関東地方では、都心の景色を楽しみながら走れる大規模な大会から、自然豊かなコースを満喫できるアットホームな大会まで、多種多様なマラソン大会が開催されています。
この記事では、「マラソン大会に出てみたいけど、どれを選べばいいかわからない」という初心者の方から、「次の目標になる人気の大会を知りたい」という経験者の方まで、幅広いランナーの皆さんに向けて関東のマラソン情報を網羅的にご紹介します。人気の大会はもちろん、初心者でも安心して参加できる大会の選び方や、大会に向けた準備についても詳しく解説していきます。あなたにぴったりの大会を見つけて、マラソンライフをさらに充実させましょう。
関東で開催される人気のマラソン大会

関東地方には、全国から多くのランナーが集まる魅力的なマラソン大会が数多く存在します。ここでは、特に知名度と人気が高い大会をピックアップしてご紹介します。それぞれの大会が持つ特色やコースの魅力を知ることで、次に出場する大会選びの参考になるはずです。
東京マラソン
コースは全体的にフラットで記録が出やすい高速コースとして知られており、自己ベスト更新を目指すランナーにも人気です。 参加者はエリート選手から一般ランナーまで幅広く、約38,000人ものランナーが東京のど真ん中を駆け抜けます。 制限時間は7時間と、初心者でも完走を目指しやすい設定になっているのも嬉しいポイントです。 沿道からの途切れることのない声援は、ランナーにとって大きな力となるでしょう。ただし、非常に人気が高いため参加するには抽選を突破する必要があります。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 開催時期 | 毎年3月上旬 |
| 開催地 | 東京都 |
| 特徴 | 世界6大マラソンの一つ、都心の観光名所を巡るコース、フラットで記録が出やすい |
| 参加者数 | 約38,000人 |
| 制限時間 | 7時間 |
横浜マラソン
横浜マラソンは、港町・横浜の美しい景色を存分に楽しめる市民参加型のマラソン大会です。 みなとみらい地区をスタートし、赤レンガ倉庫や山下公園といった観光名所を巡るコースが設定されています。 この大会の最大の特徴は、普段は自動車しか走ることのできない首都高速湾岸線を走れる点です。 海の上を走っているかのような爽快感は、他の大会では味わえない特別な体験となるでしょう。
コースは市街地部分がフラットな一方、高速道路区間にはアップダウンがあり、ランナーの戦略性が試されます。 また、「ラッキー給食」と呼ばれる横浜ならではのグルメが楽しめる給食所も人気の一つです。 フルマラソン以外にも様々な距離の種目が用意されており、初心者から上級者まで幅広い層が楽しめる大会です。 制限時間は6時間30分と比較的長めに設定されています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 開催時期 | 毎年10月下旬 |
| 開催地 | 神奈川県横浜市 |
| 特徴 | 首都高速道路を走れる、港町横浜の景色、充実した給食 |
| 参加者数 | 約25,000人 |
| 制限時間 | 6時間30分 |
湘南国際マラソン
湘南国際マラソンは、神奈川県の湘南海岸沿いを走る、景色が美しいことで人気の大会です。 大磯プリンスホテルをスタート・フィニッシュ地点とし、江の島や富士山を眺めながら西湘バイパスを駆け抜けるコースは爽快そのものです。
また、この大会は環境への配慮を重視しており、世界で初めてマイボトル・マイカップ持参を必須とした「マイボトルマラソン」としても知られています。 使い捨てカップを使用しないエコな取り組みは、多くのランナーから支持されています。 運営のレベルも高いと評判で、大規模大会ながらストレスなく参加できる点も魅力の一つです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 開催時期 | 毎年12月上旬 |
| 開催地 | 神奈川県大磯町・平塚市・茅ヶ崎市・藤沢市・二宮町 |
| 特徴 | 富士山と海を望む絶景コース、フラットで記録が出やすい、マイボトル持参のエコな大会 |
| 参加者数 | フルマラソン約19,000人 |
| 制限時間 | 6時間30分 |
さいたまマラソン
さいたまマラソンは、さいたまスーパーアリーナを発着点とする都市型のマラソン大会です。 コンセプトに「誰もがスポーツを楽しみ、誰もが参加できる」を掲げ、初心者から上級者まで楽しめる様々な種目が用意されています。
コースは全体的にフラット基調ですが、所々に細かいアップダウンがあり、特に終盤には走りごたえのある坂が待ち受けています。 そのため、初心者にとっては挑戦しがいがあり、上級者にとっては戦略的なレース運びが求められるコースと言えるでしょう。 道路幅が広く設計されているため、ランナーの数が多い序盤でもストレスなく走りやすいと評価されています。 フルマラソンの制限時間は6時間と標準的です。 2026年大会は2月8日に開催が予定されています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 開催時期 | 毎年2月 |
