分間かけます。
3. 再び湯船に3分間つかります。
4. これを3〜5セット繰り返します。
5. 最後は、リラックスして眠りたい場合は「温浴」で、炎症を抑えてスッキリしたい場合は「冷水」で終わります。
全身に冷水を浴びるのがつらい場合は、足だけに冷水をかける「足湯の冷水版」でも十分な効果があります。これを行うだけで、足のむくみやだるさが驚くほど軽くなるのを実感できるはずです。
フォームローラーを使った筋膜リリースのポイント
最近ランナーの間で定番となっている「フォームローラー(筒状のケアグッズ)」。これを使って、筋肉を包んでいる膜(筋膜)の癒着を剥がす「筋膜リリース」を行うのも有効です。
ただし、マラソン翌日は筋肉が炎症を起こしている可能性があるため、「ゴリゴリと強くやりすぎない」ことが鉄則です。痛いのを我慢して強く押し付けると、逆に筋繊維を傷つけてしまい、回復が遅れる「揉み返し」のような状態になってしまいます。
ポイントは、自分の体重をうまく乗せながら、「イタ気持ちいい」よりも少し弱いくらいの圧で、ゆっくりと転がすことです。特に太ももの外側(腸脛靭帯)や前側(大腿四頭筋)、ふくらはぎなど、張りが強い部分を重点的にケアしましょう。一つの箇所につき、30秒〜1分程度転がせば十分です。もし激痛がある場合は、その場所は避けて、周りの筋肉をほぐすようにしてください。
マッサージガンやストレッチの活用法
電動のマッサージガンを持っている方も増えていますが、翌日の使用には注意が必要です。振動が強すぎると筋肉へのダメージになります。使用する場合は、最も弱い振動レベルに設定し、一箇所に長時間当て続けないようにしましょう。骨に当てないよう注意し、筋肉の厚い部分に軽く当てる程度にします。
ストレッチに関しては、反動をつけずに行う「静的ストレッチ」を、お風呂上がりの体が温まっている時に行いましょう。呼吸を止めず、ゆっくりと筋肉を伸ばします。「伸びているな」と感じるところで20〜30秒キープします。
特に股関節周りやお尻の筋肉を伸ばすと、腰痛の予防にもなります。決して無理に伸ばさず、心地よい範囲で行うことが、副交感神経を優位にしてリラックス効果を高めるコツです。
睡眠の質を高めるための夜の過ごし方
最強の回復ツールは、何と言っても「睡眠」です。寝ている間に分泌される成長ホルモンが、傷ついた筋肉を修復してくれます。マラソン翌日は、普段以上に睡眠の「質」と「量」にこだわりましょう。
質を高めるためには、就寝90分前には入浴を済ませておくことが理想です。一度上がった深部体温が下がってくるタイミングで布団に入ると、スムーズに深い眠りにつくことができます。
また、寝る直前までのスマホ操作は控えましょう。ブルーライトは脳を覚醒させてしまい、睡眠の質を下げてしまいます。部屋を暗くし、リラックスできる音楽を聴いたり、アロマを焚いたりして、脳を「お休みモード」に切り替えてあげてください。可能であれば、7時間以上の睡眠時間を確保することを目指しましょう。
マラソン翌日の仕事や日常生活での過ごし方

プロのアスリートであれば翌日を休養に充てられますが、市民ランナーの多くは、翌日も普通に仕事や家事があるという方が大半でしょう。「ロボットのような動きで出社した」なんて話もよく聞きます。
しかし、仕事中や日常生活の中でも、ちょっとした工夫で疲労抜きを促進することができます。むしろ、デスクワークで長時間座りっぱなしになることの方が、足がむくんで回復を遅らせるリスクがあります。
デスクワーク中にできるこっそりストレッチ
オフィスで長時間座りっぱなしだと、股関節が屈曲した状態で固まり、鼠蹊部(そけいぶ)のリンパの流れが悪くなります。これが足のむくみやだるさの大きな原因です。
仕事中は、1時間に1回程度は席を立って、トイレに行ったりコピーを取りに行ったりして、少しでも足を動かすようにしましょう。席に座ったままでも、以下の「こっそりストレッチ」が可能です。
【座ったままできるケア】
・足首回し:靴の中で足首をぐるぐると回します。内回し、外回しを両方行います。
・カーフレイズ(座り):座った状態で、かかとを上げ下げします。ふくらはぎのポンプ作用を促します。
・お尻ストレッチ:椅子に座り、片足をもう片方の膝の上に乗せて「4の字」を作り、そのまま体を前に倒します。お尻の筋肉が気持ちよく伸びます。
これらをこまめに行うだけで、夕方の足の軽さが全く違ってきます。
階段の上り下りが辛い時の工夫
翌日の最大の敵は「階段」かもしれません。特に下り階段は、太ももの前側に激痛が走ることがあります。これは、着地衝撃を受け止める筋肉(大腿四頭筋)が悲鳴を上げているからです。
無理をして階段を使う必要はありません。この日ばかりはエレベーターやエスカレーターを積極的に使いましょう。どうしても階段を使わなければならない時は、「後ろ向きに降りる」(安全な場所かつ手すりを持って慎重に!)と、使う筋肉が変わるため痛みが少ないと言われています。しかし、現実的には難しい場所も多いので、手すりをしっかり持ち、痛みの少ない方の足から一段ずつ慎重に降りるのが無難です。
また、機能性タイツ(コンプレッションインナー)を履いて出社するのもおすすめです。筋肉の揺れを抑え、適度な着圧で血流をサポートしてくれるため、歩行時の痛みが軽減され、むくみ防止にもなります。スーツの下に履ける薄手のカーフサポーターなどを活用してみましょう。
脱水状態を防ぐための水分補給スケジュール
レース中に大量の汗をかいた体は、翌日になってもまだ水分バランスが整っていないことが多いです。軽い脱水状態が続くと、血液がドロドロになり、栄養が全身に行き渡りません。
仕事中も、意識的に水分を摂りましょう。目安としては、コップ1杯の水を1〜2時間おきに飲むイメージです。一度にガブ飲みしても吸収されずに排出されてしまうので、「ちびちび飲み」が基本です。
水だけでなく、ミネラルを含んだ麦茶や、ノンカフェインのハーブティーなどもおすすめです。コーヒーや緑茶などのカフェイン飲料は利尿作用があるため、水分補給とは別カウントと考え、同量のお水をチェイサーとして飲むように心がけてください。
やってはいけない!回復を遅らせるNG行動

