「マラソンを始めれば、本当に痩せるのかな?」
そんな期待を胸に、ランニングシューズを手に取ろうとしている方も多いのではないでしょうか。実は、マラソンやランニングは、正しく行えばダイエットに非常に効果的なスポーツです。しかし、ただ闇雲に走るだけでは、思ったような成果が出ないこともあります。
この記事では、マラソンがなぜダイエットに効くのか、そのメカニズムから、脂肪を効率よく燃やすための走り方、そして食事のポイントまでをやさしく解説します。初心者の方でも無理なく続けられるコツも紹介していますので、ぜひ参考にして、理想の体型を目指して走り出しましょう。
マラソンが痩せる理由とは?身体に起こる4つの変化

マラソン(ランニング)は、数ある運動の中でも特にダイエット効果が高いと言われています。なぜ走るだけで身体が引き締まるのでしょうか。まずは、そのメカニズムを理解して、モチベーションを高めていきましょう。
有酸素運動による高い脂肪燃焼効果
マラソンは「有酸素運動」の代表格です。有酸素運動とは、呼吸で酸素を体内に取り込みながら行う運動のことで、この酸素を使って体内の糖質や脂肪をエネルギーとして燃やします。ウォーキングや水泳なども有酸素運動ですが、ランニングはその中でも単位時間あたりの消費カロリーが高いのが特徴です。
走る動作は体重移動を伴うため、身体全体を使ってエネルギーを消費します。特に、一定のリズムで呼吸を続けながら走ることで、血液中の脂肪だけでなく、体に蓄積された体脂肪も効率よく分解・燃焼され始めます。これが、マラソンが「痩せる」と言われる最大の理由です。
下半身の筋肉強化で基礎代謝がアップ
人間の身体の筋肉の約70%は、下半身に集中しています。マラソンでは、太ももやふくらはぎ、お尻といった大きな筋肉を使い続けます。走る習慣がつくと、これらの筋肉が自然と引き締まり、鍛えられていきます。
筋肉量が増えると、何もしなくても消費されるカロリー、つまり「基礎代謝」が向上します。基礎代謝が上がれば、運動していない時間や寝ている間でもエネルギーが消費されやすくなるため、「太りにくく痩せやすい身体」へと変化していくのです。リバウンドを防ぐためにも、筋肉をつけて代謝を上げることは非常に重要です。
運動後もカロリー消費が続く「アフターバーン効果」
マラソンのような運動をした後、身体が火照っている感覚になったことはありませんか?これは「EPOC(運動後過剰酸素消費量)」、通称「アフターバーン効果」と呼ばれる現象が起きているサインかもしれません。
しっかりと走った後は、身体がダメージを修復したり、通常の状態に戻ろうとしたりするために、運動が終わった後も数時間にわたって酸素を多く消費し続けます。この間、通常時よりもカロリー消費が高い状態が続きます。つまり、走っている最中だけでなく、走り終わった後もダイエット効果が持続するという嬉しいメリットがあるのです。
ストレス発散による暴飲暴食の防止
ダイエットの大敵である「ストレス」。ストレスが溜まると、ホルモンバランスが崩れ、食欲を増進させるホルモンが分泌されやすくなり、ついつい食べ過ぎてしまうことがあります。マラソンには、このストレスを解消する大きな効果があります。
一定のリズムで走るリズム運動は、「セロトニン」という幸せホルモンの分泌を促します。走り終わった後の爽快感や達成感は、日々のストレスをリセットし、精神を安定させてくれます。心が満たされることで、ストレス食いを防ぎ、自然と食事のコントロールがしやすくなるというメンタル面でのメリットも見逃せません。
痩せるための正しい走り方と頻度の目安