| 開催地 | 埼玉県さいたま市 |
| 特徴 | さいたまスーパーアリーナ発着、初心者から上級者まで楽しめる、適度なアップダウン |
| 参加者数 | フルマラソン14,000人 |
| 制限時間 | 6時間 |
ちばアクアラインマラソン
2年に一度開催される「ちばアクアラインマラソン」は、その名の通り東京湾アクアラインの海上を走ることができる、非常にユニークで貴重な体験ができる大会です。 木更津市の潮浜公園前をスタートし、海ほたるパーキングエリアで折り返すコースは、360度を海と空に囲まれた絶景が広がります。
普段は走ることができない場所を走れる特別感から、全国のランナーに高い人気を誇っています。ただし、海上は風の影響を受けやすく、コースにはアップダウンもあるため、決して楽なコースではありません。 景色を楽しみながらも、タフなレース展開に備える必要があります。このユニークなコースを体験するために、多くのランナーがエントリーします。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 開催時期 | 隔年10月または11月 |
| 開催地 | 千葉県木更津市・袖ケ浦市 |
| 特徴 | 東京湾アクアラインを走れる、海上の絶景コース、アップダウンがありタフ |
| 参加者数 | 約17,000人 |
| 制限時間 | 6時間10分 |
かすみがうらマラソン
茨城県で開催されるかすみがうらマラソンは、日本で2番目に大きい湖「霞ヶ浦」の湖畔を走る、風光明媚なコースが魅力の大会です。 都市部のマラソンとは一味違った、のどかな自然と温かい地元ボランティアのおもてなしがランナーから人気を集めています。
この大会は、国際ブラインドマラソンを併催していることでも知られています。 コースは25km過ぎからフラットな地形が続くため、終盤でもペースを上げやすく、自己ベストを狙うランナーにもおすすめです。 完走率が95%以上と非常に高いことも、初心者にとって心強いポイントと言えるでしょう。 以前は「日本三大市民マラソン」の一つと称された歴史ある大会です。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 開催時期 | 毎年4月 |
| 開催地 | 茨城県土浦市・かすみがうら市 |
| 特徴 | 霞ヶ浦の美しい景色、温かい沿道の応援、後半フラットで記録を狙いやすい、高い完走率 |
| 種目 | フルマラソン、10マイル、5kmなど |
| 制限時間 | 6時間 |
初心者におすすめ!関東の走りやすいマラソン大会

マラソン大会に初めて挑戦する方や、まだ走ることに慣れていない方にとって、大会選びは非常に重要です。完走という目標を達成するためには、コースの特性や大会の雰囲気が自分に合っているかどうかが大きく影響します。ここでは、初心者が安心して参加できる大会のポイントを解説します。
制限時間が長い大会
初めてフルマラソンに挑戦する場合、最も気になるのが「時間内にゴールできるか」という点でしょう。そのため、制限時間の長さは大会選びの最も重要なポイントの一つです。 制限時間が6時間以上に設定されている大会を選ぶと、途中で歩いたり、給水所でゆっくり休憩したりする余裕が生まれます。
関東の主要な大会では、「東京マラソン」が7時間、「湘南国際マラソン」や「横浜マラソン」が6時間30分と、比較的長めに設定されています。 このように制限時間が長い大会は、初心者ランナーにとって大きな安心材料となります。エントリーする前に、必ず大会要項で制限時間を確認しましょう。
アップダウンが少ないフラットなコースの大会
コースの高低差、つまりアップダウンの少なさも初心者にとっては重要な選択基準です。 上り坂は平坦な道に比べて体力を大きく消耗し、下り坂も脚への負担が大きくなります。 そのため、なるべく高低差の少ないフラットなコースを選ぶことで、体力の消耗を抑え、最後までペースを維持しやすくなります。
例えば、「湘南国際マラソン」は海岸沿いのコースで高低差がほとんどなく、記録を狙いやすいだけでなく初心者にも走りやすいと評判です。 また、「東京マラソン」も全体的にフラットから下り基調のコースで走りやすいとされています。 大会の公式サイトではコースの高低差マップが公開されていることが多いので、事前にチェックして、なるべく平坦なコースの大会を選ぶことをおすすめします。
参加賞やイベントが充実している大会
マラソンを走る楽しみは、タイムや順位だけではありません。参加賞や会場のイベントも大会の大きな魅力の一つです。特に初心者の方は、走ること以外の楽しみを見つけることで、モチベーションを高く保つことができます。
