マラソン用のゼリー完全ガイド!初心者でも失敗しない選び方と摂取タイミング

マラソン用のゼリー完全ガイド!初心者でも失敗しない選び方と摂取タイミング
マラソン用のゼリー完全ガイド!初心者でも失敗しない選び方と摂取タイミング
【コンディショニング】最高のパフォーマンスのために

フルマラソンへの挑戦は、単なる体力の勝負ではありません。42.195kmという長い道のりを走り切るためには、自分自身のエネルギーを適切に管理する「補給戦略」が非常に重要になります。練習では長く走れても、本番で「30kmの壁」にぶつかって足が止まってしまうランナーの多くは、実はエネルギー切れが原因かもしれません。

そこで強い味方となるのが「マラソン用のゼリー(エナジージェル)」です。しかし、スポーツショップに行くとたくさんの種類が並んでいて、どれを選べばいいのか、いつ飲めばいいのか迷ってしまう方も多いでしょう。この記事では、マラソンにおけるゼリーの必要性から、選び方のポイント、そして完走やサブ4達成に向けた具体的な摂取タイミングまでをわかりやすく解説します。

マラソンにゼリーなどの補給食が必要な理由

「水分補給が必要なのはわかるけれど、走りながら食べる必要なんてあるの?」と疑問に思う初心者の方もいるかもしれません。しかし、フルマラソンにおいて補給食は、完走の成否を分けるほど重要な要素です。なぜなら、人間の体の中に蓄えられるエネルギーには限界があるからです。

知っておきたいエネルギーの計算式フルマラソンの消費カロリーは、一般的に「体重(kg)× 42.195(km)」と言われています。例えば体重60kgの人なら、約2,500kcalを消費します。

体内のエネルギーだけでは足りない現実

私たちの体は、糖質(グリコーゲン)を筋肉や肝臓に貯蔵し、それをガソリンとして走ります。しかし、一般成人男性が体内に蓄えられる糖質の量は、満タンの状態でも約1,500kcal〜2,000kcal程度だと言われています。これに対し、フルマラソンで消費するエネルギーは2,500kcal以上になることがほとんどです。

つまり、計算上どうあがいても「エネルギーが足りない」という事態に陥ります。スタートしてから無補給で走り続けると、30km付近で体内のタンクが空っぽになり、急激に体が重くなる、いわゆる「ハンガーノック(ガス欠)」状態になってしまうのです。

「30kmの壁」の正体とは

マラソンランナーの間でよく耳にする「30kmの壁」。これは、単なる筋力不足や精神的な甘えではありません。多くの場合、体内のグリコーゲンが枯渇し、脳が「これ以上動くと危険だ」と判断して体にブレーキをかけている生理現象です。

この壁を乗り越えるためには、枯渇する前に外部からエネルギーを継ぎ足す必要があります。固形のおにぎりやパンでは消化に時間がかかり、走っている最中の胃腸には負担が大きすぎます。そこで、消化吸収が早く、走りながらでも摂取しやすい「ゼリー(エナジージェル)」がマストアイテムとなるのです。

水分補給だけでは防げない

エイドステーション(給水所)にあるスポーツドリンクにも糖分は含まれていますが、それだけではフルマラソンの消費量を補うには濃度が薄すぎます。スポーツドリンクは主に水分とミネラルの補給が目的であり、ガソリンとなるカロリー補給には不十分です。

お腹がタプタプになるほど水分を摂っても、エネルギー不足は解消されません。濃縮されたエネルギー源であるゼリーを携帯し、計画的に摂取することが、最後まで脚を動かし続けるための鍵となります。

失敗しないマラソンゼリーの選び方

ショップの棚には数十種類のゼリーが並んでおり、それぞれ成分や味が異なります。パッケージがおしゃれなだけで選ぶのではなく、自分の目的やレース展開に合わせて最適なものを選ぶことが大切です。ここでは選び方のポイントを3つ紹介します。

1. 成分で選ぶ(カロリー・アミノ酸・ミネラル)

最も基本となるのは「エネルギー補給」を目的としたタイプです。1袋で100kcal以上摂取できるものを選びましょう。成分表を見て「マルトデキストリン」などが主成分になっているものが、即効性が高くおすすめです。

