「いつかはフルマラソンに挑戦してみたい」そう思っているランニング初心者の方も多いのではないでしょうか。数あるマラソン大会の中でも、愛媛県松山市で毎年2月に開催される「愛媛マラソン」は、その温かい雰囲気と手厚いサポートから、初心者にもおすすめの大会として知られています。しかし、初めてのフルマラソンとなると、何から準備すれば良いのか、自分に走りきれるのか、不安なこともたくさんありますよね。
この記事では、そんな愛媛マラソンへの初挑戦を考えている初心者ランナーの皆さんのために、大会の魅力からエントリー方法、必要なトレーニング、そして大会当日の心構えまで、あらゆる情報を網羅的に、そして分かりやすく解説します。この記事を読めば、愛媛マラソン完走への道筋がきっと見えてくるはずです。さあ、一緒に完走への第一歩を踏み出しましょう。
愛媛マラソンは初心者でも楽しめる?大会の魅力を知ろう

愛媛マラソンが多くのランナーに愛されるのには理由があります。ここでは、特に初心者ランナーにとって嬉しい、愛媛マラソンの魅力についてご紹介します。
途切れない応援が魅力!「おもてなし」あふれるコース
愛媛マラソンの最大の魅力は、なんといっても沿道からの途切れることのない温かい声援です。 市街地はもちろん、郊外のコースに入っても応援が途切れず、ランナーの背中を力強く後押ししてくれます。 地元の方々の「お接待」文化が根付いており、コースの至る所で私設エイド(個人や団体が自主的に設ける休憩所)が設けられ、食べ物や飲み物を提供してくれるのも特徴です。 この「おもてなし」の心に触れることで、苦しい場面でも不思議と力が湧いてくるはずです。ゴール後には、足湯やいもたきなど、さらに手厚いおもてなしが待っています。
制限時間は6時間!初心者にも優しい設定
フルマラソン初心者が最も心配することの一つが、制限時間内に完走できるかという点でしょう。愛媛マラソンの制限時間は6時間と設定されています。 これは、市民マラソンとしては比較的余裕のある設定で、初めてフルマラソンに挑戦するランナーにも完走のチャンスが十分にあります。 過去の大会では、完走率が9割前後に達することもあり、多くのランナーがゴールテープを切る喜びを味わっています。 もちろん、完走するためには適切なトレーニングが必要ですが、この6時間という時間は初心者にとって大きな安心材料となるでしょう。
「坊っちゃん」「マドンナ」と一緒に走れる!?ユニークなゲストランナー
愛媛マラソンは、豪華なゲストランナーが参加することでも知られています。 オリンピック金メダリストの高橋尚子さんが毎年ゲストランナーとして参加しており、ランナーたちにエールを送ってくれます。 また、地元愛媛出身のオリンピアンである土佐礼子さんもスペシャルサポーターとして大会を盛り上げます。 さらに、夏目漱石の小説『坊っちゃん』ゆかりの地である松山市にちなんで、「坊っちゃん」や「マドンナ」に扮したランナーが走るなど、ユニークな演出も楽しめます。 有名ランナーや個性的なランナーと一緒に走れる非日常感も、愛媛マラソンの大きな魅力の一つです。
愛媛マラソン初心者向け!エントリーの基本情報

愛媛マラソンに参加するためには、まずエントリー手続きが必要です。ここでは、エントリーに関する基本的な情報を初心者にも分かりやすく解説します。
まずはエントリー方法をチェック!抽選と先着の違い
愛媛マラソンのエントリーは、主に「一般エントリー」と「アスリートエントリー」の2種類があります。
・一般エントリー:定員を超えた場合は抽選となります。 初心者の方はこちらの枠で申し込むのが一般的です。例年、倍率は2.5倍以上と人気が高いため、運も必要になります。
・アスリートエントリー:フルマラソンで男子3時間30分以内、女子4時間以内などの基準タイムをクリアしているランナーが対象で、こちらは先着順となります。
エントリーは、ランニング専門サイト「RUNNET」からのみの申し込みとなります。 申し込み期間は例年、前年の夏頃(8月頃)に設定されています。 詳しい日程は必ず公式サイトで確認し、忘れないように申し込みましょう。
参加資格は?18歳以上なら誰でもチャンスあり
愛媛マラソンの参加資格は、「大会当日満18歳以上の者」で、「5時間45分以内で完走できる者」とされています。 年齢の上限はなく、健康な方であれば誰でも挑戦することができます。ただし、エントリーに際して、糖尿病や心不全といった基礎疾患がある方は、かかりつけ医と相談の上で慎重に検討することが求められています。 また、氏名や年齢、性別などの虚偽申告や、代理出走は固く禁じられています。 安全に大会を楽しむためにも、ルールは必ず守りましょう。
参加料と必要な持ち物リスト
第63回大会(2026年開催予定)の参加料は12,900円で、その他にエントリー手数料が必要です。 参加料にはマラソン保険代も含まれています。
大会当日に向けて準備すべき持ち物としては、まず事前送付される「アスリートビブス引換QRコード(参加票)」が必須です。 これがないと受付ができません。 その他、ランニングウェア、ランニングシューズはもちろん、汗拭き用のタオル、エネルギー補給食、絆創膏などがあると安心です。また、スタート前やゴール後の冷え対策として、ウィンドブレーカーやカイロなどを用意しておくと良いでしょう。
愛媛マラソン初心者におすすめのトレーニング方法