大会によっては、オリジナルのTシャツやタオル、地元の特産品などが参加賞として用意されています。また、ゴール後に振る舞われる「完走鍋」や、コース上の給水所で提供されるご当地グルメなどを楽しみに参加するランナーも少なくありません。 例えば、「横浜マラソン」では「ラッキー給食」と称して、横浜ならではのグルメが提供されることで知られています。
さらに、大会前後に開催されるEXPO(展示会)や、親子で参加できるファンランなど、お祭りのように楽しめるイベントが併催されている大会もあります。 このようなプラスアルファの楽しみがある大会を選ぶことで、初めてのマラソンが良い思い出になるはずです。
マラソン大会の選び方のポイント

自分にぴったりのマラソン大会を見つけるためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。ここでは、開催時期や場所、距離、大会の規模といった観点から、どのように大会を選べば良いかを具体的に解説します。
開催時期と場所で選ぶ
まず考えたいのが、いつ、どこで走りたいかということです。 マラソンシーズンは主に気候が安定している秋(10月~11月)と春(3月~4月)ですが、関東では年間を通じて様々な大会が開催されています。
また、開催場所も重要です。自宅からアクセスしやすい場所の大会は、当日の移動負担が少なく、レースに集中しやすいというメリットがあります。 一方で、少し足を延ばして観光を兼ねて遠方の大会に参加する「旅ラン」も人気です。 温泉地の近くや、景勝地を走るコースなど、走ることと観光を一緒に楽しめる大会を選ぶのも良いでしょう。 自分のライフスタイルや好みに合わせて、最適な時期と場所を選んでみてください。
自分のレベル(距離)で選ぶ
マラソン大会には、42.195kmのフルマラソン以外にも、様々な距離の種目が存在します。 初めて大会に出るという方は、無理をせず自分の走力に合った距離から始めるのがおすすめです。
5km、10km: ランニング初心者の方が最初に目標にするのに最適な距離です。まずは大会の雰囲気を味わってみたいという方にもおすすめです。
ハーフマラソン (21.0975km): フルマラソンへのステップアップとして挑戦するランナーが多い人気の距離です。 フルマラソンを走るための自信にも繋がります。
*フルマラソン (42.195km): 多くのランナーが最終目標とする距離です。完走した時の達成感は格別です。
まずは短い距離の大会で経験を積み、徐々に距離を延ばしていくのが一般的です。 関東では、5kmや10km、ハーフマラソンの大会も数多く開催されていますので、自分に合ったレベルの大会を探してみましょう。
大会の規模や雰囲気で選ぶ
マラソン大会は、その規模や雰囲気も様々です。数万人が参加する大規模な都市型マラソンから、数百人規模のアットホームなローカル大会まで、多種多様です。
大規模大会のメリットは、何と言っても沿道の応援が多く、お祭りのような華やかな雰囲気を味わえることです。 有名人やトップランナーと一緒に走れることもあり、モチベーションが上がります。給水所や救護体制などのサポートが手厚いのも安心できるポイントです。
一方で、小規模な大会は、参加者同士の距離が近く、アットホームな雰囲気でリラックスして走れるのが魅力です。スタート前の混雑が少なく、自分のペースで走りやすいというメリットもあります。地元のボランティアの方々との温かい交流も楽しめます。
どちらの雰囲気が自分に合っているかを考えて選ぶのも、大会を楽しむための重要なポイントです。
マラソン大会に向けた準備とトレーニング

目標とするマラソン大会が決まったら、次はいよいよ本番に向けた準備です。しっかりと準備を行うことで、当日のパフォーマンスが大きく変わってきます。ここでは、必要な持ち物から基本的なトレーニング、当日の心構えまで、大会に向けてやるべきことを解説します。
必要な持ち物とウェア
大会当日に最高のパフォーマンスを発揮するためには、適切な準備が欠かせません。特にウェアやシューズは、快適に走るために非常に重要です。
【必須アイテム】
- ランニングシューズ: 自分の足に合った、走り慣れたものを用意しましょう。 新品のシューズをいきなり本番で使うのは靴擦れの原因になるため避けるべきです。
- ランニングウェア: 吸汗速乾性に優れた素材のものを選びましょう。 綿100%のTシャツなどは汗を吸って重くなり、体を冷やす原因になるため適していません。 当日の気候に合わせて、半袖、長袖、タイツなどを組み合わせましょう。
- ナンバーカード(ゼッケン)・計測チップ: 大会から事前に送られてくる最も重要な持ち物です。絶対に忘れないようにしましょう。
- ウエストポーチやランニングベスト: エネルギー補給食やスマートフォンなどを携帯するのに便利です。