ここまで「やるべきこと」をお伝えしてきましたが、最後に「やってはいけないこと」も確認しておきましょう。良かれと思ってやったことや、ついついやってしまったことが、実は回復を大幅に遅らせているかもしれません。
せっかくのアクティブレストや食事が台無しにならないよう、以下のNG行動にはくれぐれも注意してください。
アルコールの過剰摂取が筋肉に与える影響
前述の食事のセクションでも少し触れましたが、アルコールはリカバリーの大敵です。完走の祝杯をあげたい気持ちは山々ですが、アルコールには以下のようなデメリットがあります。
- 脱水作用:アルコールの分解には水分が必要です。ただでさえ乾いている体からさらに水分を奪います。
- 睡眠の質の低下:寝付きは良くなるかもしれませんが、眠りが浅くなり、成長ホルモンの分泌を妨げます。
- 筋肉の合成阻害:「mTOR(エムトール)」という筋肉合成のスイッチの働きを弱めてしまうという研究結果があります。
- 炎症の悪化:血流が良くなりすぎて、炎症部分の痛みが増すことがあります。
「どうしても飲みたい!」という場合は、ノンアルコールビールで雰囲気を楽しむか、翌日以降、体の痛みが引いてから存分に楽しむことを強くおすすめします。
痛みを我慢しての強度の高いトレーニング
真面目なランナーほど、「休むと走力が落ちる」「昨日の反省を生かしてすぐ練習したい」と考えがちです。しかし、マラソン翌日に強度の高いポイント練習(インターバル走やペース走など)を行うのは、百害あって一利なしです。
筋肉だけでなく、腱や関節、骨にも目に見えない微細なダメージが蓄積しています。この状態で強い負荷をかけると、疲労骨折やアキレス腱炎などの重篤な怪我につながるリスクが跳ね上がります。
フルマラソンのダメージは、全治1ヶ月の怪我に匹敵するとも言われます。少なくともレース後1週間は「回復期間」と割り切り、ジョギング程度の軽い運動にとどめましょう。勇気を持って休むことも、強くなるためのトレーニングの一環です。
長時間の同じ姿勢と座りっぱなし
「疲れているから動きたくない」といって、休日にソファーで一日中ゴロゴロして動画を見て過ごしたり、仕事中に数時間一度も席を立たなかったりするのはNGです。
同じ姿勢が続くと、特定の筋肉が凝り固まり、血流が停滞します。これが「エコノミークラス症候群」のように血栓を作る原因にもなりかねません。特にマラソン後は血液が固まりやすい状態にあるとも言われています。
家で休む場合でも、1時間に1回は立ち上がって背伸びをしたり、トイレに行ったりして体を動かしましょう。座っている時も、貧乏ゆすりのように足を動かすのは、実は血流促進には良い動作(ジグリング)です。行儀は悪いですが、デスクの下でこっそりやる分には良い健康法と言えます。
まとめ:マラソン翌日の疲労抜きを徹底して早期回復を目指そう
フルマラソンという過酷な挑戦を終えた体は、あなたが思っている以上にダメージを受けています。しかし、そのダメージを適切にケアしてあげることで、体は以前よりも強く生まれ変わることができます。最後に、今回ご紹介した「マラソン翌日の疲労抜き」のポイントを振り返りましょう。
【疲労抜きの鉄則まとめ】
1. アクティブレスト:完全休養より、ウォーキングや超低速ジョグで血流を促す。
2. 栄養補給:タンパク質とビタミンB1、クエン酸を積極的に摂り、内側から修復する。
3. 交代浴:温冷浴で血管のポンプ作用を使い、老廃物を強制排出する。
4. 日常の工夫:座りっぱなしを防ぎ、こまめな水分補給を忘れない。
5. NG行動の回避:アルコール、強度の高い練習、長時間の不動は避ける。
「疲労抜き」までがマラソン大会です。翌日のケアを丁寧に行うことは、自分自身の体を労り、感謝することでもあります。しっかりと疲れを抜いて、また笑顔で楽しく走り出せる日を迎えましょう。あなたのランニングライフが、これからも健やかで充実したものになることを応援しています!





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