「マラソンに挑戦してみたいけど、何から始めればいいんだろう?」「初心者はどんな目標を立てればいいの?」そんな風に思っていませんか?マラソンは、しっかり準備をすれば誰でも完走できる素晴らしいスポーツです。しかし、いきなり42.195kmという長い距離を目指すのは、身体への負担が大きく、怪我の原因にもなりかねません。大切なのは、自分に合った目標を段階的に設定し、無理なくトレーニングを続けることです。
この記事では、マラソン初心者が挫折することなく、そして楽しく走り続けるための目標設定のコツを、具体的な練習方法とあわせてやさしく解説します。自分にぴったりの目標を見つけて、トレーニングを計画的に進めることで、フルマラソン完走という大きな達成感を味わうことができるでしょう。
マラソン初心者が最初に立てるべき目標とは?

マラソンへの挑戦を決意した初心者が、まず取り組むべきなのは具体的な目標設定です。目標が明確になることで、日々のトレーニングへのモチベーションが維持しやすくなり、計画的に準備を進めることができます。ここでは、初心者が設定すべき目標について、その重要性から具体的な内容までを解説します。
なぜ目標設定が重要なのか
マラソンという過酷なスポーツに挑戦する上で、明確な目標設定は非常に重要です。無計画にただ走り始めるだけでは、途中で何をすべきか分からなくなったり、モチベーションが続かなくなったりする可能性があります。 目標は、いわばランニングという道のりの道しるべです。自分がどこに向かっているのかを常に意識することで、日々のトレーニングに意味が生まれ、着実にステップアップしていくことができます。
また、目標を立てる際には「SMART」というフレームワークが役立ちます。 これは、Specific(具体的)、Measurable(測定可能)、Action-Oriented(行動指向)、Realistic(現実的)、Timed(期限付き)の頭文字をとったもので、具体的で達成可能な目標を設定するための指針となります。 例えば、「速く走れるようになる」という曖昧な目標ではなく、「3ヶ月後の大会で、1kmを7分のペースで5kmを完走する」といった具体的な目標を立てることで、何をすべきかが明確になります。
このように、しっかりとした目標設定は、マラソン完走という最終ゴールに向けたトレーニングを、より効果的で意味のあるものにしてくれるのです。
「まずは5km」から始める小さな目標設定
フルマラソン完走という大きな目標を掲げることは素晴らしいですが、ランニング経験がほとんどない初心者にとっては、その道のりはあまりにも長く感じてしまうかもしれません。そこで大切なのが、まずは達成可能な小さな目標を設定することです。その第一歩として、「5kmを走り切ること」は非常に良い目標設定と言えるでしょう。
5kmという距離は、初心者にとって決して楽な目標ではありませんが、数週間のトレーニングで十分に達成可能な距離です。まずはウォーキングから始め、徐々にジョギングを交えていくことで、体に大きな負担をかけることなく走る習慣を身につけることができます。 この「5km完走」という小さな成功体験が、次のステップへ進むための大きな自信とモチベーションにつながります。
いきなり高い目標を掲げて挫折してしまうよりも、着実にクリアできる目標を一つひとつ達成していく方が、結果的に長く楽しくランニングを続けることができます。まずは5kmを目標に、自分のペースでトレーニングを始めてみましょう。
最終目標は「フルマラソン完走」
小さな目標をクリアしていく中で、最終的に目指したいのが「フルマラソン完走」です。42.195kmという長い道のりを自分の足で走り切った時の達成感は、何物にも代えがたい経験となるでしょう。
初心者の場合、タイムを意識するよりも、まずは制限時間内に完走することを目標にするのがおすすめです。 多くの市民マラソン大会では、制限時間が6時間程度に設定されています。 1kmあたり約8分半のペースで走り続ければ完走できる計算になり、これはランニング初心者でも十分に達成可能な目標です。
もちろん、フルマラソンを完走するためには、計画的なトレーニングが不可欠です。ハーフマラソン(約21km)を完走できる走力を身につけることが、一つの目安となります。 普段の練習で20km程度の距離を無理なく走れるようになれば、フルマラソン完走はぐっと近づいてきます。 焦らず、段階的に距離を伸ばしていくトレーニングを積み重ね、夢のフルマラソン完走を目指しましょう。
タイムよりも「楽しむこと」を目標にする大切さ
マラソンは自分との戦いであると同時に、楽しむことが継続の秘訣です。特に初心者にとっては、タイムを追い求めるあまり、走ること自体が苦痛になってしまっては元も子もありません。タイムを目標に設定することもモチベーション維持の一つの方法ですが、それ以上に「楽しむこと」を目標の中心に据えることが大切です。
例えば、景色の良いコースを選んで走る、好きな音楽を聴きながら走る、ランニング仲間と一緒におしゃべりしながら走るなど、自分なりの楽しみ方を見つけることで、トレーニングはより充実したものになります。 大会の沿道からの応援にこたえたり、給水所でボランティアの方とコミュニケーションをとったりするのも、マラソン大会ならではの楽しみ方です。
タイムは後からついてくるものです。まずは、走ることそのものを心から楽しみ、自分のペースで走り続けることを目標にしましょう。その先に、きっと自己ベストの更新や、より高い目標への挑戦意欲が湧いてくるはずです。
マラソン初心者の目標達成に向けたトレーニング計画

目標を設定したら、次はその目標を達成するための具体的なトレーニング計画を立てる段階に移ります。やみくもに走るのではなく、計画的にトレーニングを進めることが、怪我を防ぎ、着実に走力を向上させるためのポイントです。ここでは、初心者が無理なく続けられるトレーニング計画の立て方について解説します。
練習頻度は週2〜3回からスタート
マラソン完走を目指すというと、毎日走らなければいけないと考える人もいるかもしれませんが、初心者の場合はむしろ逆効果になることがあります。走り始めは、週に2〜3回の練習頻度からスタートするのが理想的です。
筋肉は、トレーニングによって傷つき、その後の休息期間中に回復することで、以前よりも強くなる「超回復」という現象を起こします。 毎日トレーニングを行うと、筋肉が十分に回復する時間がなく、疲労が蓄積して怪我につながりやすくなります。そのため、トレーニング日の間には必ず休息日を設け、体を休ませることが重要です。
例えば、「火曜日に走って、水・木は休み、金曜日にまた走る」といったように、中1日か2日空けるスケジュールを組むと良いでしょう。自分のライフスタイルに合わせて無理のない範囲で計画を立て、まずは「走り続ける習慣」を身につけることを目指しましょう。
ウォーキングとジョギングを組み合わせる
これまで運動習慣がなかった人が、いきなり長い時間走り続けるのは非常に困難です。まずはウォーキングから始めて、体を動かすことに慣らしていきましょう。 ウォーキングは、ランニングに比べて体への負担が少なく、安全に基礎体力を向上させることができます。
ウォーキングに慣れてきたら、次はジョギングを組み合わせていきます。 例えば、「10分ウォーキング→10分ジョギング→10分ウォーキング」のように、ウォーキングとジョギングを交互に行うインターバル形式のトレーニングがおすすめです。 これを続けることで、徐々に心肺機能が高まり、より長い時間走れるようになっていきます。
体が慣れてきたら、ジョギングの時間を少しずつ長くしていき、最終的には30分間連続で走れるようになることを目指しましょう。 焦らず自分の体の声を聞きながら、段階的に運動強度を上げていくことが、怪我なくトレーニングを継続する秘訣です。
徐々に距離を伸ばす「ロング走」のすすめ
短い時間のジョギングに慣れてきたら、次に取り組みたいのが、ゆっくりとしたペースで長い距離を走る「ロング走(LSD:ロング・スロー・ディスタンス)」です。 これは、おしゃべりできるくらいの余裕を持ったペースで、60分から120分、あるいはそれ以上の時間をかけて走るトレーニングです。
ロング走の目的は、スピードを上げることではなく、長い時間動き続けるための持久力を養うことです。特に、フルマラソン完走を目指す上では、この持久力が非常に重要になります。また、ゆっくり走ることで、着地の衝撃を抑え、怪我のリスクを減らす効果も期待できます。
最初は60分程度から始め、少しずつ時間を延ばしていきましょう。 このトレーニングを通じて、長時間体を動かし続ける感覚を体に覚えさせることができます。週末など、時間に余裕のある日に取り入れるのがおすすめです。
継続するためのモチベーション維持のコツ
トレーニングを継続する上で、モチベーションの維持は非常に重要な要素です。どんなに素晴らしい計画を立てても、実行できなければ意味がありません。
モチベーションを維持するための一つの方法は、トレーニングの記録をつけることです。スマートフォンのアプリやGPSウォッチなどを活用し、走った距離や時間、ペースなどを記録してみましょう。 自分の成長が可視化されることで、達成感を得やすくなり、次のトレーニングへの意欲につながります。
また、一緒に走る仲間を見つけるのも効果的です。友人や家族を誘ったり、ランニングクラブに参加したりすることで、お互いに励まし合いながら楽しくトレーニングを続けることができます。
さらに、目標とするマラソン大会にエントリーしてしまうのも一つの手です。 大会という明確な目標ができることで、「やらなければ」という良い意味でのプレッシャーが生まれ、トレーニングに集中しやすくなります。自分なりの方法でモチベーションを管理し、ランニングを生活の一部にしていきましょう。
【目標別】マラソン初心者のための具体的な練習メニュー

ここからは、より具体的に、目標とする距離別の練習メニュー例を紹介します。「5km」「10km」「ハーフマラソン」「フルマラソン」のそれぞれを完走するために、どのようなトレーニングを積んでいけばよいのか、段階的に見ていきましょう。自分の現在のレベルと目標に合わせて、無理のないメニューから始めてください。
目標「5km完走」のための練習メニュー
ランニングを始めたばかりの人が最初に目指すのに最適なのが「5km完走」です。この段階では、走る楽しさを感じながら、無理なく体を慣らしていくことが最も重要です。
まずは週に2〜3回の練習を目標にしましょう。初めの1〜2週間は、ウォーキングを中心に行います。30分程度のウォーキングから始め、少しずつ時間を延ばしていきましょう。体が慣れてきたら、ウォーキングの途中に短いジョギングを挟んでみます。例えば、「5分歩いて1分走る」を5セット繰り返すといったメニューです。
ジョギングの時間を徐々に延ばしていき、最終的には20〜30分程度、連続で走り続けられるようになれば、5kmを完走する力は十分についているはずです。ペースは全く気にする必要はありません。おしゃべりできるくらいのゆっくりとしたペースで、まずは「止まらなずに走り切る」ことを目指しましょう。この小さな成功体験が、次のステップへの大きな自信となります。
目標「10km完走」のための練習メニュー
5kmを完走できるようになったら、次は「10km完走」に挑戦してみましょう。走る距離が倍になるため、持久力をさらに高めていく必要があります。練習頻度は週3回程度を目安にします。
練習メニューとしては、平日に2回、30〜45分程度のジョギングを行います。ペースは変わらず、楽に走り続けられる速さを維持しましょう。そして週末には、少し長めの距離を走る「ロング走」を取り入れます。まずは60分程度のランニングから始め、毎週10分ずつ時間を延ばしていくイメージです。
10kmを走り切るためには、1kmを7分から8分程度のペースで走る力が必要になります。ロング走に慣れてきたら、一度10kmの距離を実際に走ってみるのも良いでしょう。本番のレースでなくても、自分でコースを決めて走ることで、現在の実力や課題が見えてきます。10kmという距離に自信がつけば、ハーフマラソンへの挑戦も視野に入ってきます。
目標「ハーフマラソン完走」のための練習メニュー
「ハーフマラソン(21.0975km)」は、フルマラソンへの大きなステップとなる目標です。この距離を完走するためには、これまで以上に計画的なトレーニングが必要になります。月間の走行距離としては、100kmが一つの目安となります。
練習頻度は週3〜4回が理想です。 平日のトレーニングでは、60分程度のジョギングに加え、「ビルドアップ走」を取り入れてみましょう。ビルドアップ走とは、走り始めはゆっくり入り、徐々にペースを上げていく練習方法です。 これにより、心肺機能とスピード持久力を効率的に鍛えることができます。
そして、週末のロング走はさらに重要になります。最終的には、15kmから20km程度の距離を走り切れるようになっておくと、本番で心に余裕が生まれます。 大会の1ヶ月前までには、一度ハーフマラソンと同じ距離を走っておくと、自信を持ってスタートラインに立つことができるでしょう。 ハーフマラソンを完走できれば、あなたはもう立派なランナーです。
目標「フルマラソン完走」のための練習メニュー
いよいよ最終目標である「フルマラソン完走」です。42.195kmという長丁場を乗り切るためには、少なくとも半年前から準備を始めるのが理想的です。 この段階では、 단순히走るだけでなく、体全体のコンディションを整える意識が重要になります。
トレーニングの中心は、引き続き週末のロング走です。レースの1〜2ヶ月前には、90分から120分のLSD(ロング・スロー・ディスタンス)や、20kmから30kmの距離走を行い、長距離への耐性をつけていきましょう。 ただし、30km走は体に大きなダメージを与えるため、初心者は無理に行う必要はありません。20kmを余裕を持って走れるようになっていれば、完走の可能性は十分にあります。
また、レースペースを意識した「ペース走」も取り入れます。 例えば、フルマラソンを6時間で完走したい場合、1kmあたりのペースは約8分半です。このペースを体に覚え込ませることで、本番でのペース配分がしやすくなります。 レース1週間前からは練習量を減らし、疲労を抜くことも忘れないようにしましょう。
マラソン初心者が目標達成のために揃えたい必須アイテム

マラソンを安全かつ快適に楽しむためには、適切なアイテムを揃えることが非常に重要です。特に初心者の場合、自分に合わない道具を使うと、怪我の原因になったり、走るモチベーションが低下したりすることもあります。ここでは、マラソン初心者が目標達成のためにまず揃えたい必須アイテムを紹介します。
自分に合ったランニングシューズの選び方
マラソンを始める上で、最も重要と言っても過言ではないのがランニングシューズです。 日常的に履いているスニーカーなどで走ると、着地の衝撃を十分に吸収できず、膝や足首を痛める原因になります。必ずランニング専用のシューズを用意しましょう。
初心者がシューズを選ぶ際に重視すべきポイントは、「クッション性」と「安定性」です。 まだ走るための筋力が十分に備わっていないため、着地時の衝撃から足を守ってくれるクッション性の高いモデルがおすすめです。また、足のブレを抑え、安定したフォームで走るのを助けてくれるサポート機能があるかも確認しましょう。
一番良いのは、スポーツ用品店の専門スタッフに相談することです。自分の足の形(幅広、甲高など)や走り方の癖などを計測してもらい、最適な一足を選んでもらうのが確実です。 サイズ感も重要で、つま先に1cm程度の余裕があるものが良いとされています。実際に履いてみて、フィット感を確かめてから購入するようにしましょう。
快適なランニングウェアと季節ごとの服装
ランニングウェアは、快適に走るための重要な要素です。普段着のTシャツやスウェットは、汗を吸うと重くなり、体に張り付いて不快感の原因になります。ランニングウェアは、「吸汗速乾性」に優れた素材でできているものを選びましょう。 汗を素早く吸収し、乾かしてくれるため、長時間快適な状態を保つことができます。
季節に合わせた服装も大切です。夏場は、通気性の良い半袖シャツやショートパンツが基本です。 日差しが強い日は、紫外線対策としてキャップやサングラス、アームカバーなどを活用しましょう。 一方、冬場は、保温性と防風性に優れたロングパンツやジャケットが必要になります。 ただし、走り始めると体が温まるので、厚着をしすぎないように注意が必要です。アームウォーマーや手袋など、体温調節がしやすい小物を利用するのもおすすめです。
GPSウォッチでペースや距離を管理
日々のトレーニングの成果を可視化し、モチベーションを維持するために役立つのがGPSウォッチです。GPSウォッチを身につけて走ることで、走行距離、時間、ペース、消費カロリーなどをリアルタイムで計測・記録することができます。
自分のペースを客観的に把握できることは、特に初心者にとって大きなメリットです。例えば、「1kmを7分で走る」という目標を設定した場合、GPSウォッチを見れば、現在のペースが目標通りかどうかが一目でわかります。 これにより、オーバーペースを防ぎ、計画通りのトレーニングを実行しやすくなります。
また、多くのGPSウォッチには、スマートフォンアプリと連携する機能がついています。 走行データをアプリに転送し、日々のトレーニング履歴を管理することができます。自分の成長がグラフなどで視覚的に確認できると、走ることがさらに楽しくなるでしょう。
安全に走るためのアイテム(ライト、反射材など)
安全にランニングを楽しむためには、周囲への配慮も欠かせません。特に、早朝や夜間に走る場合は、自分の存在を車や自転車などに知らせるためのアイテムが必須です。
具体的には、体に装着するLEDライトや、ウェアやシューズに貼り付ける反射材(リフレクター)などがあります。これらのアイテムを身につけることで、暗い場所でもドライバーからの視認性が高まり、事故のリスクを大幅に減らすことができます。
また、万が一の事態に備えて、スマートフォンや小銭、身分証明書などを携帯できるランニングポーチも用意しておくと安心です。 これらの安全対策をしっかりと行うことで、心に余裕を持ってランニングに集中することができます。
マラソン大会当日の心構えと初心者におすすめの目標ペース

いよいよ練習の成果を発揮するマラソン大会当日。しかし、初めての大会は、スタート前の雰囲気やレース中の流れなど、分からないことだらけで不安に感じるかもしれません。ここでは、大会当日に向けての準備や心構え、そして初心者におすすめのペース配分について解説します。
大会前の食事(カーボローディング)の基本
マラソンのような長時間の運動でエネルギー源となるのは、主に体内に蓄えられた糖質(グリコーゲン)です。カーボローディングとは、レースの数日前から炭水化物を多く含む食事を摂ることで、体内のグリコーゲン貯蔵量を最大限に高める食事法です。これにより、レース後半でのエネルギー切れ(ガス欠)を防ぐ効果が期待できます。
具体的には、レースの3日前あたりから、ご飯、パン、麺類、パスタといった炭水化物を中心とした食事に切り替えます。ただし、食べ慣れないものを急に大量に摂取すると、胃腸に負担をかける可能性もあります。普段から食べ慣れているものを中心に、バランス良く摂取することを心がけましょう。
レース当日の朝食は、スタートの3時間前までには済ませておくのが理想です。 おにぎりやパン、バナナなど、消化が良くエネルギーに変わりやすいものを選びましょう。
当日の持ち物チェックリスト
大会当日に慌てないよう、持ち物は前日までに準備しておきましょう。忘れ物をすると、精神的な焦りにつながり、レースに集中できなくなってしまいます。
必須の持ち物は、まず「ゼッケン」と「計測チップ」です。 これがないとレースに参加できません。ウェアに安全ピンでしっかりと取り付けておきましょう。その他、ランニングウェア、シューズはもちろん、レース前後に着る防寒着や着替え、タオルなども必要です。
レース中に携帯するものとしては、エネルギー補給のためのジェルや飴、小銭、絆創膏などが挙げられます。これらはランニングポーチに入れておくと便利です。また、天候によっては雨具や日焼け止め、ワセリン(股ずれ防止用)などもあると安心です。 自分に必要なものをリストアップし、一つひとつ確認しながら準備を進めましょう。
スタート直後の混雑とペース配分
マラソン大会のスタート地点は、数千、数万人のランナーで大変混雑します。 号砲が鳴っても、すぐに自分のペースで走り出すことは難しいでしょう。ここで焦って周りのランナーをジグザグに追い抜こうとすると、無駄な体力を消耗してしまいます。
スタートから最初の2〜3kmはウォーミングアップと割り切り、周りの流れに身を任せるくらいの気持ちで、ゆっくりと走り始めましょう。 コースが空いてきて、自分のペースで走れるようになるのは、しばらく経ってからです。
初心者ランナーが最も陥りやすい失敗が、序盤のオーバーペースです。 スタート直後の高揚感から、ついついペースを上げてしまいがちですが、これは後半の失速に直結します。レース中盤に訪れる「セカンドウィンド」という、体が楽に感じられる状態にも注意が必要です。 ここで調子に乗ってペースを上げると、30km以降で必ず足が止まります。「序盤はとにかく我慢」を徹底し、意識的にペースを抑えることが完走への近道です。
給水・給食ポイントの上手な活用法
フルマラソンでは、コース上に数kmおきに給水所や給食所が設置されています。これらを上手に活用することが、完走のためには不可欠です。のどが渇いたと感じる前に、こまめに水分補給を行うことを心がけましょう。汗によって失われるのは水分だけでなく、ミネラルも含まれるため、スポーツドリンクも積極的に摂取するのがおすすめです。
給水所のテーブルは混雑していることが多いので、少し先の空いているテーブルを狙うとスムーズに取ることができます。また、コップを取る際は、立ち止まらずにゆっくりと走りながら受け取るのが基本です。
給食所では、バナナやパン、お菓子などが提供されます。これらは貴重なエネルギー源となるため、食べやすいものを少量ずつ補給しましょう。全ての給水・給食ポイントに立ち寄るくらいの気持ちで、エネルギーと水分を計画的に補給し続けることが、42.195kmを走り切るための重要な戦略です。
まとめ マラソン初心者の目標達成は計画的な準備から

この記事では、マラソン初心者が目標を設定し、それを達成するための具体的なステップについて解説してきました。重要なのは、いきなり高い目標を掲げるのではなく、「まずは5km完走」といった達成可能な小さな目標から始めることです。そして、その小さな成功体験を積み重ねながら、最終目標であるフルマラソン完走へとつなげていくことが、挫折せずに走り続けるための秘訣です。
目標達成のためには、週2〜3回の無理のない練習から始め、ウォーキングとジョギングを組み合わせながら徐々に体を慣らしていく計画的なトレーニングが不可欠です。 また、自分に合ったシューズやウェアを揃え、GPSウォッチなどを活用してモチベーションを維持することも大切です。
そして何よりも、「楽しむこと」を忘れないでください。タイムや順位だけにとらわれず、自分のペースで走る喜びを感じることが、マラソンという素晴らしいスポーツを長く続けるための原動力となります。この記事を参考に、あなたもマラソン完走という大きな目標に向かって、今日から第一歩を踏み出してみませんか。



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