【あると便利なアイテム】
- GPSウォッチ: 距離やペース、時間を確認しながら走ることができます。
- キャップ・サングラス: 日差しや雨から顔を守ってくれます。
- ワセリン: 脇や股、足の指など、ウェアとの摩擦が起きやすい部分に塗っておくと、擦れ防止になります。
- 防寒着: スタート前の待機時間は体が冷えやすいため、脱ぎ着しやすい上着や、使い捨てのポンチョ(ゴミ袋でも代用可)があると便利です。
- 着替え・タオル: ゴールした後、汗で濡れた体を拭き、着替えるために必須です。
基本的なトレーニングメニュー
フルマラソン完走を目指すには、計画的なトレーニングが必要です。ここでは、初心者向けの基本的なトレーニングメニューをご紹介します。無理のない範囲で継続することが大切です。
1. ウォーキング&ジョギング(週2〜3回)
まずは「走る習慣」を身につけることから始めましょう。初めはウォーキングからでも構いません。「10分歩いて5分走る」などを繰り返し、徐々に走る時間を長くしていきます。おしゃべりできるくらいのゆっくりとしたペースで、30分〜60分程度続けることを目標にしましょう。
2. 距離を伸ばす練習(週末に1回)
週末など時間に余裕がある日に、少し長めの距離を走る練習を取り入れましょう。毎週少しずつ距離を延ばしていき、大会の2〜3週間前までに一度、ハーフマラソン(約21km)や30km程度の距離を経験しておくと、本番への自信に繋がります。
3. 筋力トレーニング(週2回程度)
ランニングと並行して、筋力トレーニングを行うことで、怪我の予防とフォームの安定に繋がります。
- スクワット: 太ももやお尻の筋肉を鍛え、安定した走りをサポートします。
- フロントブリッジ(プランク): 体幹を鍛えることで、ランニングフォームが崩れにくくなります。
- カーフレイズ(かかと上げ): ふくらはぎを鍛え、地面を蹴る力を高めます。
筋トレは走り込みの前に行うと、脂肪燃焼効果も期待できます。 トレーニング後は、ストレッチで筋肉をしっかりほぐすことを忘れないようにしましょう。
大会当日の心構えと注意点
いよいよ大会当日。緊張するかもしれませんが、事前のシミュレーションができていれば落ち着いて臨めます。
【レース前】
- 起床・食事: スタートの3〜4時間前には起床し、食事を済ませましょう。 食事はエネルギー源となる炭水化物を中心に、消化の良いものを選びます。
- 会場到着: スタートの2時間前には会場に到着し、受付や着替え、荷物預けを済ませましょう。 トイレは非常に混雑するため、早めに行っておくのがポイントです。
- ウォーミングアップ: スタート1時間前くらいから、軽いジョギングやストレッチで体を温め始めます。
- スタート整列: スタート30分前には、自分のナンバーカードに記載されたブロックに整列しましょう。
【レース中】
- 序盤はゆっくりと: スタート直後は混雑と高揚感でペースが上がりやすいですが、意識してゆっくり入りましょう。周りのペースに惑わされず、自分の計画したペースを守ることが完走の秘訣です。
- 早めの水分・エネルギー補給: 喉が渇いたと感じる前に、給水所ごとにこまめに水分を摂りましょう。エネルギー切れ(ハンガーノック)を防ぐため、持参した補給食やエイドステーションの食べ物を計画的に摂取することも重要です。
- 無理は禁物: レース中に痛みや体調不良を感じたら、無理をせず歩いたり、救護所に立ち寄る勇気を持ちましょう。
【レース後】
- クールダウン: ゴール後、すぐに座り込まず、少し歩いてクールダウンしましょう。
- 着替えと栄養補給: 汗で体を冷やさないよう、すぐに着替えます。 使った筋肉を回復させるため、タンパク質や炭水化物を補給しましょう。
まとめ:関東のマラソン大会で最高の思い出を作ろう!

この記事では、関東地方で開催される人気のマラソン大会から、初心者向けの大会の選び方、そして大会に向けた準備まで、幅広くご紹介しました。
関東には、東京マラソンのような世界的な大会から、湘南国際マラソンのように絶景を楽しめる大会、そして地域のアットホームな大会まで、多種多様な選択肢があります。 大会選びで大切なのは、制限時間やコースの起伏、開催地、大会の規模などを考慮し、自分のレベルや目的に合った大会を見つけることです。
目標とする大会が決まったら、無理のないトレーニング計画を立て、必要な準備をしっかりと行いましょう。そして大会当日は、これまでの練習を信じて、自分のペースでレースを楽しんでください。沿道の声援や他のランナーとの一体感は、きっと忘れられない経験になるはずです。この記事を参考に、あなたにとって最高の思い出となるマラソン大会を見つけて、ぜひ挑戦してみてください。



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