42.195kmという長い距離を走り切るためには、計画的なトレーニングが不可欠です。ここでは、マラソン初心者におすすめのトレーニング方法を段階的にご紹介します。
まずはウォーキングから!無理なく始めるトレーニング計画
これまで運動習慣がなかったという方は、いきなり走り始めるのではなく、まずはウォーキングから体を慣らしていくことが大切です。週に2〜3回、30分程度のウォーキングから始め、徐々に時間を延ばしていきましょう。体が慣れてきたら、ウォーキングの合間に短い距離のジョギングを挟む「ウォーク&ラン」に移行します。例えば、「5分歩いて1分走る」を数回繰り返すといった具合です。これを続けることで、心肺機能や脚の筋力が徐々に高まり、無理なく長距離を走るための土台を作ることができます。
少しずつ距離を伸ばそう!LSDトレーニングとは?
本格的なランニングトレーニングとして初心者におすすめなのが、「LSDトレーニング」です。LSDとは、「Long Slow Distance」の略で、その名の通り「長い時間をかけて、ゆっくりとしたペースで走る」トレーニング方法です。おしゃべりしながらでも走れるくらいの、息が上がらないペースで、まずは60分、90分と時間を延ばしていくことを目標にしましょう。このトレーニングの目的は、スピードを上げることではなく、長時間動き続けるための持久力や、エネルギー源として脂肪を効率よく使う能力を高めることです。週末など、まとまった時間が取れる日に取り入れてみてください。
本番を想定した練習を!坂道トレーニングの重要性
愛媛マラソンのコースは全体的にフラット基調ですが、序盤の8km付近と終盤の35km付近に「平田の坂」と呼ばれる高低差約40mの坂があります。 この坂を攻略するためにも、普段のトレーニングに坂道を取り入れることが有効です。近所の坂道を見つけて、上りを力強く、下りをリラックスして走る練習を繰り返しましょう。坂道トレーニングは、平地を走るだけでは鍛えにくい筋肉を刺激し、心肺機能の強化にも繋がります。本番のコースを想定した練習を積むことで、精神的な余裕も生まれるはずです。
大会前の調整「テーパリング」でベストコンディションに
大会が近づいてきたら、「テーパリング」と呼ばれる調整期間に入ります。これは、大会の1〜2週間前から練習量を徐々に減らしていくことで、それまでのトレーニングで蓄積した疲労を抜き、体をフレッシュな状態に戻すための調整方法です。練習量を落とすことに不安を感じるかもしれませんが、ここでしっかりと休養を取ることが、本番で最高のパフォーマンスを発揮するために非常に重要です。食事も炭水化物を多めに摂る「カーボローディング」などを取り入れ、エネルギーを体に満タンに蓄えておきましょう。
愛媛マラソン初心者が知っておきたい当日の流れと注意点