「痩せるためには、速く走らなければいけない」「毎日走らないと意味がない」そう思い込んでいませんか?実は、ダイエット目的であれば、キツい走り方は逆効果になることもあります。ここでは、脂肪燃焼を最大化するための正しい走り方を紹介します。
「おしゃべりできる」ペースが脂肪を燃やす
脂肪を効率よく燃やすための最大のポイントは「ペース配分」です。息がゼーゼーするほど全力で走ってしまうと、身体は酸素を使わない「無酸素運動」の状態になり、脂肪ではなく糖質を優先的にエネルギーとして使ってしまいます。
脂肪燃焼に最適なのは、「ニコニコペース」と呼ばれる、笑顔で走れるくらいの強度です。隣の人と普通におしゃべりができるくらいの余裕があるペースを保ちましょう。このゆっくりとしたペースこそが、酸素をたっぷり取り込み、脂肪をエネルギーに変える一番の近道なのです。「遅すぎるかな?」と感じるくらいで丁度良いと覚えておいてください。
頻度は「週3回」が継続と効果のベストバランス
張り切って毎日走ろうとする初心者の方も多いですが、ダイエットには「継続」が何よりも大切です。最初から毎日走ると、疲労が抜けずに怪我をしたり、辛くなって挫折したりするリスクが高まります。
おすすめの頻度は「週3回」、つまり「1日おき」や「2日走って1日休む」くらいのペースです。運動と休息のバランスをとることで、筋肉の回復を促し、フレッシュな状態で走ることができます。週3回のランニング習慣が定着すれば、十分に身体の変化を感じられるはずです。慣れてきたら頻度を増やしても良いですが、まずは無理のないスケジュールを組みましょう。
走る時間は「20分以上」を目安にしよう
よく「有酸素運動は20分以上やらないと脂肪が燃えない」という話を聞きますが、これは半分正解で半分間違いです。運動開始直後から脂肪は燃え始めていますが、開始から20分ほど経過すると、血中のエネルギーよりも体脂肪の燃焼割合がグンと高まります。
そのため、効率よく脂肪を落としたいのであれば、1回のランニングで20分以上、できれば30分程度走り続けるのが理想的です。ただし、最初から長時間走るのが難しい場合は、ウォーキングを挟んでも構いません。「10分走って5分歩き、また10分走る」といった形でも効果はありますので、トータルで身体を動かす時間を確保しましょう。
朝ランと夜ラン、どっちが痩せる?
走る時間帯によっても、得られるメリットが少し異なります。それぞれの特徴を知って、自分のライフスタイルに合う方を選びましょう。
朝ランニングのメリット
朝食前(空腹時)に走ることで、体内の糖質が少ない状態のため、脂肪がエネルギーとして使われやすくなります。また、朝に代謝を上げておくことで、その日一日の消費カロリーが増える効果も期待できます。
夜ランニングのメリット
身体が温まっているため動きやすく、質の高い運動ができます。また、一日のストレスを解消し、心地よい疲労感で睡眠の質を高める効果があります。成長ホルモンの分泌を促し、身体の修復や代謝アップに役立ちます。
マラソンをしているのに痩せない原因と対策

「頑張って走っているのに、体重が全然減らない…」そんな悩みに直面することもあります。努力が空回りしないよう、よくある失敗パターンとその対策を知っておきましょう。
走った安心感による「食べ過ぎ」に注意
マラソンダイエットで最も多い失敗原因がこれです。「今日は5キロ走ったから、ケーキを食べても大丈夫だろう」「ご褒美にビールを飲もう」といった油断が、消費カロリー以上の摂取カロリーを招いてしまいます。
実際、30分ゆっくり走って消費できるカロリーは、おにぎり1個〜1.5個分程度(約200〜300kcal)です。走った達成感で気が大きくなり、それ以上に食べてしまっては本末転倒です。運動はあくまでカロリー消費の一部と考え、食事管理も並行して行うことが成功の鍵です。
ペースが速すぎて「無酸素運動」になっている
前述の通り、ペースが速すぎると「無酸素運動」になり、脂肪燃焼効果が薄れてしまいます。特に真面目な方ほど、「もっと頑張らなきゃ」とペースを上げがちです。息が切れるほどのスピードで走っている場合は、筋肉はつくかもしれませんが、脂肪は落ちにくくなっている可能性があります。
対策としては、心拍数を意識することです。スマートウォッチなどで心拍数を測れるなら、最大心拍数の60〜70%程度を維持しましょう。計測機器がない場合は、鼻歌が歌えるくらいの余裕があるか、常にセルフチェックしながらペースを落とす勇気を持ちましょう。
疲労回復が追いつかず身体がむくんでいる
毎日ハードに走りすぎると、身体は慢性的な疲労状態に陥ります。筋肉の炎症や、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌過多により、身体が水分を溜め込みやすくなり、「むくみ」として体重に現れることがあります。
体重計の数字が減らないと焦ってさらに走ろうとしがちですが、そんな時こそ「勇気ある休息」が必要です。しっかりと睡眠をとり、お風呂にゆっくり浸かってマッサージをするなど、身体をケアしてあげてください。むくみが取れれば、ストンと体重が落ちることも珍しくありません。
ダイエット効果を高める食事と栄養摂取のポイント

マラソンで痩せるためには、走ることと同じくらい「食べること」が重要です。適切なタイミングで適切な栄養を摂ることで、脂肪燃焼を加速させることができます。
走る前の食事は「消化の良い糖質」を
「空腹で走った方が痩せる」と言われますが、完全にエネルギー切れの状態で走ると、筋肉を分解してエネルギーを作り出そうとしてしまいます。また、低血糖で倒れるリスクもあります。軽く何かお腹に入れておくのがおすすめです。
走る30分〜1時間前には、バナナやゼリー飲料など、消化が良くすぐにエネルギーになる糖質を摂りましょう。これにより、最後までバテずに質の高いランニングが可能になり、結果として消費カロリーを稼ぐことができます。脂っこいものは消化に時間がかかるので避けてください。
運動後は30分以内にタンパク質を補給
走り終わった直後の身体は、乾いたスポンジのように栄養を吸収しようとしています。特に、傷ついた筋肉を修復するために「タンパク質」が必要です。運動後30分以内は「ゴールデンタイム」とも呼ばれます。
このタイミングでプロテインを飲んだり、豆乳やサラダチキンなどを摂取したりすることで、筋肉が効率よく修復され、基礎代謝の高い身体が作られます。同時に、失われた水分とミネラルもしっかり補給することを忘れないでください。
過度な糖質制限は逆効果になる理由
ダイエット中だからといって、炭水化物(糖質)を極端に抜くのはマラソンには逆効果です。糖質は、脂肪を燃やすための「着火剤」のような役割を果たします。着火剤がなければ、脂肪という薪も燃えません。
また、糖質不足で走ると、身体は筋肉を分解してエネルギーに変えてしまうため、代謝が落ちてしまいます。ご飯やパンを食べる量やタイミングを調整しつつ、適度な糖質はしっかり摂るようにしましょう。「走るためのガソリン」として、質の良い炭水化物を選ぶ意識が大切です。
初心者が挫折せずに継続するためのコツ

最後に、マラソンダイエットを三日坊主で終わらせず、楽しく続けるためのコツをお伝えします。続けることさえできれば、必ず結果はついてきます。
足への負担を減らす「ランニングシューズ」を選ぶ
形から入ることはとても大切です。特にシューズ選びは最重要項目です。一般的なスニーカーで走ると、膝や足首を痛める原因になります。ランニング専用のシューズは、着地時の衝撃を吸収するクッション性が高く、足が前に出やすい構造になっています。
距離ではなく「時間」を目標にする
「今日は5キロ走ろう」と距離を目標にすると、調子が悪い日はプレッシャーになりますし、早く終わらせようとしてペースが速くなってしまいがちです。ダイエット目的であれば、「距離」ではなく「時間」を目標にするのがおすすめです。
「今日は30分身体を動かそう」と決めれば、ペースが遅くても時間は確実に過ぎていきます。調子が良ければ少し遠くまで行ってみる、疲れていればゆっくり景色を楽しむ。そうやって時間を基準にすることで、心のハードルを下げることができます。
休むこともトレーニングと心得る
真面目な人ほど、雨で走れなかったり、忙しくて時間がなかったりした日に罪悪感を感じてしまいます。しかし、マラソンは長期戦です。1日や2日休んだところで、すぐに太るわけではありません。
「休養もトレーニングの一部」と割り切りましょう。雨の日はお休みにしてストレッチをする、あるいは筋トレを少しだけやる、という柔軟なルールでOKです。「やらなければならない」という義務感よりも、「走ると気持ちいいから走る」という感覚を育てていくことが、長く続ける秘訣です。
メモ:
モチベーションが下がったら、新しいウェアを買ったり、好きな音楽を聴きながら歩いたりするだけでも十分です。細く長く続けることを目指しましょう。
マラソンで痩せる身体を手に入れよう
マラソンは、正しい知識を持って行えば、確実に身体を変えてくれる素晴らしい運動です。最後に、今回の重要なポイントを振り返りましょう。
まとめ:マラソンダイエット成功の鍵
・ペース配分:おしゃべりできる「ニコニコペース」で脂肪燃焼を最大化する。
・継続頻度:無理に毎日走らず、週3回程度で長く続ける。
・食事管理:走ったご褒美で食べ過ぎない。運動後のタンパク質は必須。
・楽しむ心:距離にこだわらず、心地よい時間を過ごすことを目的にする。
走り始めは少しきついかもしれませんが、数週間もすれば身体が軽くなり、走ること自体が楽しくなってくるはずです。焦らず、自分のペースで、痩せやすい健康的な身体を作っていきましょう。今日の一歩が、あなたの理想の未来へと繋がっています。





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