また、エネルギー以外にプラスアルファの機能を持つゼリーもあります。「BCAA(アミノ酸)」配合のものは筋肉の疲労軽減に役立ち、「マグネシウム」配合のものは足攣り(こむら返り)予防に効果が期待できます。レース後半のトラブルが不安な方は、これらの機能性ゼリーを組み込むと良いでしょう。

2. カフェインの有無をチェックする

レース終盤の「ここぞ」という場面で力を発揮するのが、カフェイン入りのゼリーです。カフェインには集中力を高めたり、脳が感じる疲労感を一時的に麻痺させたりする効果が期待できます。30km以降の辛い場面で摂取することで、ラストスパートへの切り替えスイッチになります。

ただし、カフェインは利尿作用があるため、トイレが近くなるリスクもあります。また、胃腸が弱い人は刺激が強すぎて腹痛を起こすこともあります。カフェイン入りを使う場合は、必ず練習で試して自分の体質に合うか確認してから本番に投入してください。

3. 味と飲みやすさ(食感)

意外と重要なのが「味」と「食感」です。レース後半、疲労困憊の状態では、甘ったるいものや粘度の高いものが喉を通らなくなることがあります。海外製のジェルは非常に甘くてドロっとしているものが多く、日本製のものは比較的サラッとしていて飲みやすい傾向があります。

フルーツ味、コーヒー味、梅味などバリエーションも豊富です。甘いものばかりだと飽きてしまうので、酸味のあるものや少し塩気のあるものを混ぜるなど、味のローテーションを考えるとストレスなく補給できます。

初心者が用意すべき本数の目安

サブ4〜サブ5(4時間〜5時間で完走)を目指すランナーの場合、3〜4個のゼリーを持つのが一般的です。これに加えて、レース直前に飲む用と、予備を1つ持っておくと安心です。

効果を最大化する摂取タイミング

ゼリーは「お腹が空いてから」飲んでも手遅れです。消化吸収されてエネルギーとして使えるようになるまでには、摂取してから約30分〜1時間程度のタイムラグがあるからです。そのため、「空腹を感じる前」に先回りして摂取する計画性が求められます。

【スタート前】カーボローディングの仕上げ

レース当日の朝食はスタートの3時間前までに済ませるのが基本ですが、スタート直前にも最後のエネルギー充填を行います。スタートの30分〜45分前に、アミノ酸入りのゼリーや、消化の良いエネルギーゼリーを1つ摂取しましょう。

これにより、スタート時の血中アミノ酸濃度を高め、筋肉の分解を防ぐとともに、グリコーゲンタンクを満タンに近い状態にして走り出すことができます。

【レース中】10kmごと、または1時間ごとのルール化

レース中は、距離や時間を基準にして機械的に摂取することをおすすめします。判断力が低下する後半に「いつ飲もうかな」と迷うのはストレスになります。

おすすめのパターンは、「10km地点」「20km地点」「30km地点」の3回摂取です。あるいは、自分の予想タイムに合わせて「1時間経過ごと」に摂るのも分かりやすいでしょう。例えば、4時間30分で完走を目指すなら、1時間後、2時間後、3時間後、3.5時間後(ラスト用)といった具合です。

【30km以降】カフェイン投入とラストスパート

30kmを過ぎて一番苦しい時間帯には、とっておきの「カフェイン入り」や「高カロリー」のゼリーを投入します。ここで摂取するものは、味も自分が一番好きなものにしておくと、精神的なリフレッシュにもなります。

また、足が攣りそうな予兆がある場合は、このタイミングでマグネシウム入りのゼリーやサプリメントを追加すると、トラブルを回避してゴールまで粘れる可能性が高まります。

【ゴール後】リカバリーのための補給

無事にゴールした後も、補給は大切です。フルマラソンを走った直後の体は、筋肉が激しく損傷し、免疫力も下がっています。ゴールしてから30分以内に、タンパク質やアミノ酸、糖質を含んだリカバリー用のゼリーを摂取しましょう。

この素早いケアが、翌日以降の筋肉痛の軽減や、疲労回復のスピードに大きな差を生みます。「家に帰ってから焼肉」も楽しみですが、まずは現場での応急処置としてゼリーを活用してください。

レース本番でのスマートな持ち運び方

3個も4個もゼリーを持って走るとなると、気になるのが「どうやって持つか」です。ポケットの中でガサガサ揺れたり、重みでパンツが下がってきたりするのは走りの妨げになります。ランナーたちが実践している主な携帯方法を紹介します。

マルチポケットパンツを活用する

近年、ランナーの間で爆発的に普及しているのが、腰回りに360度ポケットがついた「マルチポケットパンツ」です。ウエストポーチを使わずに、パンツの腰部分にゼリー、スマホ、鍵などを収納できます。

体に密着するため揺れにくく、取り出しもスムーズです。これがあれば、別途ポーチを買う必要がありません。各スポーツブランドから販売されているので、補給食をたくさん持ちたい方には最もおすすめの方法です。

ランニングポーチ・フリップベルト

専用のランニングパンツを持っていない場合は、体にフィットするタイプのポーチやベルトを使用します。従来のカチャッと留めるバックル式のポーチは揺れやすいので、腹巻のように体にフィットするチューブ型のベルト(フリップベルトなど)が人気です。

ベルトタイプは伸縮性があり、ゼリーを挟み込むように収納できるため、走っていてもほとんど揺れを感じません。お腹を締め付けすぎないサイズ選びが重要です。

アームカバーや手に持つスタイル

すぐに飲みたい1つ目のゼリーだけは手に持ってスタートする、というランナーもいます。また、冬場のレースでアームカバー(アームウォーマー)を着用する場合、手首の部分にゼリーを挟んでおくという裏技もあります。

ただし、長時間手に物を握っていると、無意識に肩に力が入ってフォームが崩れる原因になることもあります。基本的にはウェアやポーチに収納し、両手は空けておくのが理想的です。

飲み方のコツと注意点

最後に、レース中にゼリーを飲む際のちょっとしたコツやマナーについてお伝えします。小さなことですが、知っているとレース中のストレスが大きく減ります。

必ず「水」と一緒に飲む

マラソン用のゼリーは、効率よくエネルギーを詰め込むために非常に濃度が高くなっています。これをそのまま飲むと、浸透圧の関係で胃の中の水分が奪われ、胃もたれや吐き気を催すことがあります。

ゼリーを飲むときは、必ずエイドステーションの「水」と一緒に流し込むようにしましょう。スポーツドリンクと合わせると糖分過多になり、口の中がベタベタして不快感が増す原因にもなります。「ゼリーを口に含む」→「給水の水で流し込む」というセット動作を意識してください。

ポイント:給水所の少し手前で封を開けて口に入れ、モグモグしながら給水ポイントに近づき、水を取ってゴクンと飲み込むのがスムーズです。

開封しやすくしておく工夫

レース後半、疲労で指先の力が入りにくくなったり、汗で手が滑ったりして、ゼリーのパッケージがうまく開けられないことがあります。これは大きなストレスとタイムロスにつながります。

対策として、飲み口の切り取り部分にあらかじめ少し切り込みを入れておいたり、滑り止めの輪ゴムを巻いておいたりする工夫が有効です。また、最近ではキャップ付きのパッケージも増えているので、少しずつ飲みたい方はそちらを選ぶと良いでしょう。

ゴミは絶対にポイ捨てしない

飲み終わったゼリーの袋は、絶対にコース上に捨ててはいけません。後続のランナーが踏んで転倒する危険がありますし、何よりマナー違反です。

飲み終わった袋は小さく折りたたんでポケットに戻すか、エイドステーションに設置されているゴミ箱に捨てましょう。ベタつきが気になる場合は、飲み終わった後に少しだけ空気を入れておくと、ポケットの中でペチャンコにならず液垂れしにくくなります。あるいは、ジップロックのような小さな袋をゴミ入れとして持参するのもスマートです。

まとめ

まとめ
まとめ

マラソンにおけるゼリー補給は、完走と目標達成のための「生命線」です。適切なエネルギー管理ができれば、30km以降の辛い局面でも、もうひと踏ん張りする力が湧いてきます。

記事のポイント

・フルマラソンではエネルギーが必ず枯渇する。ゼリー補給は必須。

・成分(カロリー、BCAA、マグネシウム、カフェイン)を見て目的に合うものを選ぶ。

・「お腹が空く前」に飲む。10kmごとや1時間ごとなどルールを決める。

・必ず水と一緒に飲み、胃腸への負担を減らす。

・本番前に練習で試食し、味や体への反応を確認しておく。

自分に合った「最強の補給セット」を見つけて、フルマラソンの長い旅路を笑顔で走り切りましょう。しっかり準備すれば、30kmの壁も怖くありません。あなたのチャレンジを応援しています!

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