いよいよ大会当日。万全の準備でスタートラインに立つために、当日の流れと注意点をしっかりと把握しておきましょう。
朝の準備からスタートまで!会場での過ごし方
大会当日の朝は、時間に余裕をもって行動することが大切です。受付は混雑が予想されるため、できるだけ前日に済ませておくのがおすすめです。 会場には駐車場がほとんどないため、公共交通機関を利用しましょう。 会場に着いたら、まずは手荷物を預けます。 その後、トイレを済ませ、スタートブロックに整列します。スタートブロックは申告タイム順に分かれており、閉鎖時刻までに指定の場所へ移動する必要があります。 スタート直前は冷えやすいので、不要になった上着などを入れられるビニール袋を持っておくと便利です。
給水・給食ポイントを賢く利用しよう
コース上には、複数の関門と給水・給食所(エイドステーション)が設置されています。 初心者ランナーは特に、のどが渇いたと感じる前に、こまめに水分補給をすることが脱水症状を防ぐために重要です。スポーツドリンクと水が用意されているので、バランスよく摂取しましょう。また、エイドステーションでは、バナナやパン、地元銘菓のタルトやポンジュースなど、様々な食べ物が提供されます。 これらを上手に活用して、エネルギー切れ(ハンガーノック)を防ぎましょう。ただし、食べ過ぎてお腹が痛くならないように注意も必要です。
ペース配分が完走の鍵!前半は抑えめに
初めてのフルマラソンでやりがちな失敗が、スタート直後の高揚感から前半にペースを上げすぎてしまうことです。周りのランナーにつられて速いペースで入ってしまうと、後半に必ず失速してしまいます。完走を目指すのであれば、前半は「少し物足りないかな」と感じるくらいのペースで、意識的に抑えて走ることが鉄則です。特に愛媛マラソンは、後半の35km地点に厳しい坂が待ち構えています。 そこまでいかに脚の疲労を溜めずに走れるかが、完走への大きなポイントとなります。
万が一のトラブルに備えて!救護所の場所を確認
42.195kmの道のりでは、予期せぬ体調不良や怪我といったトラブルが起こる可能性もあります。コース上には複数の救護所が設置されており、医師や看護師が待機しています。少しでも体に異変を感じたら、無理をせず、勇気をもって最寄りの救護所へ向かいましょう。また、各関門には閉鎖時刻が設定されており、それを超えると先に進むことができません。 万が一、関門を通過できなかった場合や、競技続行が不可能と判断された場合は、収容バスに乗車することになります。 安全第一で、自分の体と相談しながら走ることが最も大切です。
愛媛マラソン初心者必見!おすすめの服装と装備

マラソン当日のウェアや装備は、快適に走るために、そしてパフォーマンスを最大限に発揮するために非常に重要です。ここでは、初心者におすすめの服装と装備について解説します。
天候に合わせたウェア選びのポイント
愛媛マラソンが開催される2月は、まだ寒さが厳しい時期です。 しかし、走っているうちに体は温まってくるため、体温調節がしやすい服装を心がけることが大切です。基本は、速乾性のある半袖シャツにショートパンツ、そして機能性スポーツタイツというスタイルです。 寒さが心配な方は、着脱しやすいアームカバーやウィンドブレーカーを用意しましょう。 特にスタート前の待ち時間は体が冷えやすいので、防寒対策は万全に。日差し対策として、キャップやサングラスもあると良いでしょう。
自分に合ったランニングシューズを選ぼう
フルマラソンを走る上で、最も重要なアイテムがランニングシューズです。自分の足の形や走り方に合っていないシューズを選ぶと、靴擦れやマメ、さらには膝や腰の痛みの原因にもなりかねません。初心者の方は、クッション性が高く、足への負担を軽減してくれるモデルを選ぶのがおすすめです。購入する際は、必ずスポーツ用品店の専門スタッフに相談し、実際に試し履きをしてから決めるようにしましょう。かかとのフィット感や、つま先の余裕(1cm程度)などをしっかりと確認することが大切です。
持っていると便利!ランニングポーチとその他グッズ
スマートフォンや小銭、エネルギー補給食などを携帯して走るために、ランニングポーチは必須アイテムです。体にフィットして揺れにくいタイプを選びましょう。中に入れておくと便利なものとしては、エネルギー切れ対策のジェルや飴、万が一の靴擦れに備えた絆創膏、汗で濡れた時のためのティッシュなどが挙げられます。また、GPS機能付きのランニングウォッチがあれば、ペースを確認しながら走ることができ、モチベーション維持にも繋がります。これらは必須ではありませんが、より快適にレースを楽しむための助けとなるでしょう。
【まとめ】愛媛マラソンを初心者でも楽しむために

この記事では、愛媛マラソンに初めて挑戦する初心者ランナーの皆さんが知りたい情報を、網羅的に解説してきました。
愛媛マラソンは、途切れることのない沿道の応援と、6時間という比較的長い制限時間のおかげで、初心者でも完走を目指しやすい、魅力あふれる大会です。 エントリーは例年夏頃に抽選で行われるため、まずは公式サイトをチェックして申し込みを忘れないようにしましょう。
完走のためには、ウォーキングから始める無理のないトレーニング計画を立て、LSDや坂道トレーニングで着実に走力をつけていくことが大切です。そして大会が近づいたら、テーパリングでしっかり疲労を抜き、万全のコンディションで当日を迎えましょう。
当日は、前半のペースを抑え、給水・給食をしっかり取ることが完走の鍵です。自分に合ったウェアとシューズを身につけ、万が一のトラブルに備えつつ、最後まで諦めずにゴールを目指してください。
愛媛マラソンは、ランナー、ボランティア、そして沿道の人々が一体となって作り上げる素晴らしいお祭りです。 この記事で得た知識を元にしっかりと準備をすれば、きっと忘れられない感動のゴールがあなたを待っているはずです。